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On protège ce qui est à soi. その映画を、私はたまたま知った。 『九人の翻訳家』 世…
遠くで夏空が重い雲を従えている。 間近に迫った夕立の湿気が肌に纏わりついて気持ちが悪…
十歳になった頃、文章を書くことに挫折した。 それから二十年以上、私の挫折は続いた。 とこ…
卵が先か、鶏が先か。 人がイメージを作るのか、イメージが人を作るのか。セルフイメージ* と…
ふと顔を上げると、山肌に鶯色や若緑色がみっしりと苔生している。 まるで三毛猫である。 雑…
海棠の木が倒れたらしい。 母の話である。 裏庭に回ると、たしかに海棠が行き倒れたように横…
ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず 年の初めに、今年の目標を二つ定めた。 一、積読を減らすこと 一、断捨離をすること ここ数年、毎年目標に掲げているが、年々読みたい本が読み終える本の数を上回り、近づこうとすればするほど蜃気楼のように遠ざかっていく。 このままいくと、永遠に読まれない本がビックバン級に増えてしまう。そこで、今年こそは目標達成を心に誓い、まずは現状分析のために視覚化してみることにした。 はじめに現在未読になっている本を数えてみる。
高瀬川を眺めながらいつしか沈んでいた夢想から目覚めた私は、小川珈琲店をあとにした。 そう…
久しぶりに京の町を歩く。 京都駅から足の赴くままに路地を北へ東へ、朝食のためのカフェを探…
かつて、女流エッセイストと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、向田邦子さんだった。 * 卵…