紅茶詩篇『牢獄』
私は学校が嫌いだった
学校での出会い全てが
何一つとして誰一人として
私を助けてはくれなかったから
高校生で心を壊して身体を壊した私のことを
誰も気づいてはくれなかった
死にたいとこぼしたところで
教師は明るく笑ってる
仕事の方が好きだった
傲慢な教師みたいな大人は
一般的な社会にはいないからだと思った
自分より経験値がない人間を相手にしていることを忘れて
傲慢を働いている教師たち
職場で出会ったひとたちは
少なくとも私にとてもよくしてくれた
どの職場で出会ったひとでも
私は勉強が嫌いではなかった
学校というシステムが嫌いだった
同じ年齢の子供を
大人が管理する都合で同じ教室に閉じ込める
学業は嫌いではなかったんだ
ただ学業は私のことを好きになってはくれなかった
疎まれているような気分で分からない数学の図を
理解したくて見つめていた
勉強は私のことを
好きになってはくれなかった
仕事の方が好きだった
仕事はすればお給金が貰えるから
病気をしたから長らく社会に出られなかったけれども
私は学校も学業も嫌いなまま
勉強は好きだけれども
私のことを勉強は好きになってくれなかったから
大人になってから学びたいことがあっても
上手く勉強は続かなかった
仕事をするようになって
少しだけ欲しいものを買えるようになって
死なないでいてよかったと思った
週末に薔薇を買うことを繰り返す
その週に働いた私のために
その次の週の私の部屋の彩りに
花を買う余裕があるくらい日々が
子供を閉じ込める地獄のような場所で想像が出来ただろうか
趣味で書いていた小説だけが私の想像の全てだった世界の中で
やさしいひとのいる場所に
私の居場所があることに気づいた
やさしいひとのいる場所に
私が休む場所があったことに気づいた
仕事をするようになって
ほんの少しのお金が入る暮らしは
私の心に自由の欠片を
そっと手渡してくれたようなものだった