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うつ病の鑑別診断を補助する最新の検査、光トポグラフィー検査とは??

メンタルヘルスが健康問題の日本では、うつ病は長くにわたって問診のみで診断されてきました。しかし、脳の病気であるうつ病も、実は数値で診断することができることが研究の結果により近年明らかになってきました。💡
光トポグラフィー検査は、うつ症状の鑑別診断を補助する先進的な検査方法です。この検査について、以下に詳細を示します。


1.トポグラフィー検査の概要

光トポグラフィー検査は、近赤外光(きんせきがいこう)がヘモグロビン(赤血球に含まれる赤い色素)に吸収されることを利用して血液量を測定する方法です。それで脳の機能状態を評価します。この検査は、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症などの精神疾患の鑑別診断に役立ちます。

引用元:https://www.rakunan-hosp.jp/gairai/topography.html

2.検査の特徴

  • 光トポグラフィー検査で使用する近赤外光は曇りの日の3分の1程度の弱い光を使用しており、人体には無害とされています。痛みなどもなく、検査によって体調に影響を及ぼすことはありません。☁

  • 検査時間は約15~30分程度です。⏰

  • 一般に成人が対象ですが、検査手順を理解し実施が可能であれば、クリニックによっては12歳以上や、高齢者でも受けることが可能です。🧑👧

  • 検査結果は視覚的に表示されるため、患者やその家族にとって理解しやすい形で病状を説明することができます。これにより、患者の病状への理解が促進され、治療への協力が得やすくなる可能性があります。🏥

3.検査の方法

  1. 患者は検査用の帽子型のセンサーを装着します。

  2. ディスプレイの前に座り、音声指示に従って課題(例:言語流暢性課題)を行います。

  3. 課題遂行中の脳血流量の変化が測定されます。

検査を受けている様子です

4.検査の目的

  • うつ症状の原因となる疾患(うつ病、双極性障害、統合失調症)の鑑別診断を補助します。

  • 問診による診断をより確実なものにします。📝

  • 治療効果の評価や患者との情報共有に役立ちます。👩‍⚕️

5.検査の結果と精度

光トポグラフィー検査は、6~8割の精度でうつ病・双極性障害・統合失調症・健常を判別する結果が出ていますが、精神疾患の有無や診断を証明するものではありません。例えば、うつ病の薬物治療を行ってもなかなか治療効果が出ない背景に双極性障害などが隠れている場合がありますが、光トポグラフィー検査の結果がその可能性を示唆することで、問診自体の精度も向上します。

6.保険適用で対象となる患者さん

抑うつ症状を有していて、現在うつ病として治療を行っていること
治療抵抗性であること、統合失調症・双極性障害が疑われる症状を呈していること等 により、うつ病と統合失調症または双極性障害との鑑別が必要であること

光トポグラフィー検査は、精神疾患の診断をより正確にし、適切な治療方針の決定に貢献する有用なツールです。特にうつ病や精神疾患は目に見えるような症状が出にくい疾患のため、このようなツールが普及することで多くの人の理解を得ることが重大になってくると考えます。

まとめ

  • 光トポグラフィー検査は、うつ病や他の精神疾患との鑑別が可能

  • 検査は非侵襲性と安全性が守られており、放射線被ばくもなし

  • 検査結果はグラフで示されるため視覚的な説明が可能

参考文献

https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/mentalhealth/pdf/topography_hoken.pdf




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