生きることがしんどい人に向けて~幸せについて考える~

1・はじめに

皆さん、幸せってなんでしょう。幸せについて本気で考えたこと、ありますか。
 なぜ私がこのような問いを投げかけるのか。それは、幸せ、つまり幸福感が、生きることについて真剣に、真っ向から向き合ったときに切っても切り離せないものだからです。世の中の多くの人が「つまらない人生」ではなく、「楽しい人生」を求めているはずです。「生きてて良かったな、楽しいな」と思うためには、どうしてそう思うのか、つまり幸せとは何なのかをはっきりさせる必要があります。これから、私がこれまで10年以上幸せについて向き合ってきて暫定的にでた答えを、皆さんに共有したいと思います。本記事では、まず幸せの辞書的意味を紹介します。次に、本題:幸せとは?について考えます。

 本記事は、以下の項目のいずれかにあてはまる人に読んでいただきたいと思います。
・最近楽しいことないな、つまんないな、と思ってる人
・心の浮き沈みが激しい人
・日常のやるべきこと、例えば学業や仕事などに追われてなんとなく生きてて苦しい人
・人生の岐路に立っている人。例えば、進学、就職、結婚など。ネガティブなものだと失恋などもあります。
・生きるってなんだろう、幸せってなんだろう、と常日頃から考えてる人

2.幸せの辞書的意味 

​ ほとんどの人が幸せの辞書的意味なんて調べたことがないと思うので、明鏡国語辞典の辞書的意味を紹介します。

①幸運に恵まれて、心が満ち足りていること。幸福
②めぐり合わせ。運。また、幸運。

今回私が考えたいのは、②の「やったー、ラッキー」の方ではなく、①の「幸運に恵まれて、心が満ち足りていること」の方です。どういう時に、心が満ち足りた状態になるでしょう。

3.本題:幸せとは?

 結論から言うと、幸せとは相対的なものです。明確に「幸せとは○○だ!!!」と断言できるものではありません。「どういうこと?意味わからん。幸せとは何か知りたいのに、ピンポイントで何か言えないのかよ」と思った方。これから、上述した答えにたどり着いた経緯を私の経験に沿ってお伝えするのでもう少し読み進めて欲しいです。
 生きてたら好調な時もあれば不調な時もあります。私の場合、好調な時とは研究活動(要は仕事)がうまくいっていたり、趣味の長距離走で良いタイムが出たり、彼女と良好な関係性が作れているときなどが挙げられます。こういうときは、日々幸せです。
 一方で、不調な時はどうでしょうか。私の場合、以下の3つが同時期にありました。
①研究活動(要は仕事)がうまくいかず、指導教官(上司)に毎日のように詰められる。②走ることもけがなどで思うようにいかない。
③彼女に振られる。
本当に何にもうまくいってなかったんです。毎日生きてても「苦しい、つらい、何頑張ってんだ、何やってんだ自分」ばかりで思考がいっぱいになります。「死ねたら楽なのに。この世の中からいなくなりたい。」って思ってました。生きる気力がどんどん失われていきました。負のスパイラルが生じてました。でも、ふと気づいたんです。研究活動が終わって家に帰ってこれたとき、心の底から「ああ…幸せだ…」って。それだけではなく、夜ご飯を食べているとき、シャワーを浴びているとき、自室でだらだらネットサーフィンやYouTubeを閲覧してるとき、夜ベッドで寝れることも幸せに感じました。これらの幸せは、好調なときには得られなかったものです。当たり前だったから。
 幸せは日々起こるものごととの関係において成り立つ、つまり相対的なものなんだ、ってここで初めて気づきました。そう気づいてからは、生きるのが少し楽になりました。上述したように毎日食事出来て、寝れて自分の時間が少しでもあれば幸せです。それだけでなく、本当に些細な事で好調な時には見向きもしなかったことにも幸せを感じられるようになりました。例えば、公園に行ったときに子供たちが元気に走り回っているのを見た時、信号がちょうど赤から青に変わってスムーズに横断できた時、コンビニでお会計終えて私が「ありがとうございます」と言ったら店員さんが少し嬉しそうにしてたこと、などです。
 そういう意味では、苦しいこと、つらいこと、嫌なことなどは幸せを感じる上でとても重要な役割を果たすと考えます。それらがあるから今まであたりまえと思ってきたことや無関心だったことが幸せになり得るからです。

4.終わりに

ここまで、幸せとは相対的なものだ、というお話をしてきました。生きてて苦しい人、楽しくない人は、ものごとの視点・見かたを変えてみるのはいかがでしょうか。意外なところに自分の幸せはあるかもしれません。
 余談ですが、村上春樹が最近発表した短編小説「一人称単数」の謝肉祭(carnival)という作品で、登場人物が「幸福というのはあくまで相対的なものなのよ」と言ってました。本記事の内容はその短編を読む前に考えていたことなので、直接的には無関係です。しかし、私は村上春樹の作品が好きで短編、長編だけでなくエッセイなども全て読んでいます。最近は村上春樹が翻訳した本にも手を出しているほどです。無意識レベルではかなり影響を受けています。なのでこのような結論に至ったのは必然なのかもしれません。と、そんなことはどうでもよくて、宜しければ村上春樹の一人称単数も読んでみて下さい!Amazonのリンクを張っておきます。https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%80%E4%BA%BA%E7%A7%B0%E5%8D%98%E6%95%B0-%E6%9D%91%E4%B8%8A-%E6%98%A5%E6%A8%B9/dp/4163912398

本記事をここまで読んでくださった方なら、何かしら心に響くものがあると思います。最終的に商品紹介になりました。

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