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「投資の神様」が投資の階段を降り始めているかもしれない件。
今や世界一の投資家と言えば米バークシャー・ハザウェイを率いるウォーレン・バフェットという意見に異論を唱える人は少ないだろう。
そんなバフェットが今年は自社の保有株式を大量に売却している。
バフェットは2024年11月初頭、第3四半期にappleを含む、複数の保有株式の売却を進め、バークシャー・ハザウェイに970億ドル(約14兆5500億円)の利益をもたらしたことを発表した。
この利益確定で、バークシャーの現金保有率は過去最高を記録した。3250億ドル(約48兆7500億円)というその額は総資産の約28%を占め、少なくとも1990年以降では最大の比率となっている。特に今年2024年9月までの株式購入額は58億ドル(約8700億円)に留まる一方で、売却額は1332億ドル(約19兆9800億円)と大きく売り越しとなっている。
この状況を巡り、投資家やアナリストたちからバフェットの意図を探ろうとする動きが広がっている。
推察されている理由は以下のようなものだ。
・アップルのPER(株価収益率)が予想収益成長率に比べて相対的に高い点。ようは「割高」である。また、アップルは11月初旬に将来の製品がiPhoneほどの収益性を持たない可能性があると投資家あて警告し、AI分野への投資を始めているとはいえ弱気なアナウンスをしたことも懸念材料にあげている。
・バフェットが繰り返し嘆いてきた「投資機会の欠乏」に備えて、別の計画を進めているのだとの推察
・近年の市場の高騰を考慮し、暴落危機を予見しての現金保有の可能性
・バフェット自身が94歳と高齢であるため、できるだけ現金を保有し、後継者に優位な投資環境を整えているとみる点。
などとなっている。個人的には、アップルの株価が割高なの以前から百も承知だろうから、ただ割高なだけで大量に売却する理由にはならないと思っている。
今までの経験からして「いつ暴落が来てもおかしくない」状況だとしたら、後継者にできるだけ投資機会(現金)を残しておきたいといったところが本音なんじゃないかなあと思う。もちろん資金を預けてもらっている顧客をないがしろにしているわけじゃないとは思うが、自身の年齢を考えれば、後継のことを慮るのは人情ではないだろうか?
現状でバフェットの後継者として名前があがっているのが「グレッグ・エイベル」氏である。おそらくバフェットに比べたら名前を聞いたことがある人は少ないのではないだろうか。エイベル氏は現在62歳、公認会計士であり、勤務していた会社がバークシャーに買収されたことからバフェットに見いだされることとなった人物である。
社内での評価は「ビジネスリーダーとして、考える人として、実行する人としてもセンセーショナルだ」「とてつもない学習マシーンだ」など、非常に高いようだ。
一方で、バフェットと比較しネームバリューは小さい。
「ウォーレン・バフェット」というビッグネームと、圧倒的な運用資産を武器に、ある意味市場を優位に渡ってきた「バークシャー・ハザウェイ」。
まだバフェットは健在とはいえ、その牽引力の片輪を失った時、はたして今までのような「超巨大戦艦」として投資の海を悠々と進んでいけるかどうか。
視界は決して良好とは言えないと、私は思う。
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