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旅が日常に、日常が旅に、切り替わるとき 【#32】

眼前に広がるカラフルな絵のような街 11/7(mon.)

村田沙耶香さんのエッセイ集『となりの脳世界』を読んだ。

それぞれの世界を行き来できたらもっと楽しいのになあと思う。隣の人の住む世界に遊びに行き、その脳の持っている情報の中で日常を過ごす。それは私の住む世界とはまったく違う異世界だろう。こんなにそばに異世界への扉が無数にあるというわけだ。そのドアを、ぜひ開けてみたい。

世界が一人一人の主観(脳みその中)で無数に存在するのであれば、その内側を覗いてみたい、自分の世界と比べてみたいと思うものだ。環世界は何も、人とダニの間にだけ横たわるのではなく、人間を含めた生物の数だけ無限に存在するのだから。

宿泊していたLeónのホテルからUberを呼んで、Guanajuatoへ向かう。1時間ほどのドライブ。

「世界で一番好きなカフェ」とオススメされたCafé Talにて、最高のチル日和を過ごす。モカフラペチーノを頂く。

ホテルにチェックインできていないので、大量のバックパックを背中に抱えながら、街を練り歩く。こぢんまりとしたカラフルな街。マドリードと見まごうほど、雰囲気が良くて、天気も最高だったので散歩が気持ちよくて仕方がない。ゴンドラに乗って、グアナフアトの街が一望できるピピラの丘を目指す。

息を飲む絶景。肉眼で街を見下ろしているのに、絵にしか見えない。メキシコを訪れる機会があったら、絶対にグアナフアトにも足を運んでみてほしい。僕らもしばしこの景色に見惚れてしまい、ベンチで1時間くらいゆっくりと景色を楽しんだ。

ゴンドラで街に戻って、イダルゴ市場を散策して、少し離れたバス停でまで再びUberで向かう。

タイミングよくPM4にメキシコシティ行きのバスに滑り込めた。グアナフアトからメキシコシティまで約5時間の長旅。大量にダウンロードしたYouTubeと読書でインプットに時間を充てる。

日経テレ東大学の村上由美子さんの回が超抜だった。日本にも知られざる、爆裂人生を過ごしている人は数限りなく存在する。たったひとつの人生に詰め込めるその濃度に嘆息する。地でセックス・アンド・ザ・シティの世界を生き抜いた人のライフストーリー。

街録chの朋ちゃん回もなかなかに強烈であった。核心部分はさらりとかわされてしまうものの、インタビュアーとして切り込もうとはする三谷さんとの間の緊張感も漂う。人間は何度絶望に挫けそうになっても、ただ一筋の光さえ感じられれば、生きる活力までは奪われないのだな、と感じさせてくれた。

5時間の長距離バス移動を終えて、ようやくメキシコシティに到着。Uberで閉店間際の焼肉屋に駆け込む。

大量に頼んだ焼肉をじぇいそるさんが振舞ってくれた。それなりに長旅だったこともあり、ビールが五臓六腑に染み渡った。大満足の食事を終えて、徒歩でホテルまで歩く。もうここは東京であり、表参道である。なんだか、ティファナと同じ国とは思えないくらいの洗練度を感じさせる街である。

ポーカーという世界共通言語 11/8(tue.)

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