「Psychology of Money」
本との出会い
数年ぶりに投資と真剣に向き合おうと思い、Amazonで投資のジャンルで評価が高かった数本の内の一冊。
投資のハウツー本というより、心理学・マインド系の本のため明日からコレを試そう、という気づきは得られない。
ただ、投資においてスキルや知識より、マインドの方が重要であることは、投資をやったことがある人なら誰でも分かっており、この本にも一見普通のことや、自己研鑽の本ではよく書いてあるような内容なのだが、実践するのは難しいと思われる。
ポイント
本書にある重要メッセージのうち、自分が教訓にしたいポイントは以下の通り。
1. 物事がうまくいっているときには慎重に、うまくいかないときには寛容に
何事も見かけほど良くもないし悪くもない。運もリスクも存在し、その影響を見極めるのも難しい。
2. エゴを減らせば、豊かになれる
貯金=収入-エゴ。
収入を1%増やすより、エゴを1%減らす方が簡単。
それが複利の効果で大差となる。
3. 投資で結果を出すための最大の秘訣は、時間軸を長くすること
運やリスクをなくすことはできないが、時間をかければかけるほど望む効果が得やすくなるのは確か。
バフェットは史上最も裕福な投資家であるが、年平均のリターンで測った場合、最も偉大な投資家ではない。
良い投資とはそこそこのリターンを繰り返し何度も手に入れ続けることである。
そのとき、複利が最大の効果を発揮する。
4. うまくいかないことがあっても問題ないと考える。半分は間違っていても、資産は増やせる
結果の大部分をもたらすのはごく少数の投資だからだ。
銘柄を選ぶのが上手い投資家でも正解は半分くらい。
バークシャーの一握りの上記投資先を除けば、長期的な運用実績はごく平凡なもの。
ジョージ・ソロス曰く、「重要なのは、正しいか間違っているかではなく、正しいときにどれだけお金を稼ぎ、間違っているときにどれだけ損失を抑えられるかだ。」
5. 自分の時間をコントロールするためにお金を貯め、使う
人間は自分で自分の人生をコントロールできていると感じるほど幸福になる。
お金はそれを実現できる。
また、子供たちは、親のお金(またはお金で買えるもの)を欲しがったりしない。子供たちはただ親が一緒にいてくれることを望んでいる。
6. 他人に富を見せびらかさず、誠実に人と接しよう
どんな高級品を持っていても、自分は他人を感動させたりしない。
本当に望んでいる尊敬と称賛を得たいのであれば、馬力の大きなスポーツカーや派手なメッキの腕時計よりも、優しさや謙虚さのほうが効果的である。
7. 自分がしているゲームを明確にする
自分とは別のゲームをしている人に影響されないように気をつけること。
例:Googleの株をいくらで買うべきだろうか?
30年という長期スパンで投資を考えている人なら、Googleの今後30年の割引キャッシュフロー(DCF)を冷静に分析すれば価格を見極められる。
10年以内に売却したいなら、IT業界のポテンシャルや、Googleの幹部が同社のビジョンを実行できるかどうかを分析。
1年以内に売却したいなら、Googleの現在の製品販売サイクルや下げ相場になる可能性に注目すべき。
バブルとは、投資資産の評価が上がったために起こるのではない。バブルとは、短期的なトレーダーが増え、投資の時間軸が短くなったことの表れ。
8. 多様な意見を認める
ファイナンスに関しては、唯一の正解はない。自分にとって有効な答えがあるだけ。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?