【桜の躍進】2022/3/19 セレッソ大阪vs北海道コンサドーレ札幌
▼ 2022/3/19(土)16時 kickoff
▼ ヨドコウ桜スタジアム
▽ セレッソ大阪 vs 北海道コンサドーレ札幌
※試合内容から見たい方は目次のフォーメーションをクリックしてください
試合前情報
開幕から4試合4引き分けの札幌
開幕から3戦連続引き分けとなっていたコンサドーレ札幌(以下:札幌)は、クラブJ1通算100勝をかけた前節横浜F・マリノス戦で、94分に劇的ゴールをマリノス・實藤(サネトウ)に許し、目前の勝利を取りこぼす痛恨のドロー
株式会社北海道コンサドーレ札幌・野々村会長がJリーグチェアマンに就任するため退任セレモニーを行ったが、残念ながら花道を勝利で飾ることができなかった。
そして札幌は「開幕から4戦連続引き分け」と、J1記録(2009年・柏が4連続引き分け)に並んだ
小柏負傷、コロナとの戦いも逆風に立ち向かう
マリノスとの戦いで、ここまで連続スタメン出場を続けていた主力の小柏が負傷による退場(クラブによるリリースがあったのは3/19)。また、トップチームの関係者9名も新型コロナ陽性判定と万全の状態ではない模様だが、前節の悔しさをぶつけてくる戦いになると予想
前節のセレッソ
清水エルパルス相手に待望のリーグ戦初勝利。清武がタクトを振るい、奥埜と原川がサポートする理想的な形をつくれた。山中の「虹をかける左足」で活躍し、1ポジション2人のスタメン争いが激化。FWに関しては、上門のリーグ初得点も生まれ、良い意味で誰が定位置につくか予測できなくなっている
試合後、キャプテン清武の怪我(全治3~4週間)が発表となった。清武中心の攻撃システムが上手くいっていただけに残念ではあるが、シーズンは長い。万全の状態で戻ってきて欲しい
また、今シーズンCDサンタ クララ(ポルトガル)に所属していたジェアン・パトリッキ選手がチーム練習に合流。ネット観戦していた試合が横浜違いだったり、何かとお騒がせしてくれる大阪にぴったりのキャラクターっぽいので、個人的にも楽しみな選手。早速チームにも合流しており、動画を見る限り体のキレは素晴らしいものがあった。停滞気味のサイド攻撃の助っ人になれるか
フォーメーション
◆セレッソ
ヨニッチか山下は復帰すると思ったが、まさかの乾と進藤がメンバー入り。山田と共に並んだのはメンデス。乾が復帰したことで4-4-2の守備の形をもう一度整備してやり直したい、ということなのだろう
小菊セレッソは以前から怪我人や合流直後の選手対しては、かなり配慮しながら出場させている(現に今日の乾も60分までと決まっていた)。ルヴァン杯でもそうなるはず
◆札幌
対する札幌は想像以上に主力を欠き、興梠、ガブリエル・シャビエル、宮澤、福森、菅、菅野がいなかった。しかし、根っこのやり方は変わらない上にトゥチッチの高さは脅威なので、難しい状況とはいえ厄介な対戦相手になった
前半
札幌の包囲網をうまく崩せず
札幌の守備は金子、青木、トゥチッチの前3枚で4バックを追う形。また、DAZNでは特徴的なマンツーマン(人を捕まえにくる)ディフェンスと連呼されていたが、マンツーマンというか中盤以降はかなり厚めに(1人に対して1人〜最大3人)で寄せてくる守備。リトリート(奪われた後は自陣に戻り、ブロックのような守備陣形をつくること)はあまり使わない。セレッソはそこを攻略できずにストロングをあまり活かせていなかった
セレッソの攻撃の形
今回のメンバーでいうと下記の形がフィニッシュまでのキーアクション
左SBの山中のクロス
右の中原・松田陸の崩し
乾からのアクション
FWの裏抜け
前述のとおり、札幌が中盤〜FWに対してはかなり厳しめにチェックするので中盤での組み立てがほぼ機能せず。その中でも右サイドと乾貴士は個の力で比較的上手くやっていた
FWのメンデス・山田に関しては、起点となってボールを収める指示が出ていたのかもしれないが、あまりうまくいっていなかった。
何回かオフサイドを取られたが(多分オフサイドじゃなかった)、札幌の守備をみると裏抜けして1対1をつくる方がチャンスになっていた
山田寛人、セレッソでのJ1リーグ初得点
前半24分。セレッソの34番・山田寛人が待望の得点。この得点は原川、乾、山田の基礎能力の高さが繋がり生まれたきれいなゴールだった
まずは監督の指示通り、
①前線からプレスを行い
②相手GKのキックミスを拾った原川
(この試合に限らず、いつもこぼれ球を拾うのは原川。素晴らしい予測とポジショニング)から乾へ
③乾もシュートを打てそうだったが、DFも詰めていたので細かいタッチから山田へ。この辺りの冷静な判断がさすがの乾貴士
最後は④山田の重心ずらしで、DFを外してからのシュートを右上にズドン。山田の得点は本人的にも待ちに待った、待たせすぎましたが、、というところだろう。山田はまだ22歳、なんでも上手くこなせる万能型ストライカーなだけに、これからも得点にフォーカスした働きを期待したい
前半29分、コーナーから失点
失点シーンもそうだが、前半序盤から一番大外が狙われていた。クロスも逆サイドまで放り込む。コーナーもファー狙い。札幌の普段の狙いはわからないが、この試合に関してはその狙いが顕著だったので、セレッソの失点シーンにありがちな「ボールウォッチャー」が意図的に狙われていた気もする
前半で気になった点
◆札幌
ミシャサッカーはよくできているし、良いチーム。そしてFWトゥチッチは身長186cmと高さがあり、1人でも収められるので、タフな中盤が活きる
セレッソにはいないタイプなので、ああいうFWが1人いるとオプションとして変化をつけられるとも思う
一方で、GKも含めたビルドアップがうまくいってないことが多々あった。Twitterでも書いてたようにそもそもそこに弱点はあるが、菅野や宮澤がいない時でも交代選手に同じ役割を求める、という意味では不安定さが増していた(後半のメンデスのゴールにもつながる)
◆セレッソ
攻撃のビルドアップがうまくいってなかったのは、裏抜けの怖さがあまりないから
裏抜けで、DFラインを下げさせないと中盤でつないでくるのがバレバレなので狙われやすい
本来であれば札幌が中盤を厚めにすることで後ろが手薄になるが、裏抜けしてこないなら後ろに枚数をかけなくても良いので守りやすい
攻撃面では、アディショナルタイムに、陸→乾→中原→奥埜→乾が絡んだパスワークはお見事だったし、今の段階ではこれがセレッソの強みだと思う。それを最大限活かすためにもビルドアップの形は複数使い分けたい
後半
後半開始時は両チーム交代なし。ミシャ(札幌監督)のコメントでは、「前半も札幌のペースで上手くいってたし、細かいところの修正だけしていこう」とのこと。たしかに札幌の距離感は良く、チャンスもうまく作れていたのでその通りだろう
61分、ブルーノ・メンデスの勝ち越しゴール
後半に入ってもやはり札幌のやり方には苦戦はしていたが、札幌DF・岡村のビルドアップ時にミスがあり、そこにメンデスが詰め、勝ち越しゴール。札幌としてはやりたいことはこれまで通りしようとしていたのだろうが、裏目に出た
メンデスのチャントはやっぱり最高!ゴール後1番盛り上がるチャント
メンデスはすごく真面目な選手で、守備ではボールも最後まで追うし、献身的なプレーもできる。彼自身はいろんなゴールパターンを持っているので、もう少し連携を深めれば得点チャンスも増えそう
選手交代直後に失点
両チームの選手交代
セレッソは左サイドに為田、山田が右サイドに降りてきて上門と北野がツートップを組む形に。失点したのはその直後
札幌のドウグラス・オリヴェイラが入ってきたことでDF陣の注意がそこにさかれ、金子の絶妙なクロスに飛び込んできた19歳の中島大嘉がわずかに触れ、同点ゴールを許す。キムジンヒョンにとっても難しい判断だった
失点シーンは交代直後のバタバタしていた時間で、松田陸のパスがズレたところに為田が前にプレスした時以降、札幌の勢いを殺すことができずにそのまま攻撃を受け続けてしまった
あそこで落ち着く時間をつくることができれば違った結果になったかもしれない。去年までは、ベテラン藤田がその役割を担っていたが、今年であれば球際も戦える鈴木徳真は十分その能力がある
徳真の他にも、喜田陽・岡澤昂星・石渡ネルソン・中島元彦など優秀な若手を揃えているので、そういった変化をつける役割を豪華なボランチ陣に与え、贅沢に使いこなしてほしい
試合終了
両チーム、試合終了のホイッスルまでゴールを目指すも2-2のまま試合終了。セレッソとしては、札幌に勝つことで4月の連戦に気持ちよく入りたかったが、勝ち点3を取りこぼすもったいない引き分けに終わった
試合の終わらせ方
2-1で後半勝っていたので、交代策には試合を終わらせるための明確なメッセージが欲しかった
ドウグラス・オリヴェイラが交代後、投入したのは為田、そして失点。パワーもあり危険なドウグラス・オリヴェイラが入ってきた危険な時間帯で意識するな、というのは選手心情としては難しい
為田を入れた交代策は点を取りに行くのか、守りにいくのか、ハッキリと見えなかった
過去には田中亜土夢や、松田力のようにクローザーとして試合を終わらせることができる選手がいた(今季のセレッソはまだそういう役割の選手がいない)。
※時間帯によっては柿谷曜一朗や大久保嘉人も同じ仕事ができた
また、尹晶煥(ユンジョンファン)監督時代には、現川崎の山村和也をCBに配置し、4バックから5バックにして、『1-0でも守り切って勝利をもぎとる』執念があった。勝ちにこだわった試合の終わらせ方を見つけることで貴重な勝ち点3に近づけることができるはず
チーム力の差
札幌はミシャサッカー(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)になってから5年目。万全の布陣とは言えないものの、元からいた選手がほぼ残留し、細かいところの連携がうまくとれやりたいことも明確だった
これに関しては小菊さんを責める必要はまだなくて、
レギュラーがほぼ残って、監督も同じサッカーを続けている札幌、と
監督就任2年目で、特に前線のメンバーが固定されていないセレッソではなかなか難しいものがあった
前節、清水エスパルス相手にうまくいっていたのは、清水も主力を大幅に欠き未完成チームの状態だったから。とはいえシーズンは始まっているので、早期に目指すべき形を示さないと難しいシーズンになってしまう。上手くいっていることもあるので、引き続き小菊監督の修正力と方向性は注視したい
札幌のサッカー
北海道コンサドーレ札幌と横浜F・マリノスの2チームは特殊な戦い方をするのであまり戦ってほしくない。戦術な全く違うが、両チームともに走力があり、タフに攻め続けるのが共通点
札幌の選手は、個が強くて上手い選手が多い。距離感も良いし、ファイトできる選手も多いけど、マリーシアとファールの間くらいのラインで試合をするので、なかなか試合が荒れがち。とはいえ、ルールすれすれでやっている辺り、上手いと思う。あまりボール保持にもこだわらないのでダイナミックな試合展開をつくり出す戦術がハマれば手強い
セレッソのピックアップ選手
◆ファイター西尾
トゥチッチ、ルーカスなどとやりあい、60分の金子のシュート前には反応して即座に寄せるなど前回の修正点を直してくる辺り成長曲線の高い選手。ヘディングも競り勝てるので、瀬古のようにヨニッチから吸収して判断力などをさらに向上させてほしい
◆個別選手
・原川 異常な冷静さの持ち主、相手に囲まれても余裕を持ったプレーに最近さらに磨きがかかっている。フリーキックも惜しかったのでまたゴールが観たい
・奥埜 好調の時は常にボールに絡んでいる忍者状態。奥埜が相手ゴール前まで走り込んでいる時はセレッソと奥埜が絶好調な証
・乾 やっぱり乾はまわりが見えていて、ラストパスも多い。ゲームメーカータイプになっているので、今は清武との併用より交代が合うはず
・中原輝 フィットの兆しを見せているので、連戦でない限り中原はフル出場でいいと思う。あと新井晴樹とパトリッキも右サイドで一度見てみたい(パトリッキは本当に左利き?)
・北野と上門 存在感はピカイチ。大久保嘉人、鹿島の上田綺世のように出場すれば必ず得点の匂いがする日本人では珍しいタイプ
4-4-2のベースで行くなら速いプレスバックも行えるこの2人がファーストチョイス
あと上門の萌え袖は可愛い(瀬古を思い出した人も少なくないはず)
余談)この試合の見どころ2選
⚪︎ジンヒョンの優しさ&札幌サポの温かさ
西尾のクリアが札幌・金子の下肢付近にボールが当たった後、キムジンヒョンが金子をペアストレッチで助けた。そしてそれに対して札幌サポーターが拍手(遠方よりよくお越しくださった)。個人的にはJリーグのこういうところは好き。素晴らしい光景だと思う
⚪︎51分の乾さんのセクシートラップ
もう1つは乾の柔らかトラップ。ここ以外にもさすが乾さん、というところもたくさんあったので好きな方は見返してみてください。怪我明けながら全快かな?
次節
3/26 YBCルヴァン杯 大分トリニータ戦
2/6試合消化し、これ以上ない結果。カップ戦のグループリーグは突破すれば良い&新戦力発掘の場だと思っているので、早めに突破を決めてリーグに集中してほしい
前節の大分vs鹿島は、点差こそ3-3の撃ち合いではあるものの、内容的には鹿島が圧倒する試合内容。大分はP.K.2本を献上する不幸な結果となってしまったが、天皇杯準優勝チームの意地で奮闘した
グループリーグは2位までが突破。鹿島が一番の難敵なので大分とガンバに2勝して突破を確実なものにしたい
ご覧いただきありがとうございました。勝っても負けても引き分けても、あくまでも前向きに
セレッソ大阪の勝利を信じて
セレッソの良かったところと悪かったところについて書き続けてみようと思います
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おまけ
小菊監督、モチベーター。去年のように小菊監督のために、チーム一丸となって勝利を目指してほしい
毎熊晟矢プレー集
毎熊(マイク)は上門や中島元彦と合いそう。とても相性が良さそう。大事なことなので2回言いました
※本人はセイヤと呼んでほしいみたい
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