ロマンス語の「さようなら」に感じる違和感
こんにちは!現在フランスのアルザス地方でワイン畑を見ながら風に吹かれているしゃんです。今日は、自他共に認めるロマンス語愛好家の私がフランス語を使って生活する中ふと気づいた、言葉に関するショートエッセイをお届けします。
多くのロマンス語に共通する概念
さて、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、フランス語におけるさようならは「Au revoir」で、直訳は「また会うまで」となります。直訳すると「また会うまで」となる別れの挨拶を多用するのは他のロマンス語においても共通で、イタリア語の「Arrivederci(=until we meet again)」、スペイン語の「Hasta pronto(until soon)」、ポルトガル語の「Ate mais(until more)」、ルーマニア語の「La revedere(See you again)」がそれに当たります。
きっともう2度と会わないのに…
現実主義者の私はこの事実に気づいた時、旅先で出会う人や一回限りのお店の店員さんなど、恐らく2度と会わないであろう人に対しても等しくこのように挨拶する事に対して、強い違和感を覚えました。日本語には「一期一会」という表現がありますが、ロマンス語では真逆なのがとても興味深いです。ロマンス諸語の母語話者にとってはこれが当たり前で、このような視点から考える事はないのかもしれませんが、今後ロマンス語を母語とする友人たちにこの疑問を投げかけてみたいと思いました。