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140字小説 「山彦」

僕の祖母の家は山にあった。祖父がいなくなっても、祖母は山を下りることなく、一人暮らしをしている。そんな祖母の日課は、早起きして山に大声で呼びかけることだった。意味を聞くと、先祖代々やって来たからだという。僕も一度だけそれに付き合ったことがあるのだが、山彦の声は僕に似ていなかった。

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