「生の短さについて」〜紀元前から共通の悩み。自分のための時間が無い・・・〜
オススメ度:★★☆☆☆
ギリシャの哲学者セネカ(紀元前4頃〜後65年)の本です。
当時の時代背景や生活様式がわからない為、所々理解が難しく、寝落ちしながら読み進めました。。。
Amazonレビューは高評価です。
本との出会い
確かAmazonのレコメンドで目に入ったためだったかと思います。
書評が気になり、購入しました。
生は浪費すれば短いが、活用すれば十分に長いと説く『生の短さについて』。心の平静を得るためにはどうすればよいかを説く『心の平静について』。快楽ではなく、徳こそが善であり、幸福のための最も重要な条件だと説く『幸福な生について』。実践を重んじるセネカ(前4頃‐後65)の倫理学の特徴がよく出ている代表作3篇を収録。新訳。
要約
1. 生の短さについて
セネカは、我々には僅かな時間しかないのではなく、多くの時間を浪費すると言っています。人間の生は何か事を成すには十分に長いと。
浪費とは、快楽のために時間を使ったり、雇用主のために時間を使ったり、見栄のために時間を使ったり、等々のことです。
生は粛々とながれていくもので、出発点となったその日から走り出し、そのまま駆け行きます。我々は何かに忙殺され、生は急ぎ足。やがてそのうち死が訪れ、否応なく、その死とともに君は安らわねばならないのだ。。。
2. 心の平静について
セネカと別の哲学者との文通形式で、心の平静について語り合っています。
以下は共感した部分の抜粋です。あまりにも自分のことを指摘されているようで、少し怖かったです・・・
自分の移り気や嫌気、頻繁な心変に悩まされる人は、生の状況をしょっちゅう改めようとした挙句、最後には変革への嫌悪からではなく、変化に二の足をふむ老齢から立ち止まり、そこから動かなくなってしまう。
この病態の結果は一つである。自己に対する不満がそれだ。
望むことを思い切ってできなかったり、望むことだけのことを達成できなかったりして、全てを希望に託す場合がそれに当たる。
そのような人間は常に不安定で流動的であるが、何事においても中途半端な者の必然的な結果である。
上のような状況を克服するための最善策は、実生活の活動に従事し、国政に携わり、市民の義務を果たすことに専心することである、とセネカは言っています。
同胞に、または人類に役立つ人間になろうという志を抱いているのなら、公私の役目を能力相応にこなしながら、さまざまな務めをはたす場に積極的に身を置けば、同時に自らが鍛えられるし、役立つ人間になりもするからです。
肝心なのは自分自身を正しく評価し、相応な事を行うことです。人間は自分を過大評価する傾向にあるからです。終わることができることに手をつけることが大事であると言っています。
3. 幸福な生について
セネカは自分の進んでいく生は自分で決めないといけないと言っています。
羊同然に、前を行く群れに付き従い、皆がいく方向をひたすら追い続けるような真似はしないようにと。
幸福な生とは、自らの自然の本性に合致した生と言っています。
(正直、自分には抽象的?哲学的?すぎて腑におちず・・・)
感想
現代で言うと、少しでも高い給料をもらうために働いたり、社畜のように働いたりせずに、世の中のために自分ができることを考え、実行していくことで心の平静が保てると言っていると感じました。
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