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見えないものを 信じる力

毎月5日更新の子育てにまつわるエッセイ。
来月で1年になります。今月もご覧いただきありがとうございます。

   子どもの成長の節目を記念して、家族旅行に出かけた。
   旅先の写真館で、家族写真を撮ることにした。
   夫と長男・次男は早々に衣装を決め、残るは私と娘。
   カタログを見ながら、なかなか決められない娘にアドバイスする私…

そんな夢を見ました。
今月のエッセイはこの夢から、紐解いていきます。

実は、私には、娘はいません。
5年前に、生後11日で亡くなった娘がいるだけです。
夢から目覚めた私は、
すぐに夢に出てきた女の子はあの子だとピンときました。

夢の中の娘は、ちゃんと5歳らしく成長していました。
柔らかくて長い黒髪、ピンクのTシャツにデニムのミニスカート。
ちょっと奥手なのか優柔不断なのか、遠慮がちで、
なかなか衣装を決められない控えめな女の子でした。

当たり前のように、3人きょうだいの真ん中として、
一緒に生きている時間を夢の中で過ごせて、
とても幸せな気持ちになりました。

あぁ、私ちゃんとあの子のママなんだな。
姿は見えなくても、今ここにいなくても、
一緒に旅行に行ったり、家族写真を撮ったり、
あの子を育てている、ちゃんとあの子はいてくれるんだな、と感じました。

あの子を亡くしている分、喪失を補いたいのか、
生まれ変わりを望んでいるのか
はたまた3人のママになるという昔からの目標に固執しているのか、
「もう一人産みたい、欲しい」
『でも、切迫体質だしどうしよう、30代後半だし、経済的にもきつい』
そんな葛藤でがんじがらめになっている自分が恥ずかしくなりました。

なぜなら、ちゃんと娘は今でも一緒に生きているのに、
見えない命や存在を、私が一番信じていないのではないかと、
気づいたからです。

そんなことを気づかされた夢でした。

そう、見えなくても、今ここにいなくても、
ちゃんと私はあの子のママ。
ちゃんとあの子は家族の一員。

だから、満たされない気持ちに暗くなる必要はないってこと。
私がちゃんと「あの子のママです!」と胸を張れることが何より一番大切。

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さて、
10月は、このように早く小さくお空にかえった命を想う月となります。
毎年10/19~15は、Baby Loss Awareness Weekとって、
亡くなったお子さんとその家族に想いを馳せる国際的な啓発期間となっています。
キャンドルを灯したり、シンボルカラーのピンク&ブルーの花を飾ったり、
各地でイベントも開催されたりします。

娘を亡くして、4回目のBaby Loss Awareness Weekを迎えますが、
今年は初めて、イベント(展示会)に参加しようと思いっています。

でもね、ちょっと複雑なんです。
同じ小さな命を亡くす経験であっても、
そこに至るまでの過程や想いは人それぞれだから、
共感して癒し合えることもあれば、
残念ながら、傷つけあったりすることもあります。

イベントに参加してどんな気持ちになるか未知数ですが、
今年は勇気を出そうと思っています。

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