20世紀の歴史と文学(1964年)
今の若い世代が、祝日にどれだけ関心があるのか分からないが、1964年の一大イベントのおかげで、私たちは、10月の3連休を楽しめている。
一大イベントとは、アジア初の東京オリンピックであった。
1964年10月10日に開会式が行われ、10月24日の閉会式までの15日間、実施された。
この10月10日を記念して、1966年から「体育の日」という祝日が制定され、今日(こんにち)では「スポーツの日」として親しまれている。
ちなみに、「スポーツの日」と改称されたのは、2020年からである。そう、東京オリンピックが開催されるこの年に限って、開会式の日が「スポーツの日」になっていた。
結果的に1年延期されたので、2021年も開会式の日が「スポーツの日」になり、2年連続で、スポーツの日が7月に設定されたのである。
ちなみに、「海の日」も「スポーツの日」の前日になるように、2020年と2021年は動かされていた。
2022年以降は、「海の日」も「スポーツの日」も元の位置に戻され、それぞれ7月の第3月曜と10月の第2月曜に設定されている。
ちなみに、「海の日」は1996年に初めて制定され、制定当初は7月20日が海の日だった。
「体育の日」も「海の日」も、当初は具体的に日付が決まっていたのだが、これが「ハッピーマンデー制度」によって、その月の第2もしくは第3月曜に動かされたのは、20世紀の最後の年である2000年(=平成12年)のことだった。
まず、体育の日と成人の日が2000年に月曜日に動かされて、海の日と敬老の日が2003年に動かされた。
それ以外の祝日は、動かされていない。(勤労感謝の日や文化の日など)
せっかくの記念すべき1964年のオリンピック開会式の日が、ハッピーマンデー制度によって、人々の記憶に残らなくなるのは残念であるが、10月の3連休はこれからも毎年あるので、そのたびに、私たち日本人が初めての東京オリンピック開催があったことを思い出せると良いだろう。
このオリンピック開催の9日前の10月1日には、東海道新幹線が東京から大阪まで開業した。
今やお盆休みや年末年始の混雑で必ずニュースになる東海道新幹線は、今年でちょうど開業60周年を迎えている。
開業60周年の記念グッズや切符の案内が特設サイトで行われているので、まだ知らない人はチェックすると良いだろう。
オリンピック開催や新幹線開通に象徴されるように、日本は、高度経済成長期の真っ只中にあった。
一般家庭にカラーテレビが普及し始めたのも、この頃からだった。