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99人が「NO」と言ったものに「YES!」と言えるか

2007年に発売された各メーカーの携帯電話を並べて、「どの携帯がどのメーカーのものかわかりますか?」という質問に100%正解できる人は、ほとんどいないらしい。
携帯電話を作っていたメーカーの人でも、間違えるとか。
なぜか。
どれも同じようなデザインだからです。
機能も似たり寄ったりでした。
なぜか。
どこのメーカーも同じようにマーケティングをしていたからです。

ある時、「自分たちはこれがカッコイイと思っています」と言ってアメリカの西海岸からやってきた会社にあっという間にシェア50%を持っていかれました。
アップルはマーケティングはあくまでも手法のひとつと捉えhumanity(人間性)を中心に据えている会社です。

日本のメーカー各社は正解を出すためにマーケティングをし、正しく商品を作りました。各社に感性があるはずなのに、それは横に置いてしまったわけです。
アップルは商品の先にあるストーリーを見せました。
iPhoneを持つことで変わるライフスタイルとか、人とのつながりとか、アップルの感性を生かした世界観です。

この話は先日私が参加したセミナー『アート思考から学ぶ~「モノより意味の時代」における競争優位~』(NTTコミュニケーションズ株式会社 C×4 BASE)にて、登壇者の一人である山口周さん(著書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書/2017.7.19)がベストセラーに。昨年は『ニュータイプの時代』(ダイヤモンド社/2019.7.3)を出版)から聞きました。

日本企業は技術を駆使して正解を出すことに力を注いできました。軽いとか、小さいとか、多機能とか、そういうことで世界のトップに上ってきたわけです。
しかしモノが溢れる今、求められるのはストーリーということになってきました。不便で高価だけれども、その人にとっては意味があるもの。それを持っているだけで頑張れるとか、懐かしさを感じるとか、癒されるとか。
それはその人の内側から出てくる感性というものです。

感性には正解がないので、自分がどう思うかということが判断の基準になります。
「いいと思った」から選ぶということです。

しかし私たちは学校教育においても、社会に出てからも、常に正解であることを求められてきたので、自分がどう思うかを判断の基準にすることがどうも苦手なようです。
海外で賞を取った映画とか、アメリカで売れたアーティストとか、行列ができるスイーツとか、そういった世間的な評価に判断を委ねがちかもしれません。

誰もいいと言わないけど、私はいいと思う!と言えるようになるためには何が必要なのか。
自分らしさなのか、想いなのか、信念なのか...

皆さんは99人が「NO」と言ったものに「YES!」と言えますか?

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