MASAHIROMARUYAMA (マサヒロマルヤマ)のデザイナー インタビュー / 丸山さん、僕と一緒に奥浅草を散歩しませんか?(前編)
こんにちは、荒岡です。 今回は、国内はもちろんのこと、海外で高い評価を受けるブランドMASAHIROMARUYAMAのデザイナー 丸山さんと一緒に台東区の奥浅草、浅草を散歩しながら話を伺いました。
普段では、なかなか伺う事ができない記事の内容となっておりますので、是非ご覧ください。
~浅草駅で丸山さんと待ち合わせ~
荒岡「丸山さん!! すいません、お待たせいたしました~!」
丸山さん 「お久しぶりです。」
荒岡 「今日は、お忙しい中、ありがとうございます!! では、早速いきましょうか?」
丸山さん 「はい。 今日は、どんな感じで散歩するんですか?」
荒岡 「じつは、浅草の浅草寺の裏側にある奥浅草をご案内させて頂こうかと思っています。 浅草を少し観光しながら、奥浅草に向かって、最後に雷門に戻ってこようかと思っています。 散歩しながら、丸山さんのこと、眼鏡のデザインについてなどお伺いさせて頂きたいです!」
丸山さん 「わかりました!」
荒岡 「浅草は結構人が多いので、混雑を避けていきましょうか。 では、こちらからいきましょう!」
丸山さん「はい!」
荒岡 「早速ですが、丸山さんと知り合ってから15年以上経つと思うですけど、二人でお茶とかしたこともありますが、こうして、ゆっくりとお話しするのは、 初めてじゃないですか?」
丸山さん 「確かにそうですね。 ブランド設立した時は、ちょこちょこ会ってましたよね。」
荒岡 「そうでしたね!! あの、改めてなんですが、丸山さんって、ご出身はどちらでしたっけ?」
丸山さん 「僕は、千葉の船橋ですね。 家が漁師の家庭で。」
荒岡 「そうだ! そうでしたよね!! 思い出しました! 漁師さんの家庭でデザイナーになられてたので、面白いなと思っていたんですよ!」
丸山さん 「ああ、そうだったんですね。 じつは、漁師は、船の修理や漁業の仕掛けなどを手作りで作っている人が結構多いので、家にも色々な工具があって、自分はその父親の工具を借りて、プラモデルやラジコンを作ったりして、よく遊んでいたんですよね。」
荒岡 「なるほど! そこで物作りの基礎というか、物作りへの興味が芽生えるわけですね!!」
丸山さん 「それがきっかけで、多分、物作りにはまっていったのだと思います。」
荒岡 「その後の中高生の時はどんな感じで過ごされていたのですか?」
丸山さん 「じつは高校生でバイクに興味を持ちまして。 SUZUKIのガンマとかYAMAHAのSRXとかに乗っていましたね。」
荒岡 「おお!! めちゃ! いいですね!! レサーレプリカなどのスポーティーな仕様のバイクに乗っていたんですね!!」
丸山さん 「そういう時期もあったんですけど。 家の裏にある工場に誰も使用してなさそうなVespa(ベスパ)が置いてあって。 そのまま長い期間、置いてあったので、そこの工場の方に聞いたら、使用していないモノで、その工場の社長さんの壊れたモノだったんですよ。」
荒岡「なるほど。 それでどうしたんですか?」
丸山さん 「使用されていないなら、譲っていただけないかなと思い、父親と一緒に伺ったところ、快く譲って頂きました。」
荒岡 「それは、良かったですね!! でも、故障しているんですよね?」
丸山さん 「自分でなんとか修理しようと思って。 Vespa(ベスパ)の専門店のホノラリー原宿(現在はベスパ東京原宿)で整備マニュアルの本を買って、自分で修理して乗りました。」
荒岡 「おお!!丸山さん、それはすごい!! じつは、僕、ヘップバーンが好きで、映画『ローマの休日』でヘップバーンがVespa(ベスパ)に乗っているシーンとか素敵でしたよね! 」
丸山さん 「確かに! あと、映画 『さらば青春の光』でもモッズファッションをして乗ってましたよね。」
荒岡 「おお!! モッズ、ロッカーズは、かっこいいですよね!! やっぱり、ベスパって、カルチャーを感じますよね!」
荒岡 「あっ、丸山さん、話の途中ですが、こちらのお店はご存じですか?」
丸山さん 「いえ、知らないです。 こちらは何ですか?」
荒岡 「こちらは、七味唐辛子で有名なお店の『やげん堀』さんです。 徳川三代将軍家光の時代に『やげん堀』さんの七色唐辛子が献上品となって、広く知られるようになった由緒正しい七味唐辛子なんです。」
丸山さん 「なるほど、徳川家御用達の七味唐辛子なんですね。 」
荒岡 「こちらが献上された際に家光公がすごく喜ばれたそうで、やげん堀の七色唐辛子は、徳川の「徳」の字を賜って、やげん堀のロゴになっている「山徳」の称号はこれが由来らしいです。」
丸山さん 「そうなんですね。 結構辛いのが好きなので、一つ買ってみます!!」
荒岡 「丸山さん、こちらの並びにあるお店も素晴らしいので続けていきましょう!!」
丸山さん 「行きましょう!」
荒岡 「こちらのお店は、浅草寺へと続く仲見世通りにもお店を構える『コマチヘア』さんです。 かつら、かんざし、舞台化粧品専門店なんですよ。」
丸山さん 「へえ~、こういうお店があるんですね! 確かに女性が着物を着る時に必要になりますね。」
荒岡 「そうなんですよね! やっぱり浅草は粋なお店がありますよね!!」
丸山さん 「確かに。 なかなかないお店が多いですよね。」
荒岡 「隣のお店も面白いですよ!」
丸山さん 「こちらは、ブラシの専門店なんですね!」
荒岡 「こちらも浅草周辺に店舗が3店ある『かなやブラシ』さんで。 色々な用途のブラシを取り揃えているブラシの専門店として有名なんですよ!」
丸山さん 「デザインやブラシの素材によって、用途を変えているんですね。 非常に面白いです。」
荒岡 「いや~、本当にすごいですよね! そうだ、丸山さん、この近くに有名な洋食屋さんがあるので、空いているようでしたら行きませんか?」
丸山さん 「そうしましょうか。」
荒岡 「この道を曲がってすぐにあるんですが、空いてるかな?」
丸山さん 「タカシ(荒岡)さん、このお店ですよね?」
荒岡 「ここです!! あっ、40分待ちですね。。 残念すぎる。。最近、浅草は人が多いから、、仕方ないか。。 そうしたら、食事は、奥浅草に行った時にしましょうか。 でも、なんか小腹へったので、肉まんとか食べませんか?」
丸山さん 「えっ、肉まんですか?」
荒岡 「ここの近くに焼売が有名なお店で肉まん、あんまんを売っている所がありまして。」
丸山さん 「行きましょう!」
荒岡 「それでは、演芸ホールの前を通っていきましょうか!」
荒岡「先ほどの話の続きですが、青年時、バイクに興味を持たれてましたが、丸山さんが制作されているコレクションでは、美術的なアプローチとが多いのですが、美術とかもされていたのですか?」
丸山さん 「そうですね。 小中学校から絵は描いていて。 コンクールとかでは、金賞とかは多くはありませんが、銅賞などを受賞したり、入選はだいたいしていました。 そういう積み重ねが自信になりましたね。」
荒岡 「なるほど、やはり絵は描かれていたんですね。」
丸山さん 「先ほどの話につながるのですけど、高校の時は、立体物に興味が出まして。 バイクも好きでしたが、車も好きで。 外車を取り扱っているディーラーにフォルクスワーゲンのタイプ3とかポルシェ 911などをよく見にいってました。」
荒岡 「丸山さん、それ、間違いなく、かっこいいやつじゃないですか!!」
丸山さん 「あと、高校の時にナイロールの眼鏡(レンズの下部がむき出しのデザイン)のレンズを自分で削って、レンズの形を変えて遊んだりして掛けてましたね。」
荒岡 「その頃にすでに眼鏡デザインに触れていたんですね!!」
丸山さん 「いや、その頃は遊び程度です。 でも、プロダクトデザインを学びたくて、高校を卒業して、デザインの学校に入った時に金工をしていて、シルバーで眼鏡を制作しまして。 その眼鏡が福井眼鏡協会が主催しているプロ、アマチュアが参加できるコンクールの個人部門で銅賞を受賞しました。」
荒岡 「ええ! 本当ですか!! それはすごいですね!!!」
丸山さん 「それがきっかけとなって、眼鏡業界に興味を持ちましたね。」
荒岡 「なるほど、なるほど! いや~、プロの方も参加してたのに銅賞を獲れるのはすごいですよ!! あっ、丸山さん、話をしてたら到着しましたよ!」
丸山さん 「ここでですか?」
荒岡 「シュウマイで有名な『セキネ』さんです。 肉まん、あんまんもすごく美味しくて! この近辺の方もご利用されているんですが、浅草関連の芸人さんの御用達でして。 ビートたけしさんの著書「浅草キッド」にも紹介されています。」
丸山さん「なんか、美味しそうですね!」
荒岡 「それでは、早速、いただきましょう!」
丸山さん 「この肉まん、すごい美味しい!! 肉汁がすごいです!」
荒岡 「よかったです!! 僕は肉まんはよく食べているので、あんまんをいただきますね!!」
丸山さん 「美味しいから、すぐに食べてしまいますね!!」
荒岡 「確かにです!! 丸山さん、なんか、喉も乾いてきたので、すぐに近くに雰囲気のある喫茶店があるんので、お茶しながら休憩しましょうか?」
丸山さん 「そうしますか!」
荒岡 「この道から行きましょう。 丸山さん、先ほどの続きなんですが、学校を卒業された後にGrapes & Celadon (グレープス・アンド・セラドン)の森山さん、YUICHITOYAMA. (ユウイチトヤマ)の外山さんと同じ眼鏡の企画会社に就職されたのですか?」
丸山さん 「そうですね。 森山さんと外山さんは先輩になりまして、今でも仲良くさせていただいています。」
荒岡 「いや~、すごいですよね!! 東京を代表する錚々たるデザイナーが集まってますよね。 当時で、なにか面白いエピソードとかはありましたか?」
丸山さん 「じつは、入社した当日が外山さんの誕生日で。 出勤の初日に外山さんの誕生日を祝って、みんなでバースデーケーキを食べたりしましたね(笑)」
荒岡 「それ! ウケます!! 丸山さんの入社歓迎会でなくて、外山さんの誕生日会になってるじゃないですか!(大笑) やっぱり、外山さんは持って行きますね!!(笑)」
丸山さん 「はっはっ、楽しかったのでよかったのですけどね!」
荒岡 「当時の森山さんと外山さんは、どういう先輩でしたか?」
丸山さん 「僕は、初めて入社した会社がその会社だったので、森山さんには、社会人としての基本的なことを教えていただいてました。 外山さんは、自分が失敗した時にケアしてくれたのを覚えてます。」
荒岡 「やっぱり、優しい先輩方だったんですね。」
丸山さん 「本当にそうですね。 デザインチームは、5人だけだったので、すごく仲良く仕事させていただきました。」
荒岡 「そのような中、森山さんが独立された後に丸山さんも独立されるんですよね?」
丸山さん 「そうです。 僕は、会社にいた時は自分の色を消してデザインすることが多くて。 だから、当時は自分がデザインしたフレームは、関係者から誰がデザインしたかよくわからないと言われてました。」
荒岡 「ええ!! MASAHIROMARUYAMAのデザインからは想像できないですね!」
丸山さん 「確かに。(笑) 当時からやりたいデザインがありましたし、自分のデザインの方向性は明確にあったので、独立してブランドを作ろうと思ったんですよね。」
荒岡 「ブランドは、 2011年の設立ですよね?」
丸山さん 「そうです。」
荒岡 「あの当時、僕は表参道のブリンク・ベースのディレクターをしていて、丸山さんがブランドを始める前に、これから『ブランドをつくります』とお話に来ていただいたのを覚えています!!」
丸山さん「懐かしいですね!」
荒岡 「以前から丸山さんのデザインの評判は伺っていたので、『おお!ついに出るんだ!!』みたいな当時の高揚感は忘れられないですね!!」
丸山さん 「それは、嬉しいな!!」
荒岡 「丸山さん、お話していたら、喫茶店につきました!!」
丸山さん 「いい感じのお店ですね~。」
荒岡 「僕、こちらの『ローヤル珈琲店』が好きで、浅草に来るとたまに寄らせていただく場所でして。 こちらで少し休憩したら、目的地の奥浅草にいきましょう~~!!」
最後までご覧頂き、誠に有難うございます。
次回(中編)は、奥浅草に向かいながら、丸山さんのデザイン観について詳しくお伺いしています。 ぜひお楽しみにしていてください。
< 眼鏡とクラフトat RUTTEN_ >
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