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遅くて、退屈で、つまらない場所

SNSには書かない(書けない)ことを中心にnoteを月に4本更新します。中身は藝大院の話、プロジェクトの過程、アイデアの種、苦しんでいる葛藤の様子などを書き散らかしてます。
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2025年2月の記事一覧

アートに飽きた?

文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業の成果発表イベントが終わった。報告プレゼンをしに東京に行き、3日ほど滞在して金沢に帰ってきた。 これにて、帰国後予定していた全ての展覧会が終わった。まずはサポートしてくれた方や、観てくれた方、制作協力してくれた方、全ての人に感謝したい。 3月は少し落ち着くので、精算や確定申告などやるべきことをやりながら、次のステップ、つまりは大学院修了後の道について思索していく。そのタイミングで、ちょうど富井玲子さんの「オペレーションの思想」とい

展覧会の誘いを断ってでもAIツールを学習方が長期的には良い気がしている

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コレクションという戦略と戦術

久しぶりに作品をコレクションした。 塩見允枝子さんの《Spatial Poem No. 2》(1966)と、Francis Alÿsの《The Loop》(1997)である。 どちらも、直接的に自分の作品の参照元となった作品である。《Spatial Poem No. 2》は《Swept along, but not swept away》(2024)に。 《The Loop》は《スマホ1台旅》(2017)に。 何を参照しているのかについては、修了作品解説論文の第4章で

人生そんな簡単にうまいこといかないけど、静かに燃えてきた

東京藝大の修了展が終わり、助成を受けていた「文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業」の成果発表イベントがはじまった。 (展覧会は終わってないけど)フランスから帰ってきて半年間、制作と展覧会ラッシュだったのがようやく落ち着きつつある。 遊んでいたりしても常に頭の中にタスクがある状態だったけど、空っぽの状態で酒を飲んでバカ笑いできる喜びと、本を読み、文章を書ける幸せを噛み締めております...。 というわけで、本当に、本当に!この半年間走り続ける中で感じることが多々あった

逆算して設計したが、想像を超えて

前回の続きから。

「藝大の卒展とは何か」から問いはじめる

東京藝術大学の卒展・修了展終わりました。一瞬だった。みんなで頑張ってインストールし、気づいたらはじまって、気づいたら終わった。それくらいがむしゃらだった。 さすがは藝大ブランド、「卒展は5日間で2万人が来る」と聞いていたが、1月31日(金)だけで1万人が来たらしいので、動員はそれ以上だったと予想する。キャンパス内は人で溢れかえっていて、展覧会というよりは「お祭り」のようで楽しかった。なのでこれは藝大生に与えられた1度のボーナスタイムのようなもので、当たり前に思っては絶対にい