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青木ヶ原樹海を歩く|秋に感じる自然の癒しと神秘

「青木ヶ原樹海に行こうよ」
写友から誘われた時には、青木ヶ原樹海にはネガティヴなイメージしかありませんでした。
正直な感想は、
「なんでまたそんなところに行きたいわけ?」

しかも友人2人は霊感が強い人たち。
「ベンチにお婆さんが座ってる」
とか言い出すんですよ。
怖いじゃないですか。

私は金縛りにあったこともないし、霊感ゼロ。
スピリチュアル系に興味を惹かれても、ちょっとだけ、なんとなく…の「ちょいスピ、なんスピ」派。

でも考えてみたら、鈍感な私が怖がっていて、「見える、感じる」友人がどうしても行ってみたいというのだから、よほど何か惹かれるものが「ある」のだろうな…と思い直し、お誘いにのって行ってみることにしました。

ガイドをお願いしたのは地元の富士山の写真といえばこの方…というほど素晴らしい写真を撮られていて、富士山周辺を知り尽くしている富士山のプロ、とでもいうべきマモさん。マモさんは様々な資格や、色々なところへ立ち入りできる許可もお持ちです。
実際に行ってみて、やはりガイドをしていただくとイメージはこんなにも変わるのだなぁと感じたので、今回は青木ヶ原樹海についてご紹介しようと思います。



1. :青木ヶ原樹海とは

青木ヶ原樹海は、富士山の麓、標高1,000m付近に広がる広大な森林で、数々の溶岩洞窟や、多様な動植物と出会うことができる日本でも指折りの神秘的な場所として知られています。約1200年前の富士山噴火によってできたこの場所は、火山岩の上に育つ独特の植生や、静けさが特徴です。「樹海」という言葉から、迷いやすい、深い森というイメージが強いですが、その通り、入り組んだ木々と静寂に包まれた空間が広がっています。
ただ、樹海の中ではコンパスが効かないという都市伝説みたいなものがありますが、アレは間違いだとマモさんに教わりました。
しかし全くの嘘というわけではなく、正確には、「コンパスが効かなくなる石がある」です。
実際にコンパスで説明してもらいました。
犯人は、溶岩。
青木ヶ原樹海は噴火で噴出した溶岩の上にあります。その中には噴火の際に発生する雷に打たれた石も落ちています。溶岩は、不規則な形をした永久磁石とも言え、溶岩の周囲に複雑な磁場が作られています。
と言っても地表近く、石にコンパスを近づけないとそうはなりませんでした。地磁気に比べて無視できるほどの弱さであれば、コンパスは正しく働きます。むしろどの石がそうかご存知のマモさんでなければ「実演?」できないほどでした。
そして、もう一点の「迷いやすい」という点も大丈夫。
ちゃんと道があります。ここを通っている分には問題ありません。

2. :秋の樹海の風景
青木ヶ原樹海は先述の通り溶岩の上にあります。下が硬い溶岩に阻まれて木々は根を深く張ることができません。そのため写真のように、地表に根がうねうねと伸びる独特の景観をしています。苔に覆われた岩や木々の幹が、しっとりとした緑色のベースとなり、その中に赤や黄色の紅葉が鮮やかに映えます。朝晩の冷え込みで霧が立ち込めることもあり、日が差し込むと木々の間から光が差し込み、まるで自然のアート作品のような景色が広がるそうです。私が行ったときは、途中から降ってきた雨でしっとりと色づいた幻想的な雰囲気でした。


3. 散策ルートと注意点

青木ヶ原樹海には、遊歩道や初心者向けの散策ルートがあります。先述の通り、ここを歩いている分には安全です。ただ、遊歩道以外のエリアは溶岩でできた穴(の上に落ち葉が乗っていたりして)足を取られたりする危険もあります。また、樹海は入り組んでおり、ルートから外れると迷いやすいため、ガイドをお願いすることをお勧めします。服装は、歩きやすいもの、洞穴に入る場合は、ヘッドランプとヘルメットも必須です。(私は注意していたにもかかわらず、頭を3回ぶつけました)気温も朝晩は冷え込むので、秋の寒さに対応できる服装や、急な天候の変化に備えたレインコートも準備しておくと安心です。歩きやすいように両手は開けておきたいので、傘はお勧めできません。荷物はリュックにまとめると良いでしょう。

4. 神秘的なスポット紹介

青木ヶ原樹海には、自然の力が作り出した不思議なスポットが点在しています。例えば、富岳風穴。溶岩流でできた自然洞穴です。地下にできた洞窟の中に氷が残り、夏でも涼しい場所として有名です。樹海の中には他にも小さな洞穴が存在しています。小さな洞穴をのぞいてみました。もう少し寒くなると氷筍が育つそうです。


洞穴の中には丸い岩もあります。

どうやってこの洞穴に入ったのだろう…とラムネの瓶のビー玉を思い出しました。溶岩が冷えて固まる時にできる不思議な自然のアートです。


また、樹海の中には大きな苔の群生地や、倒木に新たな命が宿る様子が見られる場所もあります。自然の息吹を感じられるこれらのスポットは、訪れる人々に癒しと感動を与えてくれるでしょう。



5. 秋の自然観察



秋の青木ヶ原樹海では、さまざまな植物や動物たちが季節の移ろいを見せてくれます。木々の紅葉はもちろん、地面にはキノコが顔を出し、岩や倒木に生えるシダも目を楽しませてくれます。また、小鳥の声も樹上から聞こえてきます。
植物や小さな生き物たちが見せる、季節ごとの変化を楽しむことも、樹海散策の醍醐味です。

そして、気になる怖いもの2点はどうだったかというと…。
まずは、青木ヶ原樹海には死体がいっぱいある、という都市伝説。
そこら中に死体があるかのような表現ですが、行ってみたらそんなことはありませんでした。
確かに、自殺の名所のように言われている場所でもありますが、広大な青ヶ原樹海で亡くなっている方に出会う可能性は低そうです。同行した霊感の強い友人たちも、散策している間ずっと幻想的な美しい光景と、小さな命の息吹に気をとられていて、
「何かいる」的な怖い発言は全くありませんでした。

そして、もう一点。クマがいるのでは…と聞いてみました。富士山周辺の森にはクマがいるそうです。ですが、青木ヶ原樹海の植生だと餌になる植物が乏しいため、見かけないそうです。他の、ドングリなど食べ物になるものが豊富なエリアにいるのではないか、とのことでした。確かに、地面はふわふわしたコケとキノコに覆われていましたが、ドングリや実がなる木を見かけませんでした。


6. 心のリフレッシュと樹海の癒し効果

このように、一度倒れてもまた、起き上がっている木や、根を充分に張れないためにお互いに支え合って立っている木をみると、頑張れ、とエールをもらっているような気持ちになります。
隣の木と支え合っているうちにくっついてしまった木もあります。


樹海の静けさに包まれると、日常の喧騒を忘れ、心がリフレッシュされるのを感じるでしょう。自然と向き合いながら、秋の澄んだ空気を吸い込む時間は、心身の癒しに繋がります。特に青木ヶ原樹海は、その静寂と神秘的な雰囲気が訪れる者の心を落ち着かせ、元気を取り戻させてくれます。


8. 終わりに:青木ヶ原樹海で秋を楽しむ

今回の青木ヶ原樹海の秋の散策を通じて、自然の力強さと美しさ、そしてその中に宿る神秘を改めて感じることができました。季節が移り変わる中で見せる姿の美しさは格別です。森林浴の効果もあり、マイナスイオンが豊富な環境でリラックスできます。怖い場所なのでは?という先入観は良い意味で裏切られました。
多様な野鳥や、植物が全力で生きているパワーをもらって、元気になって戻ってきたと感じます。

あなたもガイドさんにお願いして、植物たちのパワーをもらいに散策してみませんか?





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