過酷すぎた弾丸旅行【ルーマニアからハンガリーへ】
どうしても行ってみたかったハンガリー
1学期間のルーマニア留学も最終章。ルーマニアを後にする前に行ってみたかった所がありました。それはルーマニアの隣国、ハンガリーです。なぜハンガリーに行ってみたかったかと言うと、部活でオーケストラに入っていた中学生の頃愛用していたバイオリンがハンガリー製の楽器で、自分のバイオリンが作られた国を見てみたいと当時からずっと思っていたからです。あと単純に、普段東欧にいるので中欧に対して憧れを抱いていた事もあります。しかし大学の試験日程の関係でブダペスト行きは断念せざるをえず(何せ移動に時間がかかるので…)、ハンガリー第三の都市であるSzeged(セゲッド)と、ルーマニア西端部に位置する第四の都市、Timișoara (ティミショアラ)を1日ずつ観光する事にしました。
交通インフラが致命的なルーマニア
私は現在、ルーマニア北東部の端っこ、ルーマニア第三の都市であるヤシという街に住んでいます。EU加盟国中で最も交通インフラが遅れている国の一つであるルーマニア。国鉄の最高速度は150キロ前後に留まり、停車駅も多いためヤシから首都のブカレストに行くにも電車で7時間かかります。(距離的には東京大阪間くらい)それも今回は、東の端っこから西の端まで移動するため、ヤシから首都のブカレストまで7時間、ブカレストからティミショアラまでは寝台電車で10時間半の旅をすることに。そんなルーマニアですが、実は高速道路がほとんど存在しない上、田舎では道路の舗装が劣悪なパターン多々あり、残念ながら、人口当たりの交通事故における死傷者数がEUトップレベルで多いそうです。
2時間までの遅延は当たり前
とんでもなく遅いと悪名高いルーマニア国鉄(CFR=ルーマニア語における略称)ですが、異様に遅延が多いです。もはや、遅延しない方が珍しいくらいです。長距離路線では特に、当たり前に1時間半から2時間遅延するため、30分以下の遅延は遅延のうちに入らないと思います。
今回の旅程
そんな国鉄でヤシからティミショアラに向かい、ティミショアラで1日観光してから次の日には国境を超えてハンガリーに向かい、その日の夜にはティミショアラに戻ってヤシ行きの寝台電車に乗るという怒涛の計画でしたが、本当に大変でした… 想定外の事態が次から次へと起こり、これまでの人生で経験した旅の中で一番ハードでストレスフルだったと思います。以下、今回の旅で起こった出来事の時系列です。
【時系列】
ヤシ→ブカレスト
特に何事もなく。これから始まる新たな冒険に純粋にワクワクしてた。
ブカレスト→ティミショアラ
寝台電車、3段ベッドの一番上が割り当てられていたが、空調が中段と下段のベッドにしか付いておらず、蒸し風呂状態で約11時間過ごす事になる。前の日に寝ていなかった事もありなんとか寝れたが、とにかく地獄としか言いようのない環境で、中段と下段を割り当てられている人と同じ料金を払っている事にとてつもない不平等感を抱く。【遅延+1時間20分】
ティミショアラ→セゲッド
定刻通りにバスが出発。国境でのパスポート検査にいつもより時間がかかった気がしたが特に問題もなく到着。
セゲッド→ティミショアラ
定刻より50分遅れてバスが到着。遅延時間はどんどん伸びていき結局ティミショアラには定刻の2時間遅れで到着。ブカレストに戻る寝台電車を逃す。バス停から駅に向かう際同じく駅に向かっていたルーマニア人のおばさん(めちゃめちゃアグレッシブ)に絡まれる。もう一つあったブカレスト行きの電車が満席でチケットを買えず、真夜中に電車を3回乗り継いでブカレストに向かう事になる。1つ目の駅で1時間、2つ目の駅で2時間半、夜中のホームで待つことに。
降車駅を間違える
朝6時ごろ、2回目の乗り継ぎの際に寝ぼけていて降車駅を間違える。(ルーマニアの国鉄にはアナウンスなどなく、地図アプリのGPSだけが頼りだが気が抜けていて確認せずに降りてしまった…)たまたま降りたところがかなりの田舎でタクシーの配車サービスがなく、たまたまいた駅員さん(若い人で奇跡的に英語通じた…!)にタクシーを呼んでもらう。(本当にこの人のおかげで命拾い、もし助けてもらえなかったら6km歩くしかなかった、絶望)タクシー代で想定外の出費(1300円くらいで済んだ、物価安いルーマニアでよかった)
またまた遅延
気を取り直して正しい駅に到着したが、ブカレスト行きの電車が1時間半遅れておりまた足止めを食らう。この遅延のせいで当初チケットを購入していたブカレストからヤシ行きの電車に乗れないことが確認する。チケットの検察に来たおじさん曰く、ブカレスト駅のチケットブースに言えばリファンドだかチケット変更だかしてもらえるそう(ルーマニア語聞き取れなかった)
ブカレスト到着
8時間の電車旅を終え、2時間遅れでブカレストに到着。チケットブースに行きルーマニア語でチケットを変更したい旨を伝えられるが、オンラインでやるよう跳ねつけられる。オンラインでできなかった事を伝えやり方を尋ねるが、知らないと言われる。(駅員が知らないってある?? )結局新しいチケットを購入することに。他の電車が遅延したせいで乗車できなかったくせに、リファンドはされないらしい(まじで意味わからん)9割引の学割のおかげでプラス2ユーロ程度の出費だからまだ許せるが、通常料金だと+20ユーロ払わされると考えるだけで絶望。
まあ、それでも行ってよかった
そんなこんなで幾度となくとんでもないストレスを感じた今回の旅行だったが、ここは日本ではないということ、不可抗力の事態は受け入れるしかないという事実を改めて認識し、ルーマニア留学の最終章にスパイスを添えてくれたと思う。今回の旅行で一番の思い出はハンガリーのショッピングモールのスタバにいた店員さんが外見も内面も爽やかすぎる、東欧では滅多にみないホスピタリティを持つ好青年だったこと。ドリンクを決めかねていたらなんと試飲させてくれた!