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140字小説 「湖で滑る者」

木々に囲まれた湖に一人の女がいた。月明かりに、ぽうと浮かびながら、くるくる回っている。滑るように踊る様は、まるで女神のようだ。あるとき、その美しさに見惚れていた男。気配に気づいた女は優しく微笑み手招きした。男は我を忘れ、湖へと足を踏み入れる。その瞬間、男は真冬の湖で派手に転んだ。

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