教員の一番やりたくない仕事
教員として一番やりたくない仕事は何か。
保護者からのクレーム対応?
専門外の部活動顧問?
理不尽な生徒指導?
PTA活動?
何が思い浮かぶだろうか。
価値観は人それぞれ。
いろいろ思い浮かぶだろうが、自分の中では採用前から圧倒的1位の「絶対にやりたくない仕事」がある。
それが「教え子の葬式に出ること」。
約20年前、講師時代に踏切事故で急にクラスメイトを失った担任とそのクラスを見て、絶対に教え子の葬儀には出たくないと感じた。
しかし約10年前、担任をしていた生徒を水の事故で亡くした。その時の光景は一生忘れることはない。
そして今年、約15年前に卒業させた生徒を亡くした。縊死だった。自然死とは違った彼の姿を一生忘れることはない。
人は死ぬ。
必ず死ぬ。
自死した彼を担任していた頃、息子と共に家族全員で小児がんと闘っていた。息子の病気や小児病棟の子供たち。命に触れる日々だった。生きてさえいてくれれば。命さえ繋いでくれれば。そんな思いの日々だった。
生徒たちにも教員では知りえない、理解しえないバックグラウンドが存在する。だからせめて学校にいる間は、自分の目の届く範囲では笑顔でいられるように、これからもそういう雰囲気作りを心がけていきたい。
学力なんて学校に来ていれば身に付く。
学校が楽しければ学校に行きたくなる。
学校が辛ければ学力なんて身に付かない。
やっぱり、学校は楽しいところであるべき。
だからそのために、いじめや暴力など命に関わることは徹底的に叱らなければいけないし、時には騙されてあげることもしなければならない。
生きてさえいればどうにでもなる。
命さえあればどうにでもなる。
死んだらそこで終い。
隣に立っている人を悲しませないように。
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