3分で理解する「リカーリングシフト-製造業のビジネスモデル変革」要約
はじめに
製造業において製品の売り切りモデルが通用したのは昔の話。今は新興国企業の追い上げや顧客が重視するポイントが性能よりも「顧客体験」になっている。
そこで今注目されているのは販売後も顧客と継続的な取引をすることで収益をあげる「リカーリングビジネスモデル」が注目されている。
この要約のターゲット
以下の方々を読者対象としている
- 製造業従事者の若手
- なんとなく日々業務しているが将来に漠然とした不安がある
なぜ今リカーリングモデルか?
なぜ今リカーリングモデルが必要か。その理由は以下の3つにある。
- 売り切りモデルの限界
今までの日本製品は品質を強みとした売り切りモデルだったが、新興国製品の品質向上&安価により日本製品は差別化が難しくなってきた。
- ICTの進展
高速インターネット&センシング技術により、従来の定期メンテナンスなどの保守サポート契約ではなく機器の状態をセンシング技術で遠隔から監視し、問題が起きたときのみ保守作業を行う。
- CX(顧客体験)の重要性の向上
メーカは顧客の課題を発見し、顧客の自己実現につながるCXを創造することが求められている。
リカーリングモデルの種類
リカーリングモデルは課金の仕方と提供価値により5つの種類に分けることができる。(サブスクリプションだけではない!)
- サブスクリプション
- IoT与信:IoTデータを活用し、次世代型ローンを提供
- マネージドサービス:業務代行
- 成果報酬
- 業界プラットフォーム
リカーリングビジネスに立ちはだかる4つの壁と乗り越える方法
リカーリングビジネスには4つの壁がある。(TODO)
- データ取得の壁
どんな壁か
センサーがついている機械を導入している顧客からそのデータを取得し、活用したい。しかしこのデータが操業データである場合が多くい、またメリットを提示できずデータ取得を拒否されてしまう。乗り越える方法
顧客に対してデータ取得のためのメリットを提示し、データ取得の連携スキームを構築する。またそのスキームも業界内でベストプラクティスを作成し、別業界に横展開する。そのためには知財/法務部と事業部門との連携強化が大切。
- 人材の壁
どんな壁か
人材の可視化がされていない&必要な人材が明確でないため、人材をどう育成すればいいかわからない&中途採用者も活用できない。またこれらを解決するための人事部門と事業部門との距離が遠い。乗り越える方法
事業で実現したい価値と求められる人材像の明確化、人材の可視化/組織化をする。そのために人事部門は事業部門と一緒に必要な人材像を明確にする。そのために人事部門はもっと事業部門の戦略策定プロセスに入り、どのような人材が必要か理解することが必要。
- ビジネスモデルの壁
どんな壁か
売り切りモデルの成功体験の呪縛から離れられない。また量販店/代理店との関係性悪化を恐れてなにもしない。乗り越える方法
顧客価値の再定義と量販店/代理店との関係性悪化を恐れず顧客接点を持つ。そのためにサービス業モデルへの転換する。そのために自前主義からの脱却しIoTパートナーを探索して共業する。
- 投資回収期間の壁
どんな壁か
リカーリングビジネスは販売直後は赤字の状態が続くので投資回収機関前に投資をあきらめてしまう。乗り越える方法
上記内容を踏まえ、以下の順番で実施する。
1.目指す姿を明確にする:顧客のメリット/CX
2.組織能力のギャップを埋める:リソースとリソース獲得方法の明確化
3.進捗の把握:顧客単価、LTV、NPS、顧客獲得コスト
4.文化醸成:PDCAよりOODA
5.スケールできる仕組み構成:ナレッジ共有