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おやつの記憶

子どもの頃、祖母や母がおやつを作ってくれた。

まだホットケーキミックスも今ほど普及していない頃。
レンジはもちろん、オーブンもない。
主婦向けのお菓子の本には、オーブンは天火と書かれていた。

そんな頃作ってくれていたのは、小麦粉と砂糖と卵と牛乳(もしくは水)を混ぜて、フライパンで焼いたもの。
ふくらし粉はないので、入れない。

ぺっちゃんこだけど、砂糖の甘みと卵の味でおいしかったことを覚えている。

レシピとかそういうものはなく、その日にあるもので、適当に混ぜて焼いたもの。
おいしかったな。

パンを焼いたりお菓子を作るとき、きっちり計って作ることが多い私は、そういう目分量とか応用をきかせることが苦手だ。
インスタントラーメンを作るときもきっちり計る。

最近、あるものを組み合わせて何かを作ることができるようになってきた。
出来上がっておいしく食べたときは、本当に充実している。

たくさんのレシピを見てきたけれど、そのまんま忠実に作ったり、有り合わせでアレンジしたり、その時々でできればいいなぁ。

今より制限のあった時代に、工夫をしておいしいものを食べさせてくれた、祖母たちと母にあらためて感謝したい。
本当に食の記憶って、すごいな。