新生児は天使か悪魔か
2020年6月7日
うちに第一子となる男の子が生まれました。
タイミングよく、この3月に会社員を辞めてのんびり転職活動中のため、幸い初めての育児にどっぷり取り組むことができています。
で、妻と子が自宅に帰ってきて早くも1週間。
まだまだケツの青い超新米父なので当然なのですが、それにしても想定外のことがまぁー多い。
産婦人科に置いてるパンフレットとか、プレパパの情報誌とかだいぶ読んでいたつもりが、そんな浅はかな知識を軽々と飛び越えていく日々の出来事たち。
まだ心と身体に余裕があるうちに、いつか息子に笑い話として語ってあげられるよう、記しておきたいと思います。
※このブログは無職の育児素人が個人的に感じたことを綴ってるだけの日記なので、よっぽど致命的な間違いなどでなければ、さらーっと流し読みして笑っていただけると幸いです。
※あと何度も書きますが僕は今 無職です。無職だからできていることが多いです。同じことを仕事をしながらは絶対無理です。
新生児はいつも天使ではない
親戚や知人からよく言ってもらえるのが「わーかわいいー天使!」というフレーズ。
有難いことだし、そう言ってくれる人に囲まれて幸せだと思うが、実際問題として天使には出現条件が存在する。
それは悪魔タイムの後の平穏である。
悪魔タイムは、もう何をやっても泣き止まない。
うんち、おしっこ、体温、室温、ミルク、抱っこ、YouTubeで砂嵐、紙をくしゃくしゃにするなど
あらゆる可能性を試すが、悪魔は人知の及ばぬところを好き勝手に暴れまわっておられるため、お気が済むまではまじで無駄。
また悪魔タイムは、何かの前触れがあるわけではなく、無秩序に無慈悲に突然やってくる。ほぼ天災。
そんな非道な悪魔タイムも一生は続かない。多かれ少なかれ、悪魔にも体力というリミットがある。
そして、そのリミットの先に、天使が待っている。
さっきまでの惨劇がうそのように、安らかな表情で寝る。
この時の表情こそ、まさに天使。
堕天使でないことを祈るが、少なくともこの時間は天使。
これから新しい家族ができる人は是非お楽しみに。
情報は良薬であり劇薬である
SNS全盛の時代、育児における情報はあふれかえっている。
自分もネットや雑誌に多く助けられたので、情報は間違いなく状況の改善が期待できる良薬だと言える。
ただ(育児に限ることではないが)やっぱり中にはやばい劇薬も混じっている。苦薬ならまだしも、摂取してはいけないやつがある。
で、今のところその劇薬の傾向は大きく2つでないかと分析している。
1つは根拠を示さず「〇〇しないとダメ」「絶対〇〇」といった断定がされているもの。
もう1つが「〇〇しておけばいい」「みんな〇〇している」といった人生の先輩方からのアドバイス。
※僕がお世話になっている諸先輩方のアドバイスには死ぬほど助けられています。上に該当する方はだーいぶ昔の知人に言われたことが元ネタです。
どちらも決して悪意があるわけでないため邪険にもできず。だが、共通する問題は、どちらも思考停止が含まれている点だと思う。
情報の正誤は時代とともにチューニングが必要。
でも言い伝えや伝承は、時間の経過とともに情報がそぎ落とされていく。だから人は考えなくても次の世代に伝えられる。育児情報は結構これに近い。
で問題は、チューニングに必要な詳細情報までも徐々にそぎ落とされているパターン。
要は、根拠やプロセスが抜け落ちた結論だけの情報は危ないということ。
例えば、抱っこ。
昔は、泣いてもすぐに抱っこしてはいけなかったらしい。理由は「泣き癖がつく」とか「泣いた方が肺が強くなる」とか、なんか無駄にいっぱいある。
でも研究によってそれらは今は違っていて、安心感や自己肯定感が高まり情緒が安定するなどの効果が期待できるため、すぐ抱っこしてもいいとされている。
あとミルクも「3時間ごとにあげる」と認識していたが、調べてみると今はほしがったら母乳ならいつでもあげていいとのこと。
この”3時間”の話もそうだが、育児に関する情報にはおそらく目安と制約が混在している。これがかなりやっかい。
要は個体差によって守らなくてもいいことか、どんな子であっても死守しないといけないことか、がわかりにくい。
特に、助産師さんと話す機会の少ない父親は、子供の反応など体感値がないなかで結論だけ入力されるので、ここは本当に難しい点だと思う。
ワンオペ育児ってヤバいな・・・
で、ここで怖いなと思ったのがワンオペ育児。
夜中に一人で赤ちゃんと向かっていると、ふと表現しがたい不安に襲われる時がある。
今日のあれは正しかったんだろうか。
何か重大な病気やケガに繋がったりしないだろうか。
寝て起きて息してなかったらどうしよう。
新生児という生き物をほぼ人生初の僕にとっては、子供のおならや寝言でも最初は怖かった。それくらい新生児は未知の生き物。
さっきの目安と制約の話は真面目に育児に取り組めば取り組むほど、情報が足かせになって苦しんでしまうと思う。
それらのベースになっているのが終わらない睡眠不足。
うちは2人体制だから何とかなっているものの、それでも眠い。
睡眠不足は言わずもがな、思考力も判断力も低下するし、小さいことにイラっとしてしまう。
あとうたた寝も怖い。赤ちゃんを落とすなんて死んでもないと思ってたけど、ミルクをあげながら自分がウトウトしてしまった時には冷や汗をかいた。
夜中に起きて3時間おきにミルクをあげる生活を実際にやってみたわかったこと。
引き続き、できる限り2人の負担を減らせる方法を探りながらやっていきたいと思います。
求められるタスク自己完結力
子供と過ごしていると、ついパートナーに雑なお願いをしてしまう。
「これやっておいて!」とか「〇〇お願い!」とか。
赤ちゃんギャン泣きのときとか精神的にも追い詰められて仕方がないし、自分もそういう言い方をしてしまっている。
だからこそ、パートナーに求められる能力は”タスク自己完結力”だと思う。
例えば「哺乳瓶洗っておいて」とお願いされた場合でも、そのモノを洗って終わりではない。
①洗う ②消毒する ③適切な場所に保管する
までやってほしい。
でないと「哺乳瓶を洗う」というタスクがリストから消えないからだ。
もちろんその時に(最初の1回は除き)毎回使う洗剤や洗い方をいちいち確認されていたら「自分でやるから置いておいて!!」という結果になってしまう。
で、男性側からよく聞くのが「ちゃんと説明してくれないとわからない。」
けどこれって仕事でも同じことが言える気がしていて、新人に「コピーとってきて」と言って、コピー機の使い方から用紙の保管場所まで毎回聞かれたら「もうええわ!」となるのと同じだと思う。
1つのタスクを終えるのに、どんな知識と行動が必要なのか。
できれば事前に確認しておけたらベストだし、メモするなり努力して1回は教えてもらって次から自分で完結できたら、めちゃくちゃ有難いパートナーだと思う。
言葉通り+α
さらにこの1週間で学んだことは、例えば「オムツ替えて」の一言の中には、実は結構なミッションが隠れているということ。
それは排泄物の色や量などから体調の変化を察知することだったり、肌の調子の確認、汗かき状況や箇所の変化の確認、シーツの汚れ確認、備品のストック確認などなど。
ただこれも仕事でも同じことが言える気がしていて、優秀な営業マンに「これクライアントのところに届けて」とお願いすると、単にモノを渡すだけでなく、おそらく先方と雑談をして近況を交換したり、オフィスの状況をチラ見したり、いろいろと情報収集して帰ってくる。
実際にできるようになるには時間がかかる(僕はたぶんまだできてない)が、そういう認識だけでも頭にあって意識しておけば、パートナーから得られる信頼は大きく変わってくると思う。
想定外がくるということを想定しておく
僕はたぶん義務教育で保健体育も人より真面目に学んだ(と思う)し、出産前にいろんな情報を入れていた方だと思う。
でも想定外のことが毎日起きる。
最大の衝撃は、生まれた瞬間だった。
うちの子は、泣かなかった。
生まれてすぐ「うぎゃ」って小さく言って終わり。
久しぶりに会った友人に言う「ういっす」くらいの声量の「うぎゃ」だけ。
妻と不安でいっぱいだったが、助産婦さんは一言。
「あ、個性ですね。笑」
そんなもんなんだなーと2人で笑ったことをよく覚えている。
3人で決めてください
産前に読んだ本にあったコウノトリの作者の言葉。
結局子育てって、専門家やハウツー情報はいっぱいあるけど、それらの情報の中にうちの子は含まれていない。
それらの情報が当てはまるかどうかは、実際その時にならないとわからない。
「3人で決めてください。」
お産も子育ても、同じものは2つとない。
だから、いろんなルーティーンも子供との向き合い方も、アジャイル式で日々ちょっとずつ調整してやっていくしかない。
そのためには、想定外のことが起きることを想定しておく必要があるし、そうなっても慌てずに「さぁどうしようか」とパートナーと納得のいく方法を最速で見つけられる心の準備と、普段の対話が大切なんだと思う。
まだ1週間。
数か月後、このブログを読んで「なんて浅はかなことを・・・」と恥ずかしくなっている可能性も否めないが、まぁ人生で1回しかないこの期間に考えていたことを、後で笑うのも一興だと思う。
息子は徐々に表情が豊かになってきました。
しゅっとした顔で「お、イケメンか!?」と思う時もあるし、完全におじいちゃんのときもある。
うんち出してすっきりした顔とか、超面白い。
引き続き3人で相談しながら、今しかない新しい生活を過ごしたいと思います。