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2022年新作テレビドラマ放浪記

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2022年の新作テレビドラマの感想です
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2022年9月の記事一覧

「六本木クラス(第13話)」復讐の相手を飲み込んで、愛を確認し、全てが未来に向かう

全13回、勢いが落ちることなく楽しめたと言っていいだろう。土台のドラマの構成がしっかりしているということもあるが、日本の脚本家も最低レベルでこのくらいのオリジナルが書けるようになれば、日本のエンタメは世界をも相手にできるのかもしれない。 最後の香川照之の出番はあまりなかったが、まあ、引き際は華麗に演じられていた。この先、彼が役者として復活するかどうかはわからないが、一つのけじめみたいなものが、ドラマの役とシンクロしてしまうとは、なんとも皮肉である。香川のことを後に語るときに

「初恋の悪魔(第9、10話)」何が言いたかったのか?何を書きたかったのか?私の心のルービックキューブは元に戻りませんでした!

先週と今週で、伊藤英明の息子が連続殺人の真犯人だということを説明してきたわけだが、その事件が解決?してもなんかすっきりしないドラマ。だいたい、視聴者にわかるように色々説明されていない。視聴率も惨憺たるものだったらしいが、話の本筋というか、テーマが今ひとつわからないまま終わった感じはする。 まあ、最後に林遣都の夢の中?に帰ってきたもう一人の松岡茉優に対する林の初恋ということで、このタイトルだったのかもしれない。だが、その松岡の二重人格に対しても、最後にいつの間にか消え去ってし

「六本木クラス(第12話)」復讐劇とは、所詮スッキリとカタがつくものではないだろう

ラスト一回前、平手友梨奈が早乙女太一に誘拐され、それを追いかけた竹内涼真が撃たれて危篤状態。なかなかセンセーショナルに事が運ぶ。考えれば、この話の中で、トラブルメーカーは早乙女太一、一人だ。だが、彼がいなければ、竹内は大きな自分の城である、RCを作ることはなかっただろう。人生は全て必然と言われるのはそういうことだ。そして、竹内の周辺に集まった者たちも、皆同じように必然にそこに存在している。 今回は、最後の竹内が目を覚ます前に、あの世の入り口で竹内が、父親の光石研と話すシーン

「競争の番人(第11話)」無理くりの愛媛に左遷されてからの最終回とは?

やはり、先週が最終回でよかったという感じですよね。最後のスーパーの話は面白かったが、この話を最後に置くこともないだろう。シリーズx途中で、杏だけの話もあったし、このドラマ全体の構成がなぜにこうなったかが全くわからない。今年に入ってからの月9の3本「ミステリという勿れ」「元彼の遺言状」「競争の番人」と、皆、同じようなことをやっているが、これはどういうこと。そして、内容も皆、月9のイメージとは違いますよね。今期でいえば、この後にやってる「魔法のリノベ」の方が、波瑠と間宮祥太朗主演

「ガリレオ 禁断の魔術」科学を制するものは、世界を制することはない

この題材。科学で世の中を掌握できるという話。こういうのは、手塚治虫の漫画にはごまんと出てきた題材である。そういう意味ではわかりやすいが、ここに出てくる「レールガン」なるもの、説明はされているがいまいちわからない。まあ、こんなものができるなら、もう兵器として作られ使われているだろう。原作の東野圭吾氏が、どのくらいの物理学知識でこの小説を書いているが知らないが、理屈は合っていても、実際には色々不可能という話が多いような気がする。ただ、東野氏も1958年生まれだから、手塚漫画直撃世

「テッパチ!(第11話)」少し、最後は綺麗すぎる終わり方。自衛隊の存続意義は何?という答えが何か欲しかった。

最後に、白石麻衣がアメリカに行くと言って町田にキスをして去る。ここまで持ってくるのに、もう少しコイバナが欲しかった気はするし、やはり、こういうのは男からする方が格好いいだろう。自衛隊も女性上位なのか?実際に、こういう女性の上司というのがいるのでしょうかね?ならば、部隊の中にも女性がいてもいいのではないか?そんな問いが出てくるのですが、実際はどうなのでしょうか?そういう実際のドキュメントみたいなものを入れてったら本当はもっと面白かったのでしょうね。しかし、アメリカ軍への留学とい

「石子と羽男〜そんなコトで訴えます?〜(第10話)」町弁がその気になれば世の中変えられるのか?

最後は、有村架純がさだまさしの機転で司法試験を受けられることになり、中村倫也に促されながら、司法試験会場に入るところで終わる。ある意味、これは続編もありの流れには見えるが、なかなか視聴率的判断では難しいでしょうな。でも、中村と有村のコンビはちょうど息もあって来たところで勿体無い気がする。最後のカツ丼食うところでは、有村が中村の発言を恋心と勘違いしてるしね…。しかし、そうなると赤楚衛二はなんだったのか? ともかくも、先週の事件の続き。まあ、こういう詐欺をやる輩の巧妙なやり口が

「六本木クラス(第11話)」こういうバブリーな安心感のドラマをもっと作るべきですよね

料理バトルは思った通りに「二代目みやべ」が勝利!高圧な嫌がらせには屈しない力をチームとして持ったと感じさせる空気感はなかなか心地よかった。そして、それにより倍賞美津子からの100億の投資を受けられることになり、一気に株式会社RCは、アジアに経営圏を広げることにする。 そして4年後の2022年という設定。実際の世の中はこの4年で飲食業自体が一気に大変なことになったわけで、そのあたりを描いても良かったわけだが、このドラマは翻訳物であり、日本でそんなもの付け足したら実につまらぬも

「競争の番人(第10話)」談合という仲良さげな、競争阻害が社会劣化につながるということの理解

今回が最終回ではないので、小日向文世を追い詰めるのは次週かと思ったら、今回で決着してしまった。そして、坂口健太郎は愛媛に飛ばされたのに、まだ次週に続く。予告を見ると、愛媛での話らしい。もう、このドラマ、連続ドラマとしての構成の体をなしていない。やはり、最後は小日向が捕まって終わりだろう。終わらないから、今回の最後に小日向に「談合は無くならないよ」と言わせたのか?構成のメチャクチャさが、ドラマの質感をダメにしているのは確か。坂口や杏のキャラの魅力はそれなりにあったので残念である

「テッパチ!(第10話)」男は、優しいだけでは生きていけないということか…。

最終回前に、なんで合コン番組なのか?と思ったが、その着地点はあまりに悲しく虚しい状況であった。主役は町田啓太であるわけだが、バディの佐野勇斗をこんなひどい形で夢破れるようにしたのは、救いがなさすぎる感じがした。ここまでショッキングにすることで最終回で何を掴むかというふうにしたいのだと思うのだが、他に方法はなかったの?と思う人は多いと思う。 大体、町田も佐野も、北村一輝に街で拾われ、「夢」を叶えるため、人生をやり直すために自衛隊に入ったわけだ。そういう意味で、佐野を脱落させる

「初恋と悪魔(第7、8話)」松岡茉優の二面性の扱い方と伊藤英明の本性を追うことと、見ている方が混乱して面白みに繋がらない。

「愛は地球を救う」とかやってたので、一週抜けて、先週は頭の整理が大変だった。だいたい、話が分かりにくくなったところで放置されたので、こちらも話を忘れてしまった感じ。全体的にスピード感がないのと、向かってる先がよくわからないのとで、そんな感じになったと思う。私の場合、いろんなコンテンツを見すぎてそうなっているとも言えるが…。とはいえ、坂元裕二の脚本としては、かなりハズレ作品確定のような気はしてきた。 先週は、林遣都の家に住み込んでしまった松岡茉優を、仲野太賀が取り戻そうとして

「石子と羽男〜そんなコトで訴えます?〜(第9話)」家族を思う心と、家族を壊す輩と、…。

赤楚衛二の逮捕というとこから始まるわけだが、まさかのこの事件が最終章で、来週が最終回とは。なんか、1回で済む話を引き伸ばしてる感じはする。テレビドラマを最低10回でまとめるには、もう少しネタを仕込んだほうが良いのではないか?昨今のドラマを見るとそんな感じがする。特に、昨今は、倍速視聴する方も多いわけで、ドラマのスピード感というか、昔よく言われたジェットコースター的展開が必要だと思う。前から言っているように、話自体が地味なわけで、そこで、この流れの悪さはやはり気になる。新井順子

「六本木クラス(第10話)」ダイヤモンドになれば、なんでもできる!

平手友梨奈からの電話で読まれた詩を聞いて、さとうなおみが、自らTV上でカミングアウトするラスト。これで、この勝負は決まったということだろう。常に、「長屋」側の策略で一喜一憂する「二代目みやべ」。ここにきて、香川照之ではなく、昔の仲間の鈴鹿央士が、牙を向いた。しかし、鈴鹿の本当の目的がよくわからない。キャラクターとしてかなり中途半端な感じがする。ドラマを混乱させるためには面白いが…。しかし、熱海からの電話で平手が送った「詩」はなかなか強力なパワーを持っていた。石の独白の詩で、そ

「ユニコーンに乗って(第10話)」今風のナチュラルな男女関係のエンディングに好感が持てました

今期のドラマの中で、完成度は一番高い気がした。テーマ性や重厚さなどはともかく、まだドラマとしては誰も描いていなかった、IT関連のスタートアップ企業が舞台と言うこともあったし、そこをいかに仕事がしやすい環境として描くかというチャレンジもあったりしたのは興味深かった。ITをよく理解していない方でもそれなりに楽しめるようにできていたのも良し。日本でのデジタルデバイトみたいなものは、一向に縮まる感じがない中で、こういうドラマはもっともっと作っていただきたいとも思う。 お決まりの若者