「ドラゴン桜」阿部寛の存在感の迫力に生徒たちがどこまでついていかれるか?
東大合格まで今度はどう持っていくかという興味を視聴者に思わせながら、始まった久しぶりのこのドラマ。前作が2005年放送だから、16年ぶりの続編だ。まずは、阿部寛扮する桜木建二の現在、そして復活へのアプローチの初回というところか?最後は、阿部寛のワンマンショーみたいで、好調なスタートといったところだろう。
最近は、こういう暴走族シーンはなかなか描かれないので、それはそれで気持ちよかった。ただ、不良の描き方は昔から変わらないと思ったりもしたが、裏ではジャニーズの高橋海人が手引きしているというのが最後にわかったり、阿部を探し出した林遣都も、阿部を潰すのが目的だったりとか、なかなかドラマの複雑系を見せながら、次回にという流れは興味をそそる。
そして、弁護士になっている長澤まさみも阿部寛も経済的には崖っぷちにあるのも面白いところだ。危機感がある大人たちが、ダメな子供たちをビジネスのために掬い上げるという構図。色々とひん曲がってるところがこのドラマの魅力になっているということだ。世の中、全てに裏があったりする。
そして、阿部寛に対抗する学校の理事長に江口のりこ。これは、良いキャスティングだ。猛獣に向けて、怪獣をぶつけている感じ。この二人の対立構図もまた、これからの興味をそそる。しかし、最近、江口のりこが綺麗になっていくのが気になる。
ドラマが始まる前に結構言われていたが、前回に比べて生徒たちが地味な感じはする。でも、まあその辺りは、今の芸能界の状況もあるだろう。テレビの予算もあり、なかなか前みたいなキャストはできませんよね。
とはいえ、やはり平手友梨奈の存在感はすごい。メインキャストだからこそ、最初に万引きするシーンが出てきたりするのだろうが、そういう演技とバドミントン部での演技と、皆、その目だけで演技を昇華させてしまう感じがたまらない。まあ、そういう意味では使うのが難しい役者にも見えるが、数年後にどのくらい大きくなって、どういう役をやっているかはとても気になる。まずは、役者を続けてくれてありがとうと思ったりする。
いろんな角度の生徒が初回から出てくるが、もう一人のメインキャストは加藤清史郎なのか?芝居的には、一つベテラン臭があり、最初にクラス入りを宣言する役なので出番も多いのだろう。前のシリーズの頃はまだこども店長にもなっていなかったようだ。そう考えると、前のシリーズははるか昔だと実感したりする。
初回は二人の不良の阿部と長澤に対する反乱がメインだったが、阿部寛の紹介のための仕込みであり、視聴者の目を奪う感じの演出はなかなか。何回目までに生徒全員が揃うのか?という興味の部分は「七人の侍」的で面白いところ。東大に行くまでの勉強のルーティンも何が出てくるかという面白みはあるし、楽しめるだろう。
そう、16年前はスマートフォンみたいなものはなかったんですよね。そう考えると、初回の動画責めで阿部たちを葬ろうとするのは新しい高校生像ということなのでしょうか?