メモ最強理論


早いもので4歳です。

あ、娘です。ひなたといいます。


ちょうど今の様な暖かい陽気の日々でした。

産まれて、病院まで歩く道のり、春風が木々を優しく揺らしていました。

とても暖かい日。

春の陽気と共に心も暖かく、そして、自分が親になったという事がなんだかフワフワとした気持ちになって、やけに軽やかに病院まで向かう途中、

暖かいなあ。うん。暖という字はどうだろう。

暖。あら、ひなたと読めるのか。


僕は下北沢のスズナリで根本宗子ちゃんの「忍者、女子高生(仮)」の本番中だったなあ。

この辺のところはブログに書き留めてあります。

やっぱり書き留めておく事は大事だなあと。


娘が生まれる前に細川徹さんに「子供産まれるんだったら、色々メモっとくといいですよ。」

と言ってもらって、この当時ブログを通じて様々な事を書いていました。

細川さんの言っていたことがとてもよく分かる。

本当、すぐ忘れちゃうんです。気付かないうちに忘れていってる。

子供が産まれた日から、日々が光の如く超絶に目まぐるしく過ぎて行きました。やれ黄疸が出たとか、発疹がでたとか、心配して、妻の事も心配で、退院したらしたで、おむつのやり方、沐浴やら、バタバタ、ホント次から次へと出来事がやってきます。本当に、振り返ってる暇などなく、次から次へ、出来事が降ってくる。新しい事柄が降って来るのです。

時間は過去から未来へ流れてるんではなく

「時間は未来から過去へ流れている」

という物理学の考え方をこの時全身で理解しました。


だから、新しい事を脳に入れるために、古い出来事を忘れていくのか、と。

いや。

ここで実はもう一つ凄いのが、厳密に言うと、

人はほとんどの事を忘れていない。

という事です。

脳は凄くて、

記憶をスリープ状態にしている、という事です。

実際、以前のブログを見返すと

「ボーダー着る女子ってもてないんだってー」なんて言いながらTシャツからパンツから靴下まで全部ボーダーの状態の囚人の様な写真を見せてくれたりします。

と書いてあって、それを見るとその時の事を鮮明に思い出すのです。

写真を見せてくれている時の串カツ田中のお店の様子さえ蘇って来る。雰囲気や匂いさえ、思い出すのです。

つまり、覚えている。

フォルダを圧縮して、データを軽くしてしまってあるのです。

つまりメモるという事は、フォルダを探せるという事なのです。

メモってないと、キーワードが分からなくなってフォルダがどこに行ったか分からなくなって探せないという事。無くしちゃう。

写真もそうかもですね。

メモるという事で、記憶データを軽くして保存、そうすると脳に容量の空きが出来て、新しい情報が入れられる訳です。

串カツ田中で紅生姜の串カツを食べた事は覚えてましたが、


佳代さんはそこでバナナの串カツとクッキーアンドクリームの串カツをニコニコ食べてました。

との文章を見て、思い出し、どの道全然串カツじゃないものを食べてたなあと、微笑み、なんだかじんわりするのです。


人はドラマティックな事は割と覚えてますが、その横にくっついている、「そんなにドラマティックじゃない事」は忘れていくのでしょうか。

でも、その「そんなにドラマティックじゃない事」の方が、なんか後でみるとじんわりするのは僕だけでしょうか。

ドラマティックな事は割と脚本に書けるけど、そんなにドラマティックじゃない事の方が割と脚本になかなか書けないことだから、それが凄いのがいい作品だと思ったりもします。


ガンガンメモしてガンガン圧縮スリープ状態にして、ガンガン新しい事入れていって、たまにフォルダ整理する事。面白い。



今年の誕生日前日の夜に、風船を100個膨らませました。なんかポンプみたいなやつ買っとけば良かったなあと23個目くらいで思ったのですが、まあいいかと。

56個目位で後悔しましたが、ここまで膨らませたのだから、最後まで行けるだろうと。

みなさん風船70個くらい膨らませると、頬と顎が、ドローンとなって来ます。知ってました?

膨らませようと息吹くと、なんか笑っちゃうの。

笑う気ないのにブブブ、へへへ、アハアハ、あーアー、と。

とりあえず、夜中に一人で笑い泣きしながら100個行けました。ああ、良かった。


あっという間に大きくなったなあ。

暖。

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