終点の先に向かう港町 (郷愁でも便乗でもない確かな宇野のビジョンを考えてみた)
連絡船の途絶えた終点のまち 宇野
「終点の先に」という放置自転車をアート化するプロジェクト。
これは岡山駅から瀬戸内海への「終点駅」JR宇野駅にその自転車たちはあります。作家 小沢敦さんが鉄を熱して叩いて溶接し新たな自転車に再生。5台限定ですがレンタサイクルもできちゃいます。
宇野港では1988年に四国への連絡船が終航しまさに「終点のまち」になりました。その宇野が再び「始発のまち」になりかかっています。
直島・豊島をはじめとしたアートの島々への玄関口として。
そして瀬戸内海国立公園地域の生活・文化・環境を再生していく役目をリードする「始発のまち」として。
▼ 宇野のアート作品
▼ 瀬戸内国際芸術祭2025
終点を見つめられる人は、始点を生み出す人になれる
リニアエコノミーでは、終点についたものたちは「廃棄物」と呼ばれてしまいます。そこでは分解も発酵もないから循環が起きないのです。
一方、サーキュラーエコノミーでは終点は、同時に次のサイクルへの始点です。だけれどそのためにはマインドの転換も必要になります。
いま終点の先に有り余ってしまっているナニカ。それを丸ごと受け止めないといけない。ナニカは、欲の産物かもしれないし、未来の資源の前借りをしたものかも。
誰かのおねだりの代償を誰かが払った分、ゲームに勝った後に残った副産物なのかもしれない。
だから、終点の先のナニカに目をそらさない人が増えないと「始点」は生まれない。新しい循環を生み出し、再生循環の豊かな未来への始点になっていくナニカ。
終点そこに行けばナニカアルカ。
だんだん始点がはっきり見えてくるのです。
終点の先に見えた地域の未来 (重ねて育もう。コモンの再生と個人の自己実現)
【RYO`s Message】2024年 10月のテーマは、人口減少地域における持続可能な地域づくりとそこにおける個人のワーク/ライフのあり方について。
これまでの市場原理主義スタイルから脱却しコモンを再生しながら持続可能な地域を育んでいくための、観光のあり方・市民参画型地域づくりについて、コミュニティデザインの視点と個人の自己実現の視点を交えて、幸田リョウが語っています。
(ぼくのふるさとのまちでもある)宇野はこれから「リジェネラティブ(regenerative)」を軸にして、地域再生型観光と環境再生産業で瀬戸内海地域をリードし、国際的なモデルケースにもなる「始発のまち」になっていってもらいたいです。
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