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140字小説 「果ての二十日」

父が帰って来た。山に出かけていた。前日に、山頂の祠の様子がおかしいと言っていた。今日はまたぎたちの間で、入山を控える忌み日だった。父もそのことは知っていた。しかし村を襲う凶暴な熊を、野放しには出来ぬと一人出立した。それを知った仲間が父を捜索した。熊の亡骸と共に、父も運ばれてきた。

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