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5か月目~ぬるま湯でもいいから居心地をよくしよう~

家業に入って5か月目、僕はあいかわらず最高な日々を送ってます。
みなさんも最高ですか?

というわけで、アトツギnote、投稿します。

このnoteは、2023年4月に、新卒から6年間お世話になった商工中金を退職し、家業である㈱カキヤに後継ぎとして入社した僕が、「何を感じたのか・何をやってきたのか・何をやりたいのか」、自分自身の棚卸をするため&承認欲求を満たすためのアトツギエッセイです。

今年6月に個人創業した㈱ぺこふるも2か月目を終え、会計事務やEC環境を整えてようやく事業としての下地ができてきました。8月は初めてのTV取材やWEB広告作成があったりとこちらも動き出してきた感があって、それに合わせてSNS(Instagram)もスタートしました。僕の拙いPR施策が拝見できるのでみなさん覗いてみてください。

公式Instagram「pekofull」
https://instagram.com/pekofull?igshid=MmIzYWVlNDQ5Yg==


8月やったこと

先月の投稿(4か月目)で話したように、「カキヤの根幹部分を善くしていくために何をしたらいいのか?」これを議論・検討・準備する段階に入っていて、8月は『やったこと』よりも『現時点で考えている根幹の課題⇒やると決めたこと』をまとめていこうと思います。
カキヤは8月決算。なので自分が入る時に、大きく動かすのは新年度の2023/9からと決めていました(その方が納得感を出しやすいと思った)。そのための関係づくり+2023/8期決算に向けた行動を3か月(4~6月)、課題の抽出から準備までを2か月(7~8月)で行って、新年度の9月から実行。こんな流れです。

「チームワークなにそれ?」な文化 ⇒ 組織図変更・全社目標・情報共有・コミュニケーション

「それ俺の仕事?」「次から○○さんやってよ」「製造部の仕事だからこっちは分かりません」「営業部がやればいいんじゃないですか?」から脱却しようぜ!です。この文化のまま会社がまわってるなら別に脱却しなくてもいい?のですが、トラブル続きでうまくいかない時の文句が「部署間で情報共有されてない!」「私一人でやるなんて無理!」「会社としての優先順位が分からない!」とかなので、じゃあ今の文化を変えないといけないよね。という流れ。

【組織図変更】

社長には「今の組織ってこんな感じだよね?見やすく整理してみるね」、社員さんには「曖昧になってるよね?みんな分かるようにつまとめてみるね」、と言いながらしれっと組織図を作り直しました。これまで組織図がなかったわけではないのですが、認証をとるためだとか経営コンサルに言われただとかでコロコロ変わっていたため社員はもちろん社長も曖昧になっていた(だからしれって変えられるんだけども)ので、まずはカキヤというチームを自分たちが理解する必要があると思っていました。
今回再整備したこの組織図は組織図というより組織方針に近いイメージで作成しました。各部門(複数部署を一つの部門としてまとめた)の役割を抽象度高めに定義して、各自が協力しながらカキヤという会社を動かしていく必要があるということを社員さん理解してもらえるように考え抜いた組織図。これからどう運営していくか、ここからが本番です。

「自分の部署の仕事だけやればいいのね!」なんて言わせない。
「カキヤの価値を生み出す」我ながら良いセンス。
各部門を再定義。繋ぐとか想いとかエモくしがち。
バックオフィス全般を経理総務2名+僕で回す。ようやってるわまじで。
自分のスローガンでもある「全体最適」、ちょっとずつ浸透してきてる。

【全社目標】

2024/8期のカキヤ全社目標を策定しました。組織図同様、これも今まであったけど曖昧になっていたものでした。これまでは社長が全社目標(おおかた売上目標のみ)を定めて朝礼で発表⇒社長から「各部署来週までに目標をつくってこい」と号令⇒無理やり期限内に各部署目標作成して提出⇒社長納得⇒目標の進捗も結果も確認せず翌期になる、の繰り返し。目標つくったけど別に達成に向けて全部署が何かアクションがあるわけではないという感じ。

今回やったことは、
①全社目標を社長一人ではなく社員も入れて策定する
②全社目標策定の流れを理解したうえで全社目標達成のための各部署目標をつくってもらう
を実行してみました。
メンバーは社長が「この人は経営的なことも理解してる」と思う社員さんを選んでもらうことにして、結果として社長・僕・営業1名・生産管理1名の4名で全社目標を策定することに。
策定の仕方社長にこだわりがあったみたいで「会社のリスクとチャンスを考える⇒それに対応できるような目標をつくる」という流れがいいとのこと(SWOT分析かぶれをどこかで学んできたみたい)だったので、
社長こだわりベースで打ち合わせを行う⇒僕がしれっと打ち合わせ内容をSWOT分析に当てはめて内部分析・外部分析をA4一枚にまとめる⇒それをもとに全社目標をつくる⇒全社目標とSWOT分析をもとに、それを達成するための各部門目標をつくってもらう。という流れで目標を策定しました。

大きな違いが出たと感じたのは全社目標の内容。これまで売上○億円しか言わなかった社長から「全体最適」目標に入れようと提案がありました。「全体最適」は僕がカキヤ入社当初から言い続けてきた個人的なスローガン(カキヤをこうしていきたい)で、社員と一緒にカキヤの強み・弱み・機会・脅威を整理したことで「売上だけあげても意味がない」という感覚を持ってくれたのだと思います。
朝礼では社長から「売上○億」「あとは『全体最適』で協力してやっていくこと」と説明がありましたが、このままだと社員さんが「全体最適?なにすればいいの?」となるので、『全体最適』という言葉を全社目標上は、「利益の確保」「商品の絞り込み」「生産効率アップ」「業務効率アップ」と少し解像度を上げて、そのために各部署ができることを目標としてつくってみてください。という説明を僕から行い、各部署が目標を作成してきてくれました。これがかなり具体的で、社員さんからは「これまで何を目指すかよく分からなかったけど、これくらい示してくれれば簡単につくれる」と言われて・・・ほんま心強いわぁ・・・。
9月からはこの目標をどうやって進捗管理して2024/8月まで継続運用していくか、これに頭を悩ませていますが、具体的に作成した分既に成果も出ている部署もあったり、楽しみなのです。

全体最適を4項目に解像度をあげてみた
自分が部長をつとめる部署の目標

【情報共有・コミュニケーション】

最大の難関。口頭連絡中心の企業文化で、誰に言った・誰から聞いた・言った言わない・言いたくない・言う必要がない、がはびこる会社。ここでどうやってコミュニケーションを活性化させていくか。
5か月間でやってみたこととやろうとしてることの流れは以下です。

・グループウェア(Garoon)を導入。
・導入は全社員分の設定を自分一人が代行(無理やりでも導入させる)
・社内連絡をGaroon内のメッセージ中心にするように呼びかけ。

・社内で浸透。社員同士のメールやりとりがほぼゼロ。
・通知が来ない為ちょっとした連絡には不向き。相変わらず口頭での伝達・メモ書き中心のため「言った・言わない」が横行。
・営業事務(女性陣)からはGaroon反発(「忙しくてそんなの見てる暇ない」との発言あり)

・チャットツール(LINEワークス)を導入。
・導入は全社員分の設定を自分一人が代行(Garoonとの使い方の違いを理解してもらうためにも自分が対応するのがはやい)。
・スタート1週間。まだみんな使い慣れていない。まずは自分中心にちょっとした連絡をLINEワークスで行い、使い慣れる人を増やしていく作戦。
・「言う必要がない」「言いたくない」派の社員には意味なし。
・営業事務(女性陣)からは小反発(「そんなに毎回見れない」・「通知が多くてうるさい」との発言あり)

・1フロア計画実施。
・現状、1階オフィスと2階営業フロアに分かれていて、1階の営業事務と2階の営業の連携がとりづらいのが大きな課題。
・DXで改善図るも、繁忙感で使用する気なし・そもそも連絡しようと思わない層の社員がいるため効果なし。
・リアルのコミュニケーションを活性化させるために、社員のフロアを1フロアに統一を検討。

5か月間でグループウェアやチャットツールの導入をすすめてますが、結論リアルなコミュニケーションの場を改善するのが最重要。新しいことをはじめようとすると当然反発勢力(新しさについてこれない・変化を嫌う・菊地諒を嫌う)が出てくるので、そこへのアプローチを念頭におきながら、少しずつコミュニケーションコストを下げていくようにしたい・・・。

ぬるま湯でもいいから居心地をよくしよう

カキヤにとって33期目となる2024/8期。
僕が統括するバックオフィス部署(経営企画1名・経理1名・総務1名だけど人事・採用・広報・DXなどなんでもやる部署)の目標を「カキヤという場所の居心地をよくしよう」にしました。
この「居心地のよさ」というものの定義が結構難しいのですが、経営者と社員みんながカキヤに居たい・来たい・周りに勧めたいと思えるような環境をつくる、そのためにできることを考えて変えていこう、という定義でスタートしています。
では、その環境はどうやったらつくれるのか、社員さんと考えると出てくるのは「給与上げる」「休み増やす」「残業減らす」「作業を楽に」みたいな部分。
あれ?それってぬるま湯に浸かりたいだけじゃね?なんて意見もあったのですが、結論「みんなが求めてるならそれやった方がいいよね」ってことでOKにしました。ぬるま湯に浸かってると思われるような欲求だとしても、それを満たすことは当人にとってはとても意味があることで、その先に別の次元の欲求がでてくるかもしれないし、心に余裕ができると何か新しいことができるようになるかもしれない。現状よりも直感的でもいいから「社員にとってカキヤが居心地よい場所になる」のであればそれはやったほうがいい。

そんな「ぬるま湯」に社員全員が浸かれるような環境をバックオフィス部署主体でつくる。部署の社員さんもかなりやる気で、「営業事務のこの業務が大変そう」「製造部のこの当番をなくせないか」「パートさんの賃金をあげたい」、など他部署をぬるま湯にすることにかなり積極的。自分だけの居心地をよくするだけじゃなくみんなの居心地をよくするために自分は何が出来るか、これならたしかにこの目標でいいかもしれない。

目標達成のためには、人を採用する必要があるし、新しいシステムを導入する必要があるし、人件費予算を増やす必要があります。居心地をよくするためには時間とお金がかかりますね。
バックオフィスの社員さん達は「時間」「お金」を確保するために、自分たちの業務効率を見直したり、経費削減と補助金獲得のために自立して動くようになり、9月時点で既に年間4百万円のコストメリット(社用ETCカード切替・外注見直し・補助金申請)を会社にもたらしてくれています。

会社からトップダウンで「経費削減・補助金獲得」を目標に立ててもこうはならなくて、社員さん自らがやりたいことを達成するための副産物として、結果会社が目標にしたいことが達成されてる、かなり面白い結果。

ぬるま湯に浸かるために、熱々な行動をしてくれる、そんな社員さんと一緒に、カキヤを心地よい湯加減にしていけたらいいなと、そんなことを思いながら進む新しい1年、次の決算がとても楽しみです。

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