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遅くて、退屈で、つまらない場所

SNSには書かない(書けない)ことを中心にnoteを月に4本更新します。中身は藝大院の話、プロジェクトの過程、アイデアの種、苦しんでいる葛藤の様子などを書き散らかしてます。
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#東京藝大

逆算して設計したが、想像を超えて

前回の続きから。

「藝大の卒展とは何か」から問いはじめる

東京藝術大学の卒展・修了展終わりました。一瞬だった。みんなで頑張ってインストールし、気づいたらはじまって、気づいたら終わった。それくらいがむしゃらだった。 さすがは藝大ブランド、「卒展は5日間で2万人が来る」と聞いていたが、1月31日(金)だけで1万人が来たらしいので、動員はそれ以上だったと予想する。キャンパス内は人で溢れかえっていて、展覧会というよりは「お祭り」のようで楽しかった。なのでこれは藝大生に与えられた1度のボーナスタイムのようなもので、当たり前に思っては絶対にい

計3年通った東京藝術大学大学院を修了します

タイトルの通り。計3年通った東京藝術大学大学院先端芸術表現科を修了します。 早かった。一昨日くらいに入学したと思ったらもう終わりですからね。入学当初からのことも漏れなくこのマガジンに綴ってきました。 20代までやってきたことをひっくり返すように30歳から、全く未知である美術の大学院に入り直したわけですが、それはそれは新鮮で刺激的でした。と言っても、これまでのキャリアも全く無駄ではなく、むしろ自分の武器なのではないかと自信を持つことができた3年間でした。良い環境に恵まれたと

来年の制作・生活実践の場について考える

最近衝撃を受けた動画がありまして、こちらです。 料理研究家の土井善晴さんが味噌汁を作る動画。情熱大陸の公式チャンネルから上がっているのですが、野菜のヘタを取らずにそのまま入れたり、まな板汚したくないからと豚肉切らずにそのまま入れたり、アクも出汁も取らない…フレンチと和食を極めた料理人が逆説的に「料理なんてこれでいいんだよ」というのを、たった一杯の味噌汁を作りながら、言葉を使わずその姿勢のみで伝えます。 これなんか、フライパンで焼いた卵焼きを、そのまま味噌汁にぶこみますから

【藝大先端WIP展 講評メモ】作品の強度をより高めるためのステップと、今後学びたい技法など

前回の続き。藝大先端の教授陣から受けたフィードバックから、作品をより良い方向へ発展させていくための分析を行います。 総じて、ダメ出しとして言われたのが「ここがどういう場所かわかりにくい」ということ。 明らかにここが港区にある赤坂プレスセンターであるということがわかる建物の前を通るシーンも入れていたのですが、あまりにも説明的過ぎるなと思い最終消してしまったんですよね。 その意図としては、自分が米軍基地問題に対して明確なイデオロギーを持っていないので(賛成か反対かみたいな)

映像作品を単体でみせること、その強度とフィードバック【藝大先端WIP展 講評】

東京藝術大学取手校地で開催していた「WIP展」が閉幕しました。 「WIP(Work In Progress)」とは「制作途上」や「進行中」を意味し、要は来年の卒展・修展に出す作品の途中経過を見せろという、先端芸術表現科で恒例となっている展示です。おそらくだけど、先端を作ったひとりでもある川俣正さんが概念として使用する「ワーク・イン・プログレス」から来ているのだと思います。(ちなみに自分は休学するのでこの作品が修了制作になるわけではない) 余談はここまで。久しぶりに先端の教

大学院修了に向けた「研究計画書」を公開!

東京藝大の先端芸術表現科修士課程に在籍している俺です。 大学院は2年で修了なので、前期のこの時期には修了制作(もしくは修了論文)提出にあたっての研究計画書と、制作スケジュールを提出せねばなりません。 修了制作だとしても16000文字の作品解説を付けねばならず、主査は自分の研究室の教授、副査2名は自分でアポ取って面談して依頼する、という流れになります。無事に副査も決まり、面談で言われたことを揉んで提出した「研究計画書」をマガジン購読者に公開しようと思います。 今年1月の学

余計なものを積みすぎてしまった自分がフランスに留学するための作戦会議

夜23時半には眠くなり、朝7時に勝手に目が覚める金沢生活も3週間が終了。分かりやすいくらい環境に影響を受けやすい自分が好きです。 さてこの3週間は、先月の滞在制作と過去制作した作品をまとめながら、新たな道に進むために研究内容のブラッシュアップを進めてきました。 半年後に迫ったパリ国立高等美術学校(エコール・デ・ボザール)への留学…この大学はドラクロワ、ドガ、モネ、シスレーなどの西洋美術史におるけ巨匠を多く輩出してる名門。そんなことはつゆ知らず選んでしまったのですが。 藝

世界的アーティスト「川俣正」を見て思うこと

金沢で1人こもり、ひたすら理論を構築する日々。 過去作品をポートフォリオにまとめながら、なぜこれを作ったのか、なぜ私が作る必要があったのか、私がフランスで研究する必然性は何か、などをひたすら深掘りして言語化しています。 それと並行してポートフォリオサイトもリニューアル中。新しくアーティスト用の名刺も作成しました。 どうしても自分でやる時間が厳しく、デザインやカスタマイズをクラウドソーシングサイトで依頼したのですが、爆速且つ丁寧に仕事をしてくれて助かりました。ただこんなこ

展示鑑賞中に取ってるメモとかいま見てる視点とか【そのまんま公開】

「おませちゃんブラザーズ」という3人組YouTuberがけっこう好き。サブカルにいて発信していて、紹介されている映画やアニメ、音楽を試しに聴いてみたらすごく良かったりします。 それで昨日この動画を見てたら「サバシスターズ」というバンドを紹介されていて、3ピースのガールズバンドってだけでワクワクするのに「ジモティーで知り合って結成した」って最高じゃないですか? ていうか、ジモティーってそういう使い方あるんだ笑 Z世代なのに、一昔前の掲示板文化でこんなバランスの取れた人たち

闘いや生活の技術としての「美術」に感動する。「鑑賞するべき展示」がクリアになる。

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コンペの情報SNS広告からキャッチしてるから案外侮れないなと感じてる話など

開催中の「A-TOM ART AWARD 2022」の授賞式が行われました。

交換留学の書類出したった。希望する留学先は...

せいせいせーい。 10月もあっっっっっという間に終わって引いてる。制作とか展示しながらコンペに応募したり色々書類作ってました。 そしてなんとか、藝大の交換留学の制度の書類について、担当教員からサインもらって一息…! 元々入学した時から交換留学制度は頭の片隅に入れていたけれど、今夏海外行ったあたりからその意識が強くなりました。 と言いつつも、研究内容や行きたい国と大学が定まらず書類提出締切日だけが近づいてくる。 何かアクションせねばと、去年通っていたアートトの小澤さん

息つく間もない日々の中で歩くこと、書くことの重要性というか「とりあえず出す」ことが明日に繋がるってことじゃないのか

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