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ドタキャンしたっていいじゃない。という件。
ドタキャン(予定を直前でキャンセルする行為)は、ランチやデートといった日常的な集まりから、結婚式や葬式のような重要なイベントに至るまで、ますます一般的になっているようだ。
現代社会で広くみられる現象となるにつれ、その原因や影響について意見も分かれてきている。
ドタキャンを、過酷な生活の中での「自己ケア」と捉える人がいる一方で、信頼や社会的結束を損なう自己中心的な行動とみなしている人もいる。
テクノロジーの発展により、テキスト(メールやLINE)で簡単にキャンセルできることが、直前の変更を容易にし、その結果コミットメントから抜け出す行動を助長しているという意見は以前からあった。
さらにコロナウイルスによるパンデミックによって「体調不良」による欠席がより肯定されるようになった。無理に出席して周りにウイルスを拡散してしまう方が配慮がないという風潮である。
ただこの「体調」の意味は幅広く、熱や咳、腹痛などの症状があるだけでなく、ストレスや燃え尽き症候群などによる精神的な疲労や無気力、抑うつも含まれるようになっている。
実際、カナダのあるボランティア団体のイベント主催者は、パンデミック以降、イベントへの参加者のドタキャン数が倍以上に増加していると英紙「ガーディアン」に語っている。事前調査では45人いた講習会も、当日は3人しか来なかったこともあったようだ。
また、直前になって参加意欲を失ってしまう背景には、現代人の過密スケジュールや経済的負担もあるとガーディアン紙は述べている。
そして、近年のドタキャンの増加は、うつや社会不安障害を抱える人の増加とも関連性があることを示唆している。
米誌「サイコロジー・トゥデイ」もまた、他者とつながりたい気持ちと他者と接することで神経が刺激される恐怖、快適さを求める気持ちの葛藤が、直前でキャンセルする結果につながることが多々あると指摘している。
このような葛藤の結果、ドタキャンを選択するのは「自己ケア」か「自己中心的」なのか?
ガーディアン紙によれば、ドタキャンに対して意見が分かれるポイントは、主にここだという。
同紙のアンケート調査によれば、ドタキャンを「自己ケア」とみなす容認派の多くが、社会的な責任や義理(約束を守る事)を絶対視するよりも、心身の健康を優先することは現代社会のプレッシャーに対する必要な対応だと主張している。
一方、批判派は「ドタキャンは個人主義と無関心の表れ」だと述べている。他者の気持ちよりも自分の快適さを優先する自己中心的な行為であり、周囲からの信頼を損ない、孤独を助長すると指摘している。
このようにガーディアン紙は、ドタキャンは単なる社会的な迷惑行為ではなく、メンタルヘルス、プレッシャー、文化的な変化が複雑に絡み合った現象であると示唆している。
いかがだろうか?
私個人的には「イヤだったらドタキャンしてもいい」と思っている。自身の気持ちが落ち込むような集まりには参加しなくてもいい。ただ、ドタキャンすることで金銭的な損害が発生してしまうような場合は自分の責任で補填しなければいけないと思う。例えば、飲み会を人数分で予約していて、当日キャンセルで飲み放題分はキャンセルできても料理分はキャンセルできなかったケース。この場合はドタキャンしたら料理分のお金を支払うべきだと思う。顕在化している損失が発生する場合はきちんと補填する。周りに「迷惑だな」と思われることだけだったら補填する必要もないと思う。
決して勘違いしてほしくないのだが、私はドタキャンを推奨しているわけではない。
可能であれば、最初から「断ればいい」と考えている。
上司や得意先からの誘いだった場合、断りづらい時もあるだろう。それでも「行きたくない」と思ったなら、即座に断るべきだと思う。断りは早ければ早いほど相手に悪い印象を与えない。すぐに断りを入れれば、はっきりした理由を言わなくても「別の予定があったのだな」なんて勝手に相手が理由を想像してくれる。
あくまでも、やむを得ない場合だけ「ドタキャン」しよう、という意見だ。
しかし、約束をした当初は「行きたい」と思っても、直前になって「財布を落とした」「大きな取引が消えた」「彼女に振られた」なんてことになれば、行く気もなくなるだろう。そんな時は遠慮なく「ドタキャン」というスキルを使えばいい。
「自分の身体や心を優先する」ことは、現代社会のデフォルト設定だと私は思う。
今日はここまで。
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