外から見て入りやすい店作り
仕事帰りに職場の最寄り駅ではなく一駅向こうまで歩くことにしているのですが、その際に普段は通らない商店街をあえて通ることがあります
そこはいわゆる寂れた商店街で閉まったまま朽ちてしまったお店や営業していてもサッパリ暇そうなお店が立ち並んでいます
で、その一軒に洋食屋さんっぽいお店があるのですがその前を通るといつも1人もお客さんが入っておらず、店主と思われる白い髭をはやしたオジサンがカウンターの中で腕組みしジッと虚空を見つけています
「睨みつけている」と表現してもいいような表情で仁王立ちしており、入店するのにちょっと勇気がいるような雰囲気なのですが・・
何度通りがかっても同じで平日でも土日でも店内にお客さんが居るところを見たことがありません
しかも仁王立ち以外の状態も見たことがありません・・
通りがかるたびに思うのですが、なぜ仁王立ち以外のことをしないのでしょう
フライパンを磨いたり包丁を研いだりと、やろうと思えば仕事は沢山ありそうです
そうやってなにか作業をしてくれていればまだ入りやすいですよね
もっといえば外に出て店頭のガラスを拭いていれば通りがかった人に声掛けもできますし、そうやって掃除をすることでいいお店であることをアピールできます
まあ土曜の晩に拭き掃除をしているというのもどうかと思いますが、店内で仁王立ちしているよりは遥かにマシだと思います
もし掃除をすること自体が衛生的に気になるなら、来客時にしっかり手を洗っているのを見せつければ良いんです
よく医療ドラマで手術前の外科医が肘から先を念入りに洗浄消毒していますよね
あれを導入して演出としてお客さんに見せれば安心感を与えることが出来ると同時にその後に出てくるお料理のクオリティにも期待感をもたせることができそうです
でもそんなことをせずにいつも仁王立ち・・
ここからは勝手な推測に過ぎませんが、おそらく腕に自信があって旨いものを提供しているという自負があるのでしょう
また思考が固く、来客がないのは「味がわからないお客」のせいにしているのかもしれません
そしてたぶん自営業で土地も建物も自分の所有なので家賃などのコストがかからない構造なのだと思います
一言でいってしまうと、商売が下手な甘えたオジサンです
どういう価値を提供すればお客さんが来てくれるのかをまったく理解していないんです
例えばアパレルでもスタッフが店先に立っているより店内で衣類を畳んでいる方が店内に入りやすい雰囲気になります
理美容室でも店主がイスに座って新聞を広げていると「やっぱやめようかな」という気になってしまいます
この感覚がわからない人が商売をやるのは非常に危険だと、いつも通りがかるたびに強く認識しています
ではでは
※追記※
このエントリをかいた日の帰りも前を通ってみたのですが、やはり同じ「客ゼロ仁王立ち」でした