世界の民謡〈7〉おおブレネリ
今日も、美しいヨーロッパの農村風景が思い浮かぶような歌を紹介しよう。
舞台は19世紀のスイス、日本で言えば、江戸時代の末期から明治時代にあたる。
子どもの頃は、日本語版の次の歌詞が、なんとなくおかしくて、愉快な曲調とともに大笑いしたものである。
【1番】
おおブレネリ
あなたのおうちはどこ
わたしのおうちはスイッツァランドよ
きれいな湖水のほとりなのよ
ヤッホ ホトゥラララ(×5 繰り返し)
ヤッホ ホトゥラララ
ヤッホホ
【2番】
おおブレネリ
あなたの仕事はなに
わたしの仕事は羊飼いよ
おおかみ出るのでこわいのよ
ヤッホ ホトゥラララ(×5 繰り返し)
ヤッホ ホトゥラララ
ヤッホホ
以上である。
ちなみに、原曲の歌詞は次のとおりである。
【1番】
O Meiteli, liebs Meiteli, wo hesch au du dis Hei ?
"Es liid im liebe Schwyzerland und ist vo Holz und Stei,
Wenn's waetteret, wenn's broenneret, so schlods bi eus nid i,
Es muesst au gar e boese Sturm, es Grebelwaetter si !"
Di-ri-ril-lel-lal-lal-la ...(繰り返し省略)
【2番】
O Meiteli, liebs Meiteli, wo hesch au du dis Haerz ?
"Es ist mir heutt abhande cho, i gspuere no de Schmaerz.
Si hend pfifelet, hand truemmelet und's Schwyzerfaehndli gschwaenkt,
do ha-n-is der erste Freud im Traegtrommpeter gschaenkt."
Di-ri-ril-lel-lal-lal-la ...(繰り返し省略)
【3番】
O Meiteli, liebs Meiteli, wo hesch au di Verstand ?
"Dae ha-n-i au zum Haerzli gae, 's gohd bedes mieteinand.
Und chond er nid und will er nid, so isschs am Aend jo gliich.
Und gib i ke Soldatefrau, huerote tue-n-i gliich."
Di-ri-ril-lel-lal-lal-la ...(繰り返し省略)
以上である。
原曲のほうは、「ブレネリ」ではなく「メイテリ」だが、もともとこの歌詞はスイスの軍人が作ったといわれている。(ドイツ語に似ているが、スイスで使われるドイツ語なので、ちょっと違う)
それが、スイスからドイツ、ドイツからアメリカへと伝わって「ブレネリ」に変わったようである。
日本語版の歌詞は、原曲の歌詞に近い内容は1番だけであり、2番は、原曲の内容とは異なるが、子どもには親しみやすい。
最近では、篠崎愛が出演していたコマーシャル「サテライトオフィス」に、『おおブレネリ』のメロディーが使われていたことをご存じだろうか。
昨日はフランス、今日はスイス、明日はどこの国?