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自分に抱かれた日

ランニングを始めたのは45歳の時だった。
中学高校とバレーボールをして、大学は同好会で水泳、
社会に出てからも平均週一程度だがジムに通い、
30代半ばまでは180cm・72〜3kgのカラダを維持していた。

その後仕事が忙しくなったのと、結婚して食事がコンスタントになったのと、
代謝が落ちたせいか、体重が増えた。それでも75kgはキープしていた。
ところが、45歳になった春の会社の健康診断で体重は77kg、
しかも中性脂肪値の判定がBになっていた。

スラックスのウエストがキツくなり出したこともあり、
長い距離を走ろうかと思い始めた。
ちょうどその頃、通っているジムで、近くの川沿いを「向こうの橋まで走ろう」
というイベントがあり、それに参加することにした。

タバコを止めて5年が経っていて、向こうの橋までの往復8kmのコース、
それほど苦しむことなく走ることができた。
それよりも、5月の爽やかな風に吹かれ日光の下を走るのが無性に気持ち良かった。
「おつかれさまでした。なかなかいい走りでしたよ!」
コーチ役のジムのインストラクターN君がねぎらってくれた。

その後、週に何度か定期的に外を走るようになり、
1ヶ月後には10km=約1時間、走れるようになった。
3ヶ月後にはハーフマラソンの大会に出た。
10ヶ月後にフルマラソンを走ろうとトレーニングを重ね、今6ヶ月目を迎えている。

体重は75kgまで戻り、ウエストも2cmほど落ちた。
カラダが引き締まるのに比例して若さを取り戻している気がして、私はうれしかった。
ただ、半年ほど走り続けたことで膝や足の付け根等に痛みが出ている。
慢性化するとイヤだな。
あとフォームとか自己流なので、長い距離を効率的に走る方法をアドバイスして
もらえる人がいるといいな。
そんなことを考ながら日中仕事先に移動している道すがら、声をかけられた。

「K(私のこと)さん、ごぶさたしています。お元気ですか?」
ジムのインストラクターN君だった。僕が通うジムから数ヶ月前に転勤になって
しまい、会うのは久々だった。
聞けばあのジムを辞め、皇居にほど近い場所にパーソナル・トレーニン用のジムを
仲間数人で開いたのだという。

「このすぐ近くです。よければ一度、いらしてください」
ちょうど走りについて、体のケアについて、アドバイスを求めていた時だったので、
早速次の日曜日に伺うことにした。お試し価格ということで2時間、
かなりリーズナブルに指導を仰ぐことができそうだ。

当日ジムで着替え、まずはストレッチと走る前に行うと良い筋トレを教わった。
そして、皇居周りを一緒に走った。途中で腿上げや効率の良いフォームを
実際に手本を見せてもらいながら指導を受けた。有意義だった。

N君は33歳、身長180cm・体重74kgだそうだ。
つまり12年前の私とほぼ同じスペックである。
もちろん体を動かす頻度が違うので、体の美しさは数段上ではあるが…。
短髪で奥二重、目や鼻といった造作は大き目という点も共通している。
大学まで水泳を続け、その後トライアスロンをやるようになったそうだ。
走りに関する説明も、かなり論理的で、聞いていて納得できることが多かった。
「おつかれさまでした。この後シャワーを浴びていただき、
痛めている膝と脚の付け根、軽くマッサージしながらセルフ・ケアのやり方を
アドバイスいたしますよ」

シャワーを浴び着替えた。下着‥‥、二つ持って来ていた。
オーソドックなトランクスと、カットの鋭いビキニ。
ちょっと思案し、ビキニを選んだ。ビキニの上にスウェットパンツを穿いた。

その日、N君はランニング用のスパッツを穿いていた。
11月という時期のせいか、あるいは私のペースで数キロ走ったぐらいでは
汗も大してかかないのかスパッツ姿のまま、上半身だけTシャツに着替えていた。
スパッツ姿は、痩せ型の多いマラソン選手とは異なり、
トライアスリートらしい肉感を湛えていた。ただ色が黒で、その部分の膨らみが
外からあまり良く認識できなかった。

私はジムのストレッチマットの上にうつ伏せになる。
N君は私の頭から首、肩、背、腰と上から順にマッサージをする。
私が痛みを感じている箇所は、触っているとわかるらしく
腰、臀部、そして左膝後、右腸腰筋を重点的に揉みほぐしてくれた。

走り過ぎで体のバランスが崩れているらしく、体が左に傾いている。
ほぐしながら左右のバランスを整えてくれた。
走る前、走った後、先ほど教えてもらったストレッチを入念に行うよう
指示を受けた。私はごもっともとうなづいた。

ひと通りの治療と指導が終わった。
私は仰向けになっていた。右腸腰筋部分、いわゆる右足の付け根の部分を痛めていて、
そこのマッサージをして最後に足を大きく回してくれたのだ。

仰向けになる前うつ伏せ時、尻や脚を揉まれるにつれ、
私は別の意味で気持ち良くなり、仰向けになった時その部分は大きくテントを張り、
スウェットには先走りでシミができていた。
それを見てN君の目の色が変わったのを、私は見逃さなかった。

右腸腰筋のマッサージとストレッチが終わると、もう一度うつ伏せになるよう
N君に言われた。
N君は私の臀部を軽く揉み出す。先ほどまでの治癒的な動きとは異なる手の動き。
私の食い込んだビキニのラインに沿って指を動かしたり、
股の間に指を動かしてきたり‥‥。

「エッチなパンツ穿いてますね‥‥」。
ねっとりした声でN君が言う。
「ア・ア・ア‥‥」。
私は言葉が出なくなる。N君は私のスウェットをずり降ろし、
ビキニを突き破らんとばかりに勃起した私のペニスが露わになる。

私は、私の手は、N君の股間を求めた。N君のアソコもスパッツを突き上げ
大きく固くなっている。そしてスパッツの一部が濡れていることを私の指は感知する。

N君は私のペニスにむしゃぶりつく。
私はスパッツ越しにN君のアソコを強く握りしめる‥‥。

12年前の自分と、ひと回り年下の自分と、行為に及んでいるような‥‥。
不思議な感情が、私をいつも以上の興奮に導いていった。

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