(2024/06/18/火)線刻印の有る鉄鏃 立切地下式横穴墓群(高原町)
本日の画像
今回の画像は、先日、ご紹介した立切地下式横穴墓《ちかしきよこあなぼ》で出土した、線刻印が刻まれた鉄鏃です。
線刻印が刻まれた鉄鏃に関しての質問
昨日、上記の上記の地下式横穴墓(原寸大)模型が、実際の立切60号地下式横穴墓と真逆の配置になっている事について質問した際、線刻印が刻まれた鉄鏃についても質問致しました…。
その時、偶然、宮崎総合博物館の裏に有る、宮崎埋蔵文化財センター分館に、鉄鏃に関して詳しい方がこの日は勤務されて、博物館で質問に答えて下さった方のご紹介で、その方にご意見をお伺いする事が出来ました。
質問内容は5つだったのですが、今回は、上記の線刻印が刻まれた鉄鏃に関する4つの質問とご回答を、備忘録として残したいと思います。
(5つ目の質問については、別日に記事にしたいと思います。)
1つ目の質問
Q、線刻印が刻まれた鉄鏃の出土例は、他に有りますか?
A、かなり出土しています。
今回、私が参考にさせて頂いた調査報告書が1991年に作られた物だったので、その調査報告書が発表された後から現在まで、約30年の間に多くの出土例が有ったそうです。
2つ目の質問
Q、この線刻印の意味について、論じている様な資料は有りますか?
A、おススメの資料が有ります。
3つ目の質問
Q、この様なシンボルについて、研究されている方はいますか?
A、上記の資料(PDF)を作られた鈴木一有氏が、色々と調べていらっしゃいます。
4つ目の質問
Q、この鉄鏃に刻まれた『I』や『*』の記号は、どの様な物だと思われますか?
A、正確な事は判りません。
(作者の印か、持ち主の印かもしれない。でも、本当の意味は解らない。との事でした。)
以上、線刻印が刻まれた鉄鏃について、4つの質問をした所、解り易く回答して下さり、大変感謝しております。
今後は、上記の資料を読みつつ、研究者の方の資料等から、更に深堀して調べて行きたいと思います…。
鉄鏃(圭頭鏃)の実物と、複製品
地下式横穴墓(原寸大)模型の横にせっちされた、大きな展示ケース内には、下記の様な鉄鏃(圭頭鏃)の実物と、複製品が展示されていました……。
しかし…上記の地下式横穴墓(原寸大)模型のモデルになった、立切60号地下式横穴墓で出土したような、線刻印が刻まれた鉄鏃は、展示されていませんでした…。
なので、立切60号地下式横穴墓で出土した鉄鏃(圭頭鏃)の実物を見る為、宮崎県立西都原考古学博物館に行ってみました…。
西都原考古学博物館に展示された
立切60号地下式横穴墓出土の、線刻印が刻まれた鉄鏃の一部(実物)
…早速、宮崎県立考古学博物館に行き、実物の鉄鏃見てみると、調査報告書に書かれていた通り、錆びた地金の上に、確かに一本の筋が彫られていました…。
しかし残念ながらこの展示スペースには、今回見たかった『*』印の線刻印が刻まれた鉄鏃は展示されていませんでした…。
ここに展示されていた7本の鉄鏃は、錆びてボロボロになってはいましたが、均等が取れた美しい形状を残した物が多く、デザイン的に優れている感じはします…。
でも、これらの遺物の現物を手元に置いて置きたいか…?と聞かれたら…ちょっと考えてしまう様な……そんな感じのする遺物でした…。
しかし、遺物の形状や、『I』印の刻印自体は面白いと思うので、これらの形状や刻印のデザイン自体は、私の作る作品のどこかで、隠し味のスパイスとして使えたら良いな~…と、思っています…。
2024/06/17/?~? ~ 2024/06/18/1220~1259
最近はただの日記になっていますが、自分自身と作りたい作品について更に突き詰めて行きたいので、この作業を暫く続けて行きたいと思います。