「人生で本当に大切な“たった一つの数字”を見つける方法|数字を味方につける生き方」
【第1章:はじめに— 数字に囚われる私たちの日常】
「あなたが、いま気にしている「数字」は何ですか?」
パッと思い浮かぶのは、きっと「体重」「年齢」「収入」あたりではないでしょうか。これらの数字は日常の中で、意識せざるを得ないものです。お風呂上がりに体重計に乗ったときのあの微妙な気持ち。年齢を聞かれたときの一瞬の間。お金の話が出たときの沈黙。これらの瞬間に「数字」は、私たちの気分や行動に大きな影響を与えています。
でも、ちょっと視点を変えてみましょう。あなたは自分の「頭のサイズ」や「お尻のサイズ」を知っていますか?
たぶん、多くの人は知らないはずです。ウエストや足のサイズはすぐに言えるのに、頭やお尻のサイズなんて考えたこともない人がほとんどでしょう。これって不思議じゃないですか?
見える数字は気にするけど、見えない数字は気にしない。
「気にする数字」と「気にしない数字」の違いは、『見えるか見えないか』にあります。
例えば、ウエストはジーンズのサイズに直結しますし、足のサイズは靴を買うときに毎回確認します。「見える形」で影響を受けるから気にするのです。
一方、頭のサイズやお尻のサイズは、日常生活の中で「サイズを測る機会」がありません。帽子を買うときに頭のサイズを測る人もいますが、ほとんどの人は「Mサイズでいけるかな」くらいの感覚でしょう。お尻のサイズに至っては、服を試着するときにフィット感を確かめる程度。「見えない数字」は、そもそも関心を持たれないのです。
(余談ですが、昨年きちんと頭のサイズを測って帽子をカスタムオーダーしました。オススメです。フィット感が全然違います。)
〜見える数字に振り回される私たちの行動〜
ここで、もう少し踏み込んでみましょう。
• 「ウエストが何センチか」は気にするけど、「血圧が何mmHgか」は気にしない
• 「体重は毎朝チェックするけど、「コレステロール値」は気にしたことがない
• 「給料の数字には敏感だけど、「将来の年金受給額」は見たくない
これらの例は、「気にしてもすぐには変えられない数字」や「見たくない現実の数字」を意識的に避けている証拠かもしれません。特に「健康診断の数字」は、そんな「見えない数字」の代表格です。
健康診断の用紙を渡されたとき、どう感じますか?
「うわ、いっぱい項目があるな……」
「基準値オーバーしてる?これ、やばいのかな?」
「よくわからない数字の羅列」を前にして、人は不安になります。自分の体なのに、どうしてこんなにも他人事のように感じてしまうのでしょうか?
数字に「気にする価値」があるかどうかは、知識次第
ここまで見てきた通り、私たちは「気にする数字」と「気にしない数字」を、なんとなく無意識に選んでいます。
• ウエストのサイズは服を買うときに必要だから気にする。
• 頭のサイズは測らなくても帽子がかぶれるから気にしない。
• 体重はアプリで毎日記録するけど、γ-GTPが何なのかはわからないから無視する。
ここで気づいてほしいのは、「気にするべき数字は、見た目のための数字だけじゃない」ということです。
このあと、第2章では、見える数字と見えない数字の境界線をさらに掘り下げていきます。そして、第3章からは、健康診断の「謎の数字」に直面する話が始まります。あなたの生活にも関係のある話かもしれません。
さあ、あなたはどんな数字を気にしていますか?
【第2章:身体の『気にする数字』と『気にしない数字』】
ウエスト、足のサイズはすぐ言えるけど、頭とお尻は?
「ウエスト何センチ?」と聞かれたら、だいたいの数字を言える人が多いでしょう。ジーンズやスカートのサイズは、自分のウエストサイズと直結しているからです。足のサイズも同様です。靴を買うときに必ず確認しますから、普段から意識しやすい数字の一つです。
では、「頭のサイズは?」と聞かれたら、即答できますか?「お腹のサイズは?」「お尻のサイズは?」と聞かれたら、どうでしょうか?
(お腹とお尻を一緒だと思ったあなた!よく考えてください。年齢的にも変化して違ってきますよね?お腹とお尻、どちらがよりでっぱっていますか?)
おそらく、多くの人が「え?測ったことないからわからない」と答えるはずです。理由は簡単です。「測る機会がない」からです。帽子を買うときでさえ、ほとんどの人は「Lサイズなら大丈夫だろう」と感覚で選びます。お尻に至っては、パンツを履いたときのフィット感で「きついか、ゆるいか」ぐらいしか判断していません。股上の深い、浅いを気にするのは、このお腹、お尻問題が直結しているにも関わらず、です。
私は20年以上衣料品のバイヤーをしていますが、ボディを気にするガードルですら、この理由からウエストサイズ表記です。ウエストが同じでもお尻やお腹のサイズは十人十色なはずなのに…。
「気にする数字」は、他人の目がある数字
ここで気づくのは、「気にする数字は、他人の目にさらされる数字」だということです。
• ウエスト:見た目に影響する(太った・痩せたがすぐわかる)
• 足のサイズ:靴の購入に必要(靴が合わなければすぐにわかる)
• 頭のサイズ:帽子が多少きつくても被れるし、そもそも頭の大きさは他人が気にしない
• お尻のサイズ:パンツのフィット感は自分で感じるものの、サイズそのものを気にすることは少ない
ここで浮かび上がるのは、「人は他人の視線を気にして、数字を気にする」という事実です。見た目や他人からの評価に関わる数字(体重、ウエスト、足のサイズ)は気にするけれど、他人から見えない数字(頭囲、お尻、内臓脂肪、血圧)はあまり気にしません。
「見えるから気にする」「見えないから気にしない」
これは、服のサイズだけではなく、健康診断の数字にも言える話です。
健康診断の「見えない数字」の存在
次に、健康診断の話に触れていきます。健康診断で気になる数字といえば……「体重」でしょうか?健康診断の時期が近づいてくると、にわかダイエットをはじめる方いらっしゃいますよね。
体重は健康診断の一部項目にすぎませんが、つい気にしてしまいます。なぜなら、体重は「見える数字」だからです。日常生活でも測れるし、体重が増えれば服がきつくなるので、感覚的にも気づきやすいからです。
でも、健康診断の用紙をよく見てみてください。
• AST、ALT、γ-GTP
• LDLコレステロール、HDLコレステロール
• クレアチニン、eGFR
こんな項目、普段は目にしないですよね。この「見えない数字」が重要だと気づいている人は少ないのが現実です。
見えない数字は、気にするきっかけがない
「γ-GTPって、何の数字?」と問われても、すぐに答えられる人は少ないはずです。これが「ウエスト何センチ?」なら即答できる人がほとんどでしょう。
「健康診断で引っ掛かっちゃったよ」と言った私は、友人に「ALTどれくらいだった?」と聞かれて「え?何それ?」と答えられませんでした。彼はその項目が引っかかっているので、その項目の数値だけは気にしていたのですが、私はノーマークだったからです。
見えない数字は、気にするきっかけがないから、関心を持たれにくいのです。
• ウエストのサイズは、「ズボンが入らない」というきっかけがある。
• 体重は、「アプリに登録する」というきっかけがある。
• でも、「γ-GTPが高い」というのは、自分では気づけないし、何の影響があるのかもわからない。
見えない数字は、放っておかれる運命にあります。特に、健康診断の結果をもらっただけで終わる人が多いのは、これが原因です。「問題なさそうだな」と自己判断してスルーしてしまう。あるいは「基準値を少し超えているけど、まぁ大丈夫だろう」と見て見ぬふりをしてしまいます。
〜「気にする数字」を変えた人の話〜
ここで、私のエピソードを一つお話ししましょう。
あるとき、健康診断の結果を渡された私は、最初は「体重は大丈夫だな」とホッとしました。でも、よく見ると、「LDL-Cが基準値を超えている」という記載がありました。最初は「これ、何だっけ?」とスルーしかけましたが、ふと「放っておいていいのかな?」と不安がよぎりました。血圧もいつの間にか高くなっていました。
それまでの私は、ウエストや体重の数字は気にしていましたが、「見えない数字」は気にしたことがありませんでした。でも、今回はちょっと違いました。「これは気にしたほうがいいかも…」と思い、ヘルスコーチに相談することにしました。
相談したヘルスコーチは、以前このnoteでもご紹介した薬剤師のぴよさんです。
→
この話は、次の第3章で詳しくお伝えしますが、「気にするきっかけ」があれば、人は「見えない数字」にも関心を持つのだと気づきました。
この章のまとめ
• 見える数字(ウエスト、足のサイズ)は気にするが、見えない数字(頭のサイズ、お尻のサイズ)は気にしない
• 健康診断の“見えない数字”も同様で、わからない数字はスルーされがち
• 他人の視線が影響する数字は気にするが、自分しか見ない数字は放置しがち
【第3章:健康診断の“謎の数字”に立ち向かう】
〜健康診断の結果を前に立ち尽くす〜
健康診断の結果が手元に届いたとき、私は真っ先に「体重」の欄を見ました。減っているか増えているか、そこが一番気になるところだからです。
「お、1kg減ってる!」
思わずガッツポーズが出そうになりました。数字が減るのは、ダイエット的には嬉しいこと。『わかりやすい数字』は、それだけで気分を上げてくれます。
でも、次に目を向けたのは、「AST」「ALT」「γ-GTP」といった、普段は気にしていない項目です。目が滑るように通り過ぎて、ふと立ち止まる。「これ、大丈夫なのかな?」
「LDLコレステロールが153」「Gluが112 」といった数字が並んでいますが、意味がよくわからない。基準値と比べて「↑」がついているものがあれば、ちょっと不安がよぎる。「でも、これってどのくらいヤバいんだろう?」と思いながらも、何となくスルーしてしまいそうになります。
でも今回は違いました。血圧が高くなった原因を探るためにも、この「見えない数字」たちを、もう少し気にしてみようと考えたのです。
「見えない数字」の正体を知りたい!
これまでは健康診断の結果をもらっても、「まぁ大丈夫だろう」で片付けていました。(保健指導の部屋に引っ張っていかれたこともあるにもかかわらず、です)でも今回は、薬剤師のぴよさんに相談してみることにしました。
ぴよさんは、薬剤師でありながら、ヘルスコーチとしても活動している方です。普段は健康や食事のアドバイスをしてくれて、なんとなく「気になるけどスルーしがちな健康の数字」を一緒に解きほぐしてくれます。
〜ぴよさんのアドバイスが的確すぎて驚く〜
ぴよさんに、私には意味不明な言葉が羅列されている血液検査の結果を写メで送ると、すぐに返事がありました。
「Bunbunさん、こんにちは!お写真ありがとうございます!✨
体重が1キロ減ったところ、素晴らしいです❣️
引き続き、お食事を楽しんでいきましょう。」
まず、冒頭の「1kg減ったの素晴らしい!」という一言が、何とも嬉しい。
健康診断の結果で「良いところを褒めてもらう」なんて、これまで経験がなかったからです。
でも、本番はここからでした。
「検査値を見させていただいた結果、
全体的にタンパク質・ビタミンB群の値は改善してきてますが…」
「改善している」と言われると、「お、がんばった成果が出てるのかな?」と前向きな気持ちになります。ですが、すぐに具体的なアドバイスが続きます。
• LDLコレステロール:2ポイント減少
→ これは良い方向の変化。「おっ、いい感じじゃん!」とひと安心。
• 血糖:9ポイント増加
→ ここで少し不安に。「増えてるのか…」と心の中で少し引っかかる感じがしました。ぴよさんのアドバイスにも「心配な量ではないですが、食べすぎには注意」との言葉があり、ああ、“食べすぎ”か…と思い当たる節がいくつか浮かびます。
• Hb(赤血球):わ0.3ポイント減少
→ これについてのアドバイスは「鉄分がもう少し欲しい」とのこと。「鉄分か…レバーとかほうれん草とか?」とすぐにイメージできる具体的なアドバイスです。
• クレアチニン:0.7ポイント減少
→ ぴよさんのコメントは「もっと運動量が欲しい」でした。筋肉量が減っているとクレアチニンが低下するそうです。「ああ、運動不足がバレている…」と心の中で反省。
• 尿酸:0.5ポイント減少
→ ここでも「野菜が欲しい」というアドバイスが登場。「野菜、足りてないのか…」と気づかされました。
ぴよさんのアドバイスは、シンプルで具体的でした。数値をただ「良い・悪い」と評価するのではなく、「どうすれば良くなるか」を一緒に考えてくれます。
〜「見えない数字」の意味がわかると、意識が変わる〜
これまでは、ASTもALTもγ-GTPも、「知らない数字は怖くない」の精神で無視していました。何がどう悪いのかがわからないから、不安を感じることすらありませんでした。
でも、ぴよさんのアドバイスを受けた今、「これはこうすれば良くなるんだ」とわかった瞬間に、数字が他人事ではなくなったのです。
• 「クレアチニンは筋肉量の指標」だと知れば、「運動しなきゃな」と思える。
• 「Hbは鉄分の指標」だと知れば、「ほうれん草の一品を増やそう」と行動できる。
これまで「ただの数字」だったものが、「行動のヒント」に変わるのは、かなり大きな変化でした。
まとめ:数字は「行動を変えるためのヒント」
健康診断の結果は、単なる「数字の羅列」だと思っていましたが、その数字の意味を理解することで、生活が変わると気づきました。
• LDLコレステロールは、食事の改善を褒めてもらえる「成果」の数字
• Hbは、鉄分の不足を教えてくれる「行動のヒント」の数字
• クレアチニンは、運動不足を映し出す「習慣のサイン」の数字
数字は、行動を変えるための「メッセージ」だったのです。
ここまで、「見える数字」と「見えない数字」の違いを考えてきました。見える数字はすぐに気にするけれど、見えない数字は見て見ぬふりをしがちです。ですが、見えない数字こそ、私たちの生活を変えるヒントが隠れています。
次の第4章では、「数字に振り回されない生き方」についてお話しします。体重や年齢といった「わかりやすい数字」に翻弄されすぎずに、自分にとって本当に大事な数字に目を向ける方法を考えていきます。
【第4章:数字に振り回されずに、自分のペースで進む方法】
〜数字に振り回される毎日〜
「今日は何キロだった?」
「年齢が〇〇歳になったら、もうこれを始めるのは遅い?」
「貯金はこれで足りるのか?」
日常生活の中で、私たちは常に『「数字」に追い立てられているような感覚』を抱いています。
• 体重が1kg増えただけで落ち込む。
• 年齢の区切りを意識して「30歳までに〇〇をしなきゃ」と焦る。
• 銀行の残高を見て、「もっと貯金しなきゃ」と不安になる。
・職場では「必達予算」などという数値がある。
気づけば、「数字の奴隷」になっていませんか?
もちろん、数字は便利なツールです。何かを判断するときの目安になるからです。
でも、数字は「目安であって、ゴールではない」はずです。
〜数字を気にしすぎると、心が疲れる理由〜
なぜ、数字に振り回されると疲れてしまうのでしょうか?
それは、「数字は常に変動するもの」だからです。
例えば、「体重が1kg減った!」と喜んでも、次の日に0.5kg増えていれば、がっかりしてしまいます。数字はちょっとした変化で簡単に動いてしまうのです。
「動くもの」を追いかけ続けるのは、終わりがない作業です。
• 体重は、食べるたびに変動する。
• 預金残高は、支払いのたびに変動する。
• 年齢は、毎年必ず1歳ずつ増える(これは変動というより、確実に増えるもの)。
つまり、変動する数字に一喜一憂してしまうと、常にストレスを感じることになるのです。
見える数字と見えない数字のバランスを取る
ここで、第2章や第3章で取り上げた『「見える数字」と「見えない数字」』の話に戻りましょう。
• 見える数字:体重、年齢、ウエスト、残高(日常的に気にする数字)
• 見えない数字:クレアチニン、LDLコレステロール、Hb(健康診断の結果など、日常では気にしない数字)
面白いのは、「見える数字ばかりを気にしている人ほど、疲れやすい」という点です。
• 体重が増えた→落ち込む
• 年齢が増えた→焦る
• 貯金が減った→不安になる
でも、見えない数字(血液検査の数値や内臓の状態)は、気づく機会が少ないため、「知らないから不安にもならない」という状態に陥りがちです。
「自分にとって大切な数字」は何か?
ここで、考えてみてください。
あなたにとって、今、最も大切な数字は何でしょうか?
• 体重?
• 貯金額?
• フォロワー数?
それも大事かもしれませんが、本当に大事な数字は「自分の健康」と関わる数字ではないでしょうか?
例えば、薬剤師のぴよさんからのアドバイスを受けたとき、私はこう感じました。
「クレアチニンの数値が下がったのは、運動不足が原因らしい」
体重は気にしていたけど、クレアチニンなんて気にしたことがなかったのです。でも、これがきっかけで、「筋肉が減っているのかも?」と気づきました。
体重が増えたか減ったかを気にするよりも、「健康な筋肉が維持できているかどうか」のほうが、将来的にはずっと大事なことだと思いませんか?
健康状態は人それぞれです。自分の数値を相談して具体的なアドバイスをもらえるというのは、体質改善にはとても有効だと思います。
〜振り回されずに「向き合う数字」の選び方〜
ここで、「振り回される数字」と「向き合うべき数字」を見極める方法を考えてみましょう。
1. 短期的に変動する数字に振り回されない
• 体重、体脂肪率、貯金残高、SNSのフォロワー数など、すぐに変動する数字は短期的なストレスのもとになります。
• 1日の体重変化は、水分量の増減や便通の影響でも変わります。これを気にしすぎても意味がありません。
2. 長期的な目標がある数字を意識する
• 体重ではなく「健康な筋肉量を維持する」を目標にする。
• 貯金額ではなく、「毎月〇〇円を積み立てる」を目標にする。
• SNSのフォロワー数ではなく、「自分の投稿を見た人の反応を増やす」を目標にする。
「変えられる行動」に注目することが、数字に振り回されないポイントです。
〜実践的な「数字の向き合い方」3つのステップ〜
ステップ1:追いかける数字を1つに絞る
一度に複数の数字を追いかけるのは、精神的な負担が大きいです。1つだけ「これを意識しよう」と決めましょう。
例えば、「運動をしてクレアチニンの数値を安定させる」と決めたら、体重や体脂肪率は一旦忘れます。
ステップ2:数値の変動を記録せず、行動の変化を記録する
数字そのものを記録するのではなく、「今日の行動」を記録していきます。
例えば、「10分のウォーキングをした」などの行動ログを記録します。行動が増えれば、結果は後からついてきます。
ステップ3:数値の変動を「ゲーム感覚」で楽しむ
たまに見る数字は、ゲームのスコアのように楽しむのがコツです。
例えば、健康診断のクレアチニンの数値が0.7ポイント減ったと言われたとき、「次の診断でどう変わるか?」を楽しみにするような心持ちです。
まとめ:数字は「目安」であって「ゴール」ではない
• 数字に振り回されるのではなく、行動の変化にフォーカスする。
• 変動しやすい数字(体重、貯金残高、フォロワー数)は、「見ない日」を作る。
• 数字の「裏にある意味」を考えると、ストレスが軽減される。
数字はあなたを縛るものではなく、行動のヒントを与えてくれる道しるべです。
この章では、「数字に振り回されない方法」を考えてきました。
次の第5章では、「数字の裏にある幸せのヒント」に迫ります。
• 健康診断の数字の裏にある「行動のヒント」とは?
• 人生の幸せに繋がる「大切な数字」の見つけ方とは?数字に支配されるのではなく、数字を「使いこなす」生き方を考えていきます。
【第5章:数字の裏にある「幸せのヒント」を見つける】
〜数字が示す「結果」の先にあるもの〜
「数字は結果にすぎない。」
これはよく耳にする言葉です。体重も、貯金残高も、SNSのフォロワー数も、売り上げ予算の達成も、すべては「これまでの行動の結果」が数字として現れただけ。
例えば、健康診断の結果もそうです。
「LDLコレステロールが減った」「Hbが下がった」「クレアチニンが減少した」という数字は、自分の生活の「行動の跡」が可視化されたものです。
でも、ここで気をつけたいのは、「数字を追いかけるだけでは、幸せになれない」ということです。
数字を目標にすると、かえって疲れる理由
例えば、こんな目標を立てたとしましょう。
• 体重を3kg減らす!
• 貯金を100万円貯める!
• フォロワーを1000人増やす!
このような「数字をゴールにする目標」は、いかにも達成感がありそうに見えますが、実際には「数字が達成できなかったときの喪失感」がつきまといます。
• 体重が減らなかった → 自分を責める
• 貯金が思うように増えなかった → 失敗した気持ちになる
• フォロワーが増えなかった → 自分の価値が低いように感じる
でも、本当に目指すべきは「数字そのもの」でしょうか?
数字の裏にある「本当のゴール」を見つける
ここで、さきほどの目標を見直してみます。
• 体重を3kg減らす
→ 「健康的な体を手に入れたい」というゴールの一部に過ぎない
• 貯金を100万円貯める
→ 「将来の安心感が欲しい」「好きなことに挑戦するための資金が欲しい」という本当のゴールが隠れている
• フォロワーを1000人増やす
→ 「自分の発信を多くの人に届けたい」「共感してくれる仲間が欲しい」という気持ちが本質かもしれない
数字は「手段」であって「目的」ではないのです。
本当の目的は「健康的な体を手に入れること」や「安心感を得ること」、「共感し合える仲間を見つけること」だったのではないでしょうか?
ぴよさんのアドバイスの中に隠された「幸せのヒント」
私が、健康診断の結果について薬剤師のぴよさんに相談したとき、彼女からもらったアドバイスは、ただの数字の解説ではありませんでした。
• 体重が1kg減った → 「お食事を楽しんでいきましょう」
• クレアチニンが減少 → 「もっと運動量が欲しい」
• Hbが低下 → 「もうちょっと鉄分が欲しい」
ぴよさんのアドバイスは、「具体的な行動の提案」が含まれていました。
「運動しなきゃ」とか「野菜を食べなきゃ」といった抽象的なアドバイスではなく、「お食事を楽しみながら」という、『心の幸せも大切にしたアプローチ』が含まれていたのです。
健康診断の数値は、単なる結果です。
でも、その数字が伝えているのは、「これから何を大切にするか」というメッセージではないでしょうか。
「行動のヒント」を見つけるための3つの質問
数字の裏に隠れている本当のゴールを見つけるには、次の3つの質問が役立ちます。
1. その数字を達成したら、どんな気持ちになりたい?
• 3kg痩せたら、「体が軽くなった気持ち」が欲しいのか、「見た目が変わる満足感」が欲しいのか?
• 100万円貯金したら、「安心感が欲しい」のか、「何かに挑戦したい」のか?
2. その数字が「失敗」しても、何が手に残る?
• 体重が目標に届かなくても、毎日運動を続ける習慣が手に残るかもしれません。
• 100万円貯まらなくても、お金の管理のスキルが手に入るかもしれません。
• フォロワーが増えなくても、自分の発信力や発信の習慣が手に入るかもしれません。
3. その数字の裏に、どんな価値観が隠れている?
• 「体重を減らしたい」と言う人の裏には、「自分を好きになりたい」という気持ちがあるかもしれません。
• 「お金を貯めたい」と言う人の裏には、「未来への安心感が欲しい」という気持ちがあるかもしれません。
自分の「幸せの数字」を見つける方法
これからは、「大切な数字」を自分の中で定義することが必要です。
例えば、私は「クレアチニン」の数値が少し下がったというぴよさんのアドバイスを受けて、「運動する時間を週に2回作ろう」と決めました。そして、代謝アップも考えてホットヨガに通うことにしました。
これまでの私なら、「体重を減らすために毎日運動しなきゃ」と考えていたかもしれませんが、「健康な筋肉を維持するための無理のない範囲での運動」という視点に変わったのです。
この考え方の変化は、「数字をゴールにする生き方」から「行動をゴールにする生き方」への変化とも言えます。
まとめ:数字の裏にある「幸せのヒント」を見つけよう
• 数字は、行動のヒントとして使うのがベスト。
• 数字そのものではなく、その数字の裏に隠れている「本当のゴール」に気づくことが大切。
• 健康診断の結果も、「これからの行動を考えるためのヒント」として受け取ると、前向きになれる。
これからは、「フォロワー数が何人増えたか?」ではなく「どういう人に届いたか?」を考える。
「体重が何キロ減ったか?」ではなく「どんな生活の変化があったか?」を大切にする。
数字の奴隷になるのではなく、数字を「道しるべ」にする生き方を目指していきましょう。
ここまで、数字の裏にある「幸せのヒント」を考えてきました。次の第6章では、「数字を見える化する方法」を紹介します。
• フォロワーの増減をどう「見える化」する?
• 健康診断の変化を「見える化」すると、どう変わる?
• 仕事の成果を「見える化」するためのツールとは?
【第6章:数字を「見える化」する方法と、その効果】
「見える化」ってどういうこと?
私たちは、目に見えるものには反応しやすく、目に見えないものはつい放置してしまいます。
健康診断の「AST」「ALT」といった数値がその典型です。見えない内臓の状態が、「見えない数字」として健康診断の紙に記載されていますが、見慣れないアルファベットの羅列を見ただけでは、「なんか悪いのかな…?」と不安を感じるだけで、次の行動に移せません。
では、どうすれば行動に結びつけられるのでしょうか?
その答えが「見える化」です。
見える化とは、目に見えないものを「見える形」にすること。
例えば、体重計に乗ると、自分の体重が「数字」として目に見えるから、すぐに理解できますよね。
では、内臓の健康はどう見える化する?
お金の管理はどう見える化する?
「見えないもの」を「見えるもの」に変える工夫をするだけで、数字への向き合い方が一気に変わります。
見える化の3つのメリット
1. 目標がはっきりする
• 健康診断の「クレアチニン」の数値を見て、「運動が必要だ」と気づけるのは、まさに見える化の効果です。
• フォロワー数の推移をグラフ化することで、「この時期はフォロワーが増えたな」と傾向がわかります。
2. 行動の変化を実感できる
• ダイエットアプリに体重を毎日入力するのも、見える化の一種。変化が見えるから、続けようという気持ちが生まれます。
• 貯金アプリの「貯金残高が増えるアニメーション」も、モチベーションを高める仕組みの一つです。
3. 成果を可視化して「やりがい」が生まれる
• 運動の記録をつけていると、「1週間で〇〇km歩いた」という数値が見えるので、「がんばったな!」と達成感が得られます。
• SNSの投稿に「いいね!」の数がつくと、「人に届いた」という感覚が得られるのも、見える化の効果です。
どんな数字を見える化するべきか?
すべての数字を見える化する必要はありません。
むしろ、「見える化しすぎるとストレスになる」こともあります。
ここでポイントは、「行動を変えたい数字」を見える化すること。
ただし、行動を変えるためには、自分がコントロールできる数字だけを見える化するのがポイントです。
コントロールできる数字と、できない数字
• コントロールできる数字:食べた量、運動した時間、睡眠時間、貯金の金額、投稿したSNSの回数
• コントロールできない数字:体重、体脂肪率、フォロワー数、SNSの「いいね!」数、天気、他人の評価
例えば、「体重を減らす」という目標を立てたとしますが、体重そのものは自分の意志で直接コントロールできません。
でも、「1日30分のウォーキングをする」という行動は自分でコントロールできます。
だから、「行動を見える化する」ことが大事なのです。
見える化の実践方法
:5つのテクニック
1. グラフ化する
• 体重や貯金の推移は、グラフ化すると一目で変化がわかります。
• ダイエットアプリでは、体重の推移が折れ線グラフで表示され、増減の流れが見えるから、やる気が出ます。
• GoogleスプレッドシートやExcelでも簡単にグラフを作成できます。
Excelのテンプレートがいろいろありますので一例を貼っておきます
ポイント:変化を視覚的に捉えると、行動が続きやすくなる
2. カレンダーに記録する
• 「運動した日」をカレンダーにチェックするだけで、継続のモチベーションが上がります。
• 手帳やカレンダーアプリを使って、運動した日、貯金した日を「○」でチェックしていくのもおすすめです。
同様に、カレンダーのテンプレートを貼っておきます。
プリントアウトしてシールなどを貼ったりしても良いかもしれません。
ポイント:継続の可視化は「やった感」を生む
3. 目に見える場所に「数値の目標」を貼る
• 冷蔵庫に「今週の運動目標は3回!」と貼っておく。
• デスクに「貯金目標:30万円」と書いた付箋を貼る。
ポイント:目にする機会を増やすと、行動が変わる
4. 進捗バーを使う
• 目標の達成率を「バー(%)」で表す方法です。
• 「目標の50%達成!」と表示すると、あと50%がんばればいいことが明確になります。
ポイント:残りの達成率がわかると、「あとちょっと」の気持ちが生まれる
5. 1日1回だけ記録するルールを作る
• 「1日1回、前に今日の行動を1つ記録する」だけの習慣を作る。
• 例えば、「今日運動したか?(YES/NO)」をチェックするだけでもOKです。
ポイント:簡単なルールにすることで、習慣化しやすい
実際の「見える化」事例
1. 健康の見える化
• アプリ「あすけん」:食事の栄養バランスを見える化。
私はこれを使っています。食事を写真に撮って「解析」ボタンを押すと毎日の食事を記録してくれます。
• スマートウォッチ:心拍数や睡眠時間、運動時間が自動で見える化される。
私は、これで睡眠のログをとっています。
2. 貯金の見える化
• 家計簿アプリ「Money Forward」:家計の支出や貯金がグラフ化されて見える。
• 「つもり貯金シート」:欲しかったものを買わずに貯金した金額を可視化する。
3. SNSの見える化
• Instagramの分析機能:投稿のリーチ数やフォロワー増減が見える。
• Twitterのアナリティクス:月ごとのフォロワー増減を見える化。
まとめ:見える化の効果は「行動の変化」にある
見える化の本当の効果は、「行動が変わること」です。
見える化することで、「変化の流れ」がわかるから、次の行動を考えやすくなります。
• 健康の見える化 → 運動を続ける習慣がつく
• 貯金の見える化 → 「無駄遣いしない日」が増える
• フォロワー数の見える化 → 投稿のタイミングを考えるようになる
これまでの章では、数字に向き合う方法を考えてきましたが、「見ない勇気」も大事です。
第7章では、「数字を手放す方法」をお話しします。
• 体重計に乗らない日を作る?
• フォロワー数を気にしない考え方とは?
数字に縛られない自由な生き方を一緒に考えていきましょう。
【第7章:数字を「手放す」方法】
数字を気にしすぎていませんか?
「体重が昨日より増えた…今日はダメな日だ」
「貯金が全然増えてない…将来が不安だ」
「フォロワーが減った…自分の価値が下がった気がする」
数字は、私たちの心に大きな影響を与えます。
でも、その数字に振り回されて、気持ちが上下していることに気づいているでしょうか?
数字は、確かに目安になります。体重の増減も、フォロワーの増減も、貯金の増減も、すべて行動の「結果」だからです。
でも、ここで一つの問いを投げかけたいと思います。
「その数字を見なければ、もっと心が穏やかになるのでは?」
数字を手放すってどういうこと?
数字を「手放す」とは、数字そのものに一喜一憂しないことです。
「数字を無視する」というわけではありません。数字を無視してしまうと、必要な行動が見えなくなります。たとえば、健康診断の数値を無視すると、体調不良のサインを見逃すかもしれません。
「手放す」とは、数字をコントロールしようとしないことです。
• 体重を減らそうと焦らない
• 貯金額を短期間で増やそうとしない
• フォロワー数の増減を気にしない
手放すとは、「数字の動きに自分の感情を乗せないこと」です。
数字を手放すメリット
1. 自分の感情が安定する
体重計に乗ったとき、昨日より0.5kg増えていたら、ガッカリしたり焦ったりしますよね。
でも、これがもし「今日は体重を測らない」と決めていたら、心が安定したまま一日を過ごせるはずです。
フォロワー数も同じです。
• 「昨日より10人減った…なんで?」
• 「なんで反応が少なかったんだろう…」
もしフォロワーの増減を一日見なかったら、「心の揺れ」は起こりません。
2. 自分の行動に集中できる
数字を見ていると、どうしても「結果」が気になってしまいます。
でも、本当に大切なのは、行動そのものです。
• 体重を気にするよりも、「今日は30分散歩した!」という行動にフォーカスする方が前向きな気持ちになれます。
• フォロワー数を気にするよりも、「今日も投稿した!」「これまでにない切り口で記事を書いた!」という行動に目を向けたほうが、成長を感じられます。
数字を手放すことで、「行動」が見えてくるのです。
3. 「ダメな日」がなくなる
体重が増えた日、貯金が減った日、フォロワーが減った日。
これらの日を「ダメな日」と感じてしまうことがあります。
でも、数字を見なければ「ダメな日」はありません。
なぜなら、「ダメ」かどうかは、自分が勝手に決めているだけ…だからです。
• 体重が増えても、昨日と同じように美味しいものを食べて、充実した1日を送ることができます。
• フォロワーが減った日でも、新しい記事を書いた日なら、それは「成長した日」です。
「数字に一喜一憂しない自分」でいられる日は、全部が「良い日」になるのです。
数字を手放すための5つの方法
1. 体重計に「乗らない日」を作る
体重を毎日測るのは、健康管理のために良い習慣だと言われています。
でも、毎日見るからこそ、心が乱れることもあります。
そこで、「体重計に乗らない日を作る」のがおすすめです。
たとえば、週に3日だけ体重を測るようにすれば、測らない日には「今日の自分の感覚」に意識を向けられます。
• 「今日は体が軽い気がするな」
• 「今日は疲れが残ってるかも」
このように、体重よりも「自分の体の感覚」を大切にするのです。
2. フォロワー数を「1週間見ないチャレンジ」をするSNSのフォロワー増減は、簡単に見えてしまいますよね。
でも、これを「見ない」と決めるだけで、気持ちは軽くなります。
• 「今週はフォロワー数を見ない」
• 「増えたか減ったかは、次の週にまとめて確認する」
この方法を実践してみると、「増減が気にならない週」を体験できます。
毎日見ていると、わずかな増減に心が揺さぶられますが、1週間のスパンで見ると、大きな変化がないことがわかるのです。
3. 数字ではなく「行動」を記録する
体重やフォロワー数を記録するのではなく、「自分が何をしたか」を記録する方法です。
• 「今日の運動:30分のウォーキング」
• 「今日の投稿:Instagramに新しい写真を投稿した」
行動を記録するだけで、結果は後からついてきます。
これが、「結果を手放して行動にフォーカスする」方法です。
4. 「お金を使わなかった日」を記録する
貯金が増えない…と感じると、がっかりしますよね。
でも、貯金額を見るのではなく、「お金を使わなかった日をチェックする」方法があります。
たとえば、カレンダーに「お金を使わなかった日」にチェックをつけるのです。
これにより、「貯金の増減」ではなく、「行動の変化」を見ることができます。
5. 自分を褒める日
「自分を褒める日記」をつける
毎日、「今日一番がんばったこと」を1つだけ書く日記をつけてみてください。
• 「今日は、掃除をがんばった!」
• 「仕事のメールを早めに片付けた!」
小さなことでOKです。行動そのものを褒める習慣が身につきます。
行動を褒めることで、数字が関係なくなります。
6.感謝する日
「自分を褒める日記」と共に、感謝を記録します。人の欠点や嫌なことはすぐに目につきがちですが、誰かに感謝する気持ちもきちんと記録しておきましょう。ちょっと考えないと思い当たらない日もあるかもしれません。日頃から感謝する習慣をつけておくと、心の平穏が保ちやすくなり、数字に振り回されなくなります。
まとめ:数字を手放して、心の自由を取り戻そう
• 数字を気にしすぎると、感情が乱される。
• 体重、フォロワー数、貯金額を気にせず、「行動の変化」にフォーカスするのが大切。
• 「手放す」とは、数字を無視するのではなく、「感情を乗せない」こと。
「数字を追わない」日を作るだけで、心は自由になれます。
【第8章:自分だけの「幸せの指標」を作る】
「幸せの基準」は誰が決めるのか?
「いい大学に行けば幸せ」
「大企業に就職すれば安定」
「年収〇〇万円あれば人生は安心」
世の中には、「幸せの基準」があらかじめ決まっているかのような言葉がたくさんあります。
しかし、その基準は「他人が作った基準」かもしれません。
• 大学の偏差値は、他人がつけた数字。
• 企業の年収ランキングも、他人が決めたランキング。
• 「年収1000万円が幸せ」という言葉も、他人が作った価値観です。
でも、本当に大切なのは、「自分にとっての幸せの基準は何か?」という問いです。
「他人の基準」で生きると苦しくなる理由
SNSを見ていると、「他人の数字」が目に入ってきます。
• 「この人、Instagramで1万人フォロワーいるのか…すごいな」
• 「友達は年収〇〇万円らしい…私、まだまだだな」
• 「健康診断の結果、私は基準値をちょっと超えたけど、あの人は全部クリアしてる」
他人の数字と自分の数字を比べてしまうことが、私たちを苦しめる原因です。
他人が作った「偏差値」「ランキング」「基準値」に合わせようとすると、「足りない」「遅れている」「負けている」と感じることが増えてしまいます。
でも、ここで考えてみましょう。
「自分の幸せは、他人が決めるものなのか?」
もし、他人の基準ではなく、自分だけの基準で幸せを感じられる生き方があったとしたら?
「自分の幸せの指標」を作るとは?
「自分の幸せの指標」を作るとは、「自分が満たされる瞬間」を知ることです。
例えば、こんな瞬間を思い出してください。
• 旅行先で美しい景色をカメラに収めたとき、「心が満たされた」と感じた瞬間。
• 書いた記事に「共感しました!」というコメントがついたとき、「つながり」を感じた瞬間。
• 料理を作って家族が「美味しい!」と言ってくれたとき、「喜んでもらえた」という感覚が生まれた瞬間。
これらの瞬間に、「自分の幸せの本質」が隠れています。
幸せの指標は、他人からの評価や数字ではなく、心が満たされる瞬間にヒントがあります。
「心が満たされた瞬間」を数値化することはできませんが、意識することはできます。
「自分の幸せの指標」を作る3つの質問
1. どんなときに「嬉しい!」と感じる?
• 何をしているときが一番嬉しいですか?
• 誰かから何を言われたときが嬉しいですか?
例えば、SNSで「いいね!」がもらえたときに嬉しいと感じるかもしれませんが、「なぜ嬉しいのか?」を考えることが大切です。
• もしかしたら、「人に共感してもらえたから」かもしれません。
• もしかしたら、「自分の発信が誰かの役に立ったから」かもしれません。
この「嬉しい」の裏側にあるのは、「承認されたい」「つながりを感じたい」といった気持ちです。
自分が何を求めているのかが明確になると、幸せの指標が見えてきます。
2. 何をしているときに「夢中」になれる?
• 時間を忘れてしまうほど没頭できることは何ですか?
• ついついやってしまう趣味や作業は何ですか?
「夢中になれる時間」こそが、幸せの源です。
仕事に没頭しているとき、写真を撮っているとき、料理に集中しているとき…。
人は、「この瞬間をもっと増やしたい」と思える行動に、幸せを感じるものです。
もし、日常生活で「無心でできること」があるなら、それがあなたの「幸せの指標」の1つになります。
3. 「幸せ」をどう定義する?
幸せの定義は人によって違います。
他人の定義ではなく、自分にとっての幸せは何か?を考えてみましょう。
たとえば、次の3つの選択肢から、どのタイプがあなたの幸せに近いかを考えてください。
• A. 成長することが幸せ(スキルが身につく、挑戦する、成長を実感する)
• B. 誰かを喜ばせることが幸せ(家族が喜んでくれる、誰かが笑顔になる)
• C. ただ“今”を感じることが幸せ(美しい景色を見て、穏やかな気持ちになる)
自分の「幸せのタイプ」がわかると、自分の幸せの指標を見つけるヒントになります。
私の幸せの指標はこれだった
ここで、私の「幸せの指標」をお話ししたいと思います。
私の幸せの指標は、「つながり」と「創造」です。
• 「つながり」:写真やブログを通じて誰かとつながり、感想をもらえることが喜びです。
• 「創造」:記事を書く、写真を撮る、物を作るといった「何かを生み出す」行動に幸せを感じます。
だからこそ、「いいね!」の数だけを追いかけないようにしています。
コメントが1件でもつけば、「つながりが生まれた」と感じられるからです。
「自分の幸せの指標」を見つけるワーク
最後に、あなたが「自分の幸せの指標」を作るためのワークを用意しました。
【ワーク:あなたの幸せの指標を見つける3ステップ】
1. 「嬉しい!」と感じる瞬間を10個書き出す
2. 「夢中になれる行動」を3つ書き出す
3. 「自分にとっての幸せの定義」を考える
このワークをすることで、自分だけの「幸せの指標」が明確になります。
まとめ:自分の幸せは、自分で決める
• 他人の「偏差値」や「ランキング」に振り回されない。
• 自分の幸せの指標を見つける。
• 「つながり」「創造」「成長」など、自分だけのキーワードを見つける。
幸せは、数値化できませんが、感じることはできます。
これからは、「自分が幸せを感じる瞬間」を大切にする生き方を目指しましょう。
これまでの章では、数字からの解放を考えてきましたが、次の第9章では、「数字を味方につける方法」をお話しします。
数字をコントロールしようとするのではなく、数字を使いこなす生き方を考えていきましょう。
【第9章:数字を「味方につける」生き方】
数字は「敵」ではなく「パートナー」にする
これまでの章では、「数字に振り回されない」生き方について考えてきました。
• 体重、フォロワー数、貯金額など、数字そのものを手放す方法
• 自分の「幸せの指標」を見つけ、他人の数字に振り回されない方法
しかし、ここで一つ気づいたことがあります。
数字を完全に「無視」するのは、難しい。
なぜなら、数字は私たちの行動を「見える化」してくれる重要なパートナーだからです。
例えば、体重がわからなければ、自分の健康の変化に気づけません。
貯金額がわからなければ、将来の安心感を得るための計画が立てられません。
フォロワー数がわからなければ、発信の効果を確認する方法がなくなります。
数字を排除するのではなく、うまく活用する方法を考えることが大事です。
では、どうやったら「数字を味方につける生き方」ができるのでしょうか?
数字を味方にする3つの考え方
1. 数字を「ヒント」として使う
数字は、行動を修正するための「ヒント」です。
例えば、健康診断の数値「LDLコレステロール」が少し高かったとします。
このとき、「やばい、ダメだ…」と感じるのではなく、「これからの行動を見直すサインだな」と考えれば、前向きな気持ちになれます。
同様に、SNSのフォロワー数が減ったときも、「自分がやるべきことのヒントが隠れている」と捉えることができます。
• どんな投稿のときに増えた?
• どんなタイミングで減った?
このように、「数字をフィードバックの材料にする」と、ただの不安材料だった数字が「行動のヒント」に変わります。
2. コントロールできる数字だけに集中する
第6章でお話しした通り、「コントロールできる数字」と「できない数字」を分けるのが大切です。
• コントロールできる数字:運動の回数、投稿する頻度、貯金する金額、食事の内容
• コントロールできない数字:体重、フォロワー数、健康診断の結果、他人の評価
例えば、体重を減らしたいなら、「体重」そのものを気にするのではなく、運動の回数を増やす」にフォーカスすれば、行動が変わります。
ポイントは、「変えられない数字」ではなく、「変えられる行動の数字」を見ること。
3. 数字は「現在地」であって「評価」ではない
例えば、テストの点数が80点だったとき、あなたはどう思いますか?
• 「80点だ…あと20点足りない」(足りない部分に注目)
• 「80点も取れた!」(できた部分に注目)
80点は、今の自分の現在地にすぎません。
この考え方を、健康診断の数値や体重、貯金額にも応用してみましょう。
• 現在の貯金額は、人生の途中経過
• 体重の数字は、今の体の状態を知るための指標
• 健康診断の結果は、生活を見直すチャンス
これを「現状を知るためのマイルストーン」だと考えれば、「失敗した」とか「ダメだ」と感じる必要はなくなります。
数字を味方にするための5つの方法
1. 「良い変化」を見つける視点を持つ
健康診断の数値を見ると、つい「悪い変化」ばかりに目が行きます。
でも、「良い変化」にも目を向ける癖をつけましょう。たとえば、ぴよさんのアドバイスの中で、こんな言葉がありました。
「体重が1kg減ったところ、素晴らしいです❣️」
体重が減ったという「良い変化」をまず最初に伝えてくれるのは、すごく大事なポイントです。
数字を見るときは「良い変化をまず探す」
これだけで、数字への向き合い方が一気に変わります。
2. 数字を見る頻度を減らす
数字を毎日チェックするのはやめましょう。
例えば、体重は週に1回だけ測るのが効果的だと言われています。
SNSのフォロワー数も、毎日チェックするのではなく、週に1回だけ見ると決めておけば、心が乱される回数が減ります。
3. 数字ではなく「行動」を記録する
• 体重を記録するのではなく、「今日の運動時間」を記録する
• 売上を記録するのではなく、「今日やった営業の行動」を記録する
数字を追うのではなく、行動を追うようにすると、達成感が増すのです。
4. 数字は動くものと理解する
数字は常に変動します。
• 体重は1日の水分量で0.5kgくらい簡単に変わる
• フォロワーは一晩で10人減ることもある
数字が動くのは当たり前と考えれば、「増えた・減った」に一喜一憂しなくて済みます。
5. 自分だけの「チェックリスト」を作る
「フォロワーが増えたかどうか」ではなく、「今日はやるべきことをやれたか?」が大事です。
「行動のチェックリスト」を作ると、数字を見なくても「今日はやることをやった!」という達成感が得られます。
• 今日はSNSに投稿した? → YES/NO
• 今日は野菜を食べた? → YES/NO
まとめ:数字を「味方につける」生き方を選ぼう
• 数字を無視するのではなく、ヒントとして活用する。
• コントロールできる数字だけを見る。
• 数字は「現在地」であって「評価」ではない。
数字は、「行動を変えるためのヒント」です。
• 体重が増えた → 「じゃあ明日は少し散歩をしよう」
• 貯金が減った → 「今月は無駄な支出を見直そう」
このように、数字を使って行動を変えるのが、「数字を味方につける生き方」です。
次の第10章では、「これからの人生で大切にしたいたった一つの数字」についてお話しします。
あなたが大切にしたい数字は何ですか?
体重でも年齢でもなく、「もっと深い人生の数字」を一緒に考えていきましょう。
【第10章:これからの人生で大切にしたい「たった一つの数字」】
「あなたにとって大切な数字は何ですか?」
これまで、体重、貯金額、フォロワー数、健康診断の数値など、さまざまな「数字」との向き合い方を考えてきました。
でも、ここで改めて「あなたにとって、たった一つの大切な数字は何か?」を考えてみましょう。
• あなたが人生の終わりに「この数字だけは大事だったな」と思う数字は何でしょうか?
• 体重? 貯金? 年収? それとも、別のもの?
「たった一つの数字」は、実は数値じゃない?
ある心理学者の調査によれば、人生の満足度は「お金」や「体重」とはあまり関係がないという結果が出ています。
むしろ、「人間関係」や「生きがい」が人生の満足度を大きく左右しているのです。
• 「年収1000万円」を目指して一生懸命働いたけれど、家族との時間が失われていたらどうだろう?
• ダイエットに成功して体重が50kgになったけれど、心の中の「満たされなさ」が残っていたら?
考えてみてください。
「人生で本当に大切なものは何か?」
「大切な数字」は人それぞれ違う
「自分にとって大切な数字」を見つけるために、どんな数字があるかを洗い出してみましょう。
1. 「家族」に関わる数字
• 子どもが成長する年齢(子どもが10歳のとき、20歳のとき、30歳のときに自分は何歳だろう?)
• 親と過ごせる残りの時間(親の年齢を考えると、あと何年一緒に過ごせるだろう?)
• 家族旅行に行った回数(年に1回の家族旅行が、残り何回できるだろう?)
2. 「時間」に関わる数字
• 残りの人生の時間(80歳まで生きるとしたら、あと何日、何時間だろう?)
• 自由に使える1日の時間(仕事、家事、睡眠を除いた「自由な時間」は1日何時間だろう?)
• 何かに挑戦するための時間(今から新しいスキルを身につけるとしたら、何時間かかるだろう?)
3. 「生きがい」に関わる数字
• 「心が満たされた日」の数(1ヶ月に何日「今日は幸せだな」と感じられた?)
• やりたいことリストの達成数(「やりたいこと100リスト」があれば、今まで何個達成できた?)
• これまでに出会った人の数(仕事、学校、趣味、旅先で出会った人は何人だろう?)
私は、年に一度バケットリストを作成しています。
自分のやりたいことを書き出すと、不思議に叶っていきます。
→
バケットリストの作成は、「自分にとって大切なこと」「自分が本当にやりたいこと」を整理するのにも有効です。年末年始のこの時期に、バケットリストの作成はおすすめです。
〜「たった一つの大切な数字」を見つけるための3つの質問〜
「自分にとって一番大切な数字って、何だろう?」
その答えを見つけるための3つの質問を考えてみましょう。
1. 人生の終わりに、どんな思い出があれば満足だと感じる?
この質問は、「後悔しない人生を送るための問い」です。
例えば、人生の最期に「ああ、楽しかったな」と思える出来事は何か?を考えてみましょう。
• 旅行に行った回数?
• 作品を作った数?
• 誰かに「ありがとう」と言われた回数?
もし、「あのとき、もっと家族と過ごしておけばよかった」と思うのであれば、「家族と過ごした時間の総数」があなたにとって大切な数字かもしれません。
2. あなたが「もっと増やしたい」と思っているものは何?
「増やしたい」と感じているものは、あなたの心の中の「足りなさ」を表すものです。
• お金を増やしたい? → では、なぜお金が欲しい? 「安心感が欲しいから」では?
• 友達を増やしたい? → では、なぜ友達が欲しい? 「つながりが欲しいから」では?
表面的な欲求(お金が欲しい、フォロワーが欲しい)の奥には、「自分が満たしたい感情」が隠れています。
その感情が分かれば、あなたにとって大切な数字が見えてきます。
3. 自分の「幸せの瞬間」を記録してみると、何が増えていく?
例えば、「今日は楽しかった!」と思う出来事があったら、それを「幸せノート」に書き留めるのはどうでしょうか?
• 友達とお茶をした日
• 旅行で美しい景色を見た日
• お気に入りの写真が撮れた日
1年後、そのノートの“ページ数”があなたの幸せの数字になるのです。
「幸せだと感じた回数」こそが、人生の豊かさを可視化する数字です。
私が大切にしたい「たった一つの数字」
私が考えた結果、大切にしたいたった一つの数字は「幸せを感じた日数」だと思いました。
体重が増えても、収入が下がっても、フォロワーが減っても、「今日は楽しかったな」と思える日が増えれば、それで十分だと思います。
• 1年の中で「楽しかった!」と感じた日が何日あるか?
• 1週間のうち、「幸せだなぁ」と感じた日が何日あったか?
この数字が増えれば、「良い1年だった」と言えるはずです。
まとめ:人生で大切にしたい「たった一つの数字」を見つけよう
• 体重や年収ではなく、「家族と過ごした時間」や「幸せを感じた日数」かもしれません。
• 数字は「見える化」できるからこそ、自分にとっての本当の幸せを可視化することができます。
• “自分だけの「大切な数字」は、人によって違います。
もし、あなたが今日から大切にしたい数字をひとつ決めるとしたら、何でしょうか?
• 家族と一緒に過ごす「時間」?
• 自分の「心が満たされる日数」?
• それとも、誰かに「ありがとう」と言われた回数?
あなたにとっての「たった一つの大切な数字」を、ぜひ見つけてみてください。
そして、自分だけの指標をもとに、叶えたい夢に向かって羽ばたいてください。