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140字小説 「ある昼下がり」

筆をサッと引いたような青空だった。私は紙を丸め、くり抜かれた筒を前のめりに覗き込む。昔、父に教えられたのだ。自分がそこにいる感じがする、鳥みたいに自由に飛ぶ想像をし、風を受けて大自然の一部として溶け込める、と――そのとき鳥が入り込み、目が合う。心なしか、父の視線を感じた気がした。

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