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ガラスの靴

足の先が冷たい
シーツにシワをよせようとしても
かじかんだ指は
思うように動いてくれない
待っていたら
氷漬けにされたようになって
きっと元に戻らない
早く靴を履いて

あるはずのない一足のガラスの靴
擦り切れた靴を履くよりずっといい
ガラスでできた靴は
棘を刺すように痛い
それでも踏み出して
一歩ずつ
一歩ずつ
街は暗く何も見えない
点々とした街灯を頼りに
足元は気をつけて
あと靴擦れにも
それでも進み続ける

歩くたびにガラスは熱を帯び
足は段々と意志を持って
少し休んでもいいから
駆け抜け続けて
いつしかそれが輝きを放ち
煌めいた足元が
道を照らし出すのを、信じるの


引用写真 : 岩倉しおり




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