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読書「失敗の科学」

10月2冊目はDiscoverの「失敗の科学」です。

本書は、この本は、失敗から学ぶことの重要性について深く掘り下げており、失敗を前向きな変化の機会と捉えることが、個人や組織の成長に不可欠であると説いています。

失敗の科学のテーマ

  • 失敗を受け入れる文化
    失敗を恥ずかしいものと捉えるのではなく、学びの機会と見なすことが重要だと述べています。

  • 試行錯誤の重要性
    科学的思考のプロセスの一部として、試行錯誤を繰り返すことで、改善やイノベーションが生まれることを強調しています。

  • 失敗のデータを利用する
    失敗した原因をデータとして収集し、そこから分析を行い、問題の本質を理解することが重要です。

取り上げられていた例

本書では、特に航空業界と医療業界を比較することで、失敗に対するアプローチの違いを浮き彫りにしています。

航空業界では、事故やトラブルが起きた際に詳細な調査を行い、その結果を業界全体で共有する文化が根付いています。この透明性と協力によって、安全性が大幅に向上しました。

一方、医療業界では、失敗を認めることが難しい文化があると指摘しています。医療過誤が発生しても、その情報が他の医療機関や医師に広く共有されることが少なく、同じようなミスが繰り返される原因となっています。

この違いは、組織文化や業界の姿勢の問題が、結果にどれほど影響を与えるかを教えてくれました。

特に重要だと思ったこと

過ちについて当事者や関係者がそれを認めようとせず、むしろ自分の立場や信念をさらに強固にする「確証バイアス」や「認知的不協和」という概念が一番印象に残りました。

  • 確証バイアス(Confirmation Bias)
    確証バイアスとは、自分の信念や先入観を裏付ける情報ばかりを重視し、反する情報を無視または否定してしまう傾向を指します。本書の冤罪のケースでは、関係者が当初の判断を正当化しようとするために、証拠を無視したり、逆に証拠を疑う行動に出ていました。

  • 認知的不協和(Cognitive Dissonance)
    認知的不協和とは、自分の信念や行動と矛盾する情報に直面したときに生じる心理的な不快感を指します。この不快感を解消するために、人々は自分の信念をさらに強固にするか、矛盾する情報を否定する傾向にあります。冤罪を信じている人々が科学的証拠を前にしてもその証拠を拒絶するのは、この認知的不協和の典型的な例です。

まとめ

「失敗の科学」は、失敗を避けようとするのではなく、失敗を最大限に活用することの重要性を説いています。失敗から学び、そこから改善を図ることで、個人や組織が持続的に成長できるというメッセージを感じました。

本書は、日常生活からビジネス、教育現場に至るまで、あらゆる場面で参考にできる価値のある一冊と言えるでしょう。

興味があれば、ぜひ一度手に取ってみてください。

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