心象スケッチ-晩秋の指標林にて-
11月10日、突然長靴を借りて、最後の指標林にいってきた。今年初めてこの指標林にいってきた。今回で5.6回目。色々見てきて、色々感動した。中でも今回は今までとは別のテイストだった。なんと言うか生々しくてエロティックな、それでいて武骨で無機質な様々な面が見えた。この記事でそれを詳らかにしたい。主に写真と詩で。
最初は秋だか紅葉ではなく散ったあと。木は個人的に一番生々しい時期は冬だと思う。筋骨隆々としてる。幹の太さから細い枝の先まで見るとまるで踊ってるよう。バレエみたい。踊ったことないけど。この写真は色がモノクロ木々の動きが見やすいかと。
次は紅葉。秋は天高く馬肥ゆる。そんなことわざがあるけど山に登ると、その通り空の高さを実感する。こんなに高いところにいて、それで辺りには自分の背丈の十数倍の高さの木々が連なっている、けどもあの空には届きそうにはない。私と空の距離を埋めるのは、殆どが無数に振動する空気。飲み下せない。
横になっているけど、キノコ。食べれるのかな、分からない。
落ち葉の淀み、画材は陽光。元々カラフルなカンバスは白と黒で事足りてしまう。
コンクリートの木々、白骨化。写真だと分かりにくいが、ほんとはもっと無機質である、けども生き生きとしてる。わかんないけど、そう感じる。
上の仲間。
木々はいっそう黒々と、周りの明るさを映す。
こんな感じでした。本当にちゃんと写真を撮れるようになりたい
詩
晩秋は天高く
私は
エーテルを掻き分け
気層圏との距離を測る
黒々と立つ、寒さ知らずの木々達も満たせやしない
この無限大に自身をおき
あの世この世と思念を駆ける
晩秋はもの崩れゆき
私は
地に伏し、ミミズと共に変容する
異質な巨木と向かい合う
その透明な骸に、無意味な同情を捧ぐ
或いはこれらが倒れた地響きを夢想する
誰一人だって分かりやしない
晩秋は息凍り
わたしは
陽光を纏う氷窒素を呼吸する
わたしの未来圏から吹き荒ぶ風は
遥か遠方より来るシグナルを消し飛ばす
さながら私は難破船の様相で
思考を止め、この森を所在なさげに漂流す
わたしはわたしの輪郭を危うく保ち
溶けてしまわぬようにと
目をこらし
拳を握りしめ
実存を保持し、地を踏みつける