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中庸の姿勢(ライフワークでもあり、ライトワークでもある)
この数年続けさせていただいている、専門学校の非常勤講師のお仕事。
今期の授業が先日で終わりました。
1教科だけなのですが、いつも楽しく、自分の成長にも繋がるお仕事だなと思ってさせていただいています。
最終日の授業の中では、HUMAN RIGHTS、人権についても触れました。
先日noteでも触れてた台東区での台風避難所受け入れ拒否問題についてを題材にしたりして。
それとあわせて、「中庸」と「日和見」についても触れ、ソーシャルワーカーとしての姿勢についての持論を述べました。
今日はそういうお話。
中庸と日和見の意味
中庸は極端な生き方をせず穏当なこと。片寄らず中正なこと。
日和見は事の成行きをうかがって去就を決しないこと。
みたいな説明がされていることが多いです。
ぱっと見の立ち居振る舞いは近しく見えるかもしれませんが、本質的には全然違うと思っています。
中庸にはもう少し深いニュアンスが込められていて。
ただバランスをとって、中間をとるという意味ではなくて、本質的な正しさを考え、その時代における誠実な道を歩むというニュアンスが込められていると解釈しています。
逆に日和見は、ただ世の中の空気を読んで合わせにいく感じで。
その中には自分の信念みたいなのはないし、世の中の正しさを考えるというプロセスもなく、ただ声の大きい人ににじり寄る感じが表れています。
もちろんソーシャルワーカーの自分としては、この二つの言葉を比較して、どうありたいかは明確で。
なのでわりと昔から、中庸という言葉が好きです、という話をしていて、今回の授業でもその重要性など伝える機会にしました。
そして一つの例として、アメリカ公民権運動がスタートするきっかけとなったローザ・パークスさんのことを話題にしました。
ローザ・パークス
1913年に生まれ、アフリカ系アメリカ人のローザ・パークスさん
人種間、肌の色で明確に線引きがされていた当時、バスの中でも席は分け隔てられていたそうです。
1955年。アラバマ州モンゴメリー。
黒人専用席の先頭に座っていたローザさんは混雑してきたタイミングで白人に席を譲るよう運転手に言われるわけですね。
他の何人かは人は席をゆずったらしいですが、ローザさんはそれを拒否しました。
運転手からは法律違反で逮捕されるぞと脅されたそうです。
それでもローザさんは席をゆずらず、結果逮捕されることになったそうです。
当時あった「人種分離法」という法律違反だということで。
今の時代からすると、肌の色で区別するとか違和感でしかないですが。でも当時は法律違反として扱われたわけですね。
もちろんそれに対して、臆することなく堂々と、意思を持って活動を続け、今の社会まで変化してきたわけです。
この後に続く公民権運動の引き金となったアクションだったといわれています。
Social Change ≒ Change Myself
当時、多くの白人が、そして当時差別されていたアフリカ系アメリカ人でさえも、素直に席を譲ることが当たり前になっていたわけです。
法律を守ることが当たり前とみんなが思っていたかはわかりませんが、少なくともそういう社会が普通になっていました。
ある意味、白人と黒人が明確に分け隔て差別されていたことが常識であり法律でも正当性を持つ時代。
そんな社会の常識が、一人の女性のアクションによって変化しました。
立ち返ってみて、僕らが生きる今の今の時代でも、
「法律で決まっているから」とか
「法律を守っている範囲で〇〇する」とか
そういう言い回しを聞くことが多いです。
でも法律なんて人が決めているだけだし、本質的かどうかは別問題ですよね。
僕の持論ですが、Social Change ≒ Change Myselfだと思っています。
社会を変えていくには、ほんの少し自分自身の立ち居振る舞いを変化させていくことが大切。
日和見主義の危険(中庸とは違うよ)、というところからのソーシャルアクションの重要性をあらためて考えています。
ライフワークであり、ライトワーク
ともすると、その法律や制度によって、不利益を被っている人がいたとして、そういった人たちの人権(Human Right s)を守る、守っていける社会に変えていくことが、わたしたちソーシャルワーカーの務めでもあります。
社会のなかでいいかっこする訳ではなくて、純粋に自分自身が生きやすい、安心安全な社会を、自分のために作っていく姿勢。
そのために、勇気をもって発言したり行動することが必要なのだと思っています。
この職業は、非常に意義あるものだと思っていて。
仕事(ワーク)には4つの分類があるという話があるのですが。
①ライスワーク(Rice Work)=ご飯のための仕事
②ライクワーク(Like Work)=ただ好きな仕事
③ライフワーク(Life Work)=人生をかけた仕事
この3つはよく聞く話かなと思うのですが、4つ目があるという話で。
④ライトワーク(Light or Right Work)=社会を照らす仕事(正しい、権利を守る仕事)
最初にこの話を聞いたときには、社会を照らす、明るい未来を描くようなニュアンスでとらえていて、それも間違いないなと思っているのですが。
本質的なソーシャルワーカーの役割を考えるときに、この人権に対する考えを無しには語れないわけで。
人権(Human Rights)の権利、Rightsも盛り込まれた、この4番目のライトワークという言葉とソーシャルワーカーの役割を重ねたのでした。
僕にとって、ソーシャルワーカーはライフワークであり、そしてライトワークだなあと。
学生のみなさんには、とてもやりがいのある仕事を選択したわけですし、国家試験頑張って、合格したらともに社会でお仕事しましょうと。
そんな話でまとめていました。
今日はこれくらいで、ありがとうございます。