(2023/03/20/月)1500年前、大阪から九州に運ばれて来た土器
本日の写真 1500年前、大阪から九州に運ばれて来た土器(須恵器)
こちらは、古墳関連の展示物コーナーに展示されている事の多い土器『須恵器』です。
私が良く行く考古学博物館や、他県の博物館等にも似た様な作品が多く展示されている、ポピュラーな古代の土器です。
多くの博物館や公共施設では『須恵器』とだけ表示されている事が多いのですが、こちらの展示ではこの須恵器が作られた場所や発見された場所等も記載されており、解り易い展示になっています。
説明パネルの中に『陶邑』と言う名前が有った為、調べてみた所、現在の大阪府堺市に当たる所に大規模な工場が有った様で、その名前は『日本書紀』にも出てくるようです。
詳しい情報が掲載されている、大阪府堺市ホームページへのリンク
詳しくは大阪府堺市のホームページに掲載されていましたので、リンクを下記に記載したいと思います。
HPの中には窯の図や作り方。形の推移等も書かれていて解り易いので、興味の在る方は面白いと思います。
そのHPを参照にすると、下記画像の手前の蓋つき土器は、5~6世紀に作られた土器の形の様です。
その他にも、液体を入れる様な壺等が多数展示していました。
こちらの壺等は、自然釉でしょうか。
他の土器は素焼きなのに対し、釉薬が掛かった様な外見になっている土器です。
現在に普通に飾っていても違和感が無い様な作品だと思います。
感想
これらの『須恵器』は今の大阪府堺市で、当時、大量生産されて全国に運ばれた土器の様です。
この様な作品を博物館で見ていると、1500年前も流通網がしっかりしていたんだなと実感します。
当時、日本通運の様な国策企業的な組織が運んだのか、それともヤマト運輸の様な民間業者的な組織が運んだのか、それとも個々人で少しづつ運んだのか…想像すると面白いです。
工業製品の様に1か所で大量生産している事も面白いですが、ワレモノを長距離移動で運ぶ技術と、それを行う人々が居た事自体も凄いなーと思います。
又、大量生産品との事ですが、良くも悪くもクセが少なく、今でも、料亭の玄関とかに飾っていても違和感が無い様な完成度だと思います。
これらのデザイン等も作品作りに生かせて行けたらと思います。
2023/03/20/1650~1749