法の下に生きる人間〈第57日〉

今日は、昨日の続きになるが、「主務大臣は、主務省令で、当該事業者の判断の基準となるべき事項を定めるものとする。」という容器包装リサイクル法の第7条の4第1項に基づいて、次の省令が定められていた。

「小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令」(平成18年財務・厚生労働・農林水産・経済産業省令第1号)

長い省令名であるが、これが令和元年(2019年)の12月に改正されて、翌年7月1日に施行されたので、全国一律でレジ袋有料化がスタートしたのである。

コンビニやスーパーが小売業を行う際は、容器包装リサイクル法により容器包装の使用の「合理化」が義務づけられている。

先ほどの省令が改正される前は、第2条第1項において、具体的な措置の例で、①容器包装の有料化、②容器包装を利用しない場合のポイント還元、③マイバックの提供、④声がけの推進等の「いずれか」を行うことが定められていた。

令和元年の改正により、プラスチック製の買い物袋については①を必須とし、それ以外の容器包装(紙袋など)については、引き続き使用の「合理化」に向けて①から④の手段のうちいずれかの対応を行えということになった。

何が言いたいのか(この省令が目指すところは何か)というと、要は、容器包装をなるべく減らしていって、なんでもかんでも「包装する」のではなく、合理的に判断してくださいということなのである。

例えば、コロッケを売るときに、必ずしもプラスチックのパックで包装する必要があるかどうかを考えたとき、(購入した人の食べ歩きが想定される場合は)紙で包むのも問題ないよねという考え方である。

省令が改正される前は、レジ袋有料化ではなく、「マイバックを持参しましょう」という呼びかけや広告を見聞きすることが多かったはずである。

事業者側は、マイバックを持っていない買い物客がいたとき、あるいは、買った商品を入れる袋が必要と判断した場合に(例としては、百貨店などで雨の日に濡れ防止で提供するビニルの覆い袋がある)、合理的に「包装する袋」を無償で提供していた。

それが、プラスチック製の買い物袋(=レジ袋)に限っては、基本的に有料とすることで省令が改正されたので、プラスチック製の買い物袋を提供している以上、有料化以外に他の選択肢がなくなったわけである。

これを「レジ袋有料化が義務となった」と解釈する人もいるが、実は、すべてのプラスチック製のレジ袋が有料であるとは定められていない。

改正省令がどんな条件を付しているか、明日、解説していくことにしよう。




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