ゼロからのヴァイオリンマスター(8)
左から3つめの弦の「ラ」の音を出してみたあとで、他の弦の「ソ(低音)」「レ」「ミ(高音)」を出してみよう。
そのときに、弓の毛をそれぞれの弦に当てたときの角度は、90度である。
これは当たり前であり、90度で弾くほうが一番きれいな音が出る。
しかし、ヴァイオリンを演奏する人が、自分の抱えているヴァイオリンを見て90度になっているように見えても、実はそうではないのである。
鏡を見てみると、90度と思い込んでいることに気づくだろう。
弓の端から端まで動かすときに、少しでもその角度がぶれたり、弓が横すべりしてしまったりすると、明らかに音は変わってしまう。
また、弓を動かしながら余計な力が入ってもダメである。
この弓の動きは、ボーイングというのだが、ボーイングの練習でその気づきが得られないと、いつまでたってもきれいな音が出せない。
そして、ボーイングの練習は、根気よく続ける必要がある。
弓の持ち方、ヴァイオリンの構えは一定にして、それぞれの弦の音を出すときに、弓をどう傾けるか、どのように動かすかを考えなければならない。
大変だが、頑張って練習すればコツをつかめてくるだろう。