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性を売ることは自分を大事にしていないことなのか?〜私にとって風俗で働くことは最も自分を大事にする行為だった〜

本にも書いたけれど、性を売ることは
基本的に一般社会で職業として
キャリアとして認められていないし、
履歴書には書けない経歴だ。


そして、性産業を仕事にしている人たちに対して世間は高確率で
もっと自分を大事にしなよ、
と分かったように説くまでが常套句だ。


社会のセーフティネットと言われているように、追い詰められた女性が仕方なく、
一時的に生きていくために我慢してする仕事。


生きるか死ぬかのギリギリのラインだから使えるものはなんでも使うという精神に則り、
自分を傷つける仕事。



まだ若い未成年の10代の少女や女子大生が、
金銭目的や承認欲求のために浅はかな目的で
手を出してしまう仕事。



ある対象に尋常でない金額を貢ぐために、
そのために活動できる時間全てを捧げる仕事。



そこに愛がないから、
自分の精神や肉体を酷使しているから
自分を大事にしていないと見られる。
でも確かにそうだ。



性を売る人で楽しそうな人って私は今まで見たことがなかった。
何かに追い詰められていて、
苦しそうで辛そうで。
どんよりとした暗いオーラに包まれていて。


だからそう言われてしまうのも仕方がないことだと思う。



私は最近になってようやく気づいたけど、
性を売るって肉体的なダメージが大きくハードだと見られがちで、
身体の強さがあれば無敵だと思っていたが、
実は精神面の強さがかなりものを言う世界だ。

 

多くの人間は性産業という世界は若ければ若いほどいいと思っているようだが
実は、根底のところはその逆で
若さと美しさが最上級の価値であるからこその危険性が潜んでいる。


だからこそ、性の世界は恐ろしく儚い。


若さと美しさを兼ね備えている女はまだ精神を鍛えられておらず、
実は性を売りにするに至るまでの技量を持ち合わせていない。


だけど社会はそれを求めているし、
実際声がかかり過ぎるが故に若さと美しさがそれを凌駕すると思い込み、大失敗してしまう。


だから若い女と騙される中年男とのトラブルや
殺人事件が絶えないという恐ろしい世界になっている。


風俗の仕事はお客さんとの1対1のごまかしの効かないぶつかり合いだからこそ
とても精神エネルギーを消耗するため、
自らの精神状態をかなり崇高な位置に持っていかなくてはならない。


なんだかスピとか宗教みたいになってしまいつつあるけど
ある意味これって真理なのかもしれないと私は考えていて、



人間の本質と根底の欲望をこれでもかと浴びるので、神のような崇高な精神を保てなくては普通の精神状態でいたら簡単に闇に飲まれて病んでしまう危険性を孕んでいる仕事だ。


これは私が何百人と接客をしてきた中で本能的に気づいたことで
だからこそ風俗は身体を売るのではない、
技術(または精神)を売る仕事だと何度も発信し、確信している所以だ。


まだ精神が幼く未熟なもの、
若さと美しさが求められると過信している者は
簡単に足を踏み入れてはいけない世界だ。


だけど世間はそちらを求めているし、そっちが性産業の本質だと思っている。
だからこそずっとずーっと暗い闇の中で不幸になり苦しむ者が絶えずにいる。


まだ未熟なのに性という武器を間違った形で使ってしまうと当然歪んだ社会になっていく。


私はなぜ風俗の仕事で病まなかったのか。
むしろこんなに快適で気持ちが楽に取り組めることにとても救われた。

そしてありがたいことにお金を稼ぐこともできたから、楽しいことをたくさん経験できた。



多くの人にとって風俗という仕事はとても精神的にきつくて辛い仕事なのかもしれない。
だけど私にとっては穏やかでホッとできて精神が安定する仕事だった。


できないことを怒られもしない、
正解も間違いもなく、全て結果で評価されるから自分でどうすればいいか自由に考えられるし、
嫌な人と関わらなくて済むし、好きでもない人を持ち上げなくてもいいし、
思ってもいないことや嘘を言わなくてもいいし、
行きたいところ、やりたいことを諦めなくてもいいし、


何より私だけにありがとうって言ってくれる、
私を選んでくれること
喜んでくれることがやっぱり嬉しくて
それは私にとって何よりも代え難い価値だった。


私が風俗の仕事に出会わなければ、
普通の仕事普通の仕事をしなきゃと言って
ひたすら派遣みたいなのを探して、
でもすぐクビになるから
転々として、どんどん闇が深まり病んでいき、


辛いから結婚に逃げようとして婚活して迷走して
さらにここでも普通の人生普通の結婚とか言って追い込まれて、
全然できないから更に卑屈になって


毎日嫌な思いをして多くの日本人と同じように
表向きはまともな人間のふりをして
どんどん心が荒んでいくから
ネットですぐ人を叩いて
ヤフコメに匿名で文句ばかり書いて
そのうち法的措置とか取られたりしていただろう。


風俗の仕事に出会えたからこそ、
私はよりフラットな目で物事を見られるようになったし、決めつけないし、
男女や性愛の機敏を知ることができたから
正しさにとらわれず楽になれたし、

何よりセックスを定期的にすることが自分の健康と人生に必要であることも自覚でき、


自分のやりたいことの後に仕事がついてくること、稼ぎは与えてもらうのではなく作り出すものと意識しているから
人や社会のせいにしたり期待をしないし、


風俗の仕事に出会えたからこそ、
こうやってnoteで発信できて本も書けたから

ネットで誰かを叩くこともなく誹謗中傷することもないから犯罪歴も残らない。


本当に風俗の仕事をしていてよかった。
私は、性を売る仕事をしたからこそ、こんなにも私の精神と身体と健康を大事にできている。

現代社会では、今まさに堅実で一生安泰と言われている仕事をしている人たちが
命を絶ったり、心を壊されている。


私は風俗、
彼らはお役所公務員、一流企業、高給取り。
どっちが自分を傷つけている?
すり減らしている?
大事にしていない?


私は自分を何よりも大事にするし、傷つけないし
私を不快にさせるもの、人から一切の手を引く。


風俗で働いていた私が声を大にして言うよ。


「そんな仕事、辞めたら?もっと自分を大事にしなよ」と。

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