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過去の体験記

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過去、鬱になったきっかけから、 さかのぼって書いてるダークな連載記事です。 まとめて読みやすくなってます。
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#依存症

私が鬱になるきっかけ。体験記①

なんの取り柄もなかった私は、将来にやりたいことも漠然としていて、適当に入れる高校に入学し、悶々と学校生活を過ごしていた。 毎日が楽しい訳でもなく、思春期だった頃は、周りや自分の容姿、学力を比べて、一喜一憂したり、ちょっと目立ったヤツが居れば、ヒソヒソと噂話しをしている、ちっぽけな人間だった。 高3になり、バイトを始めてから一気に学力が落ちて、勉強に身が入らなくなった。 バイト先に好きな人が出来たからだ。 週末は、朝から夜遅くまで働いて、少しでも長く彼と一緒に居たかった

摂食障害~二股の恋Ⅲ  体験記⑥

昼休憩に社員Kに誘われて、 安い焼肉屋『安○亭』に入った。 焼き肉かあ、内心思った。 過食なんかしてなければ、普通にガッツリ食べたかったけど、 普段隠れて過食してた私は、人前ではガツガツ食べる事が出来ず、少なめの定食を仕方なく食べた。 向かい席で、大盛りの定食を美味しそうに食べる社員Kが羨ましかった。 バイト先から帰ってきて、携帯を見たら既に彼から着信があった。 嫌な予感がした。 案の定彼に昼間の事を聞かれ、正直に話した。 彼は、私にしつこく連絡してくるようになった。 急

摂食障害~二股の恋Ⅳ  体験記⑦

私がバイトを辞めた後、社員Kから主婦Yがパートを辞めたと聞かされた。 (主婦Yは、私の彼の彼女。お互いそれを知ってる歪な関係。) 「ふーん、そうなんだ。 でも何で辞めさせられたの?」 「お店のモノを万引きしたんだって。」 「え?」万引き? あの主婦Yが、万引きをしたんだ。 なんか、ショックだった。 まあ恋のライバルだったにしろ、私より前からバイト先で働いてたし 多少なり共お世話になっていた。 はじめは気さくで明るいおばさんだなぁと思ってた時もあったからだ。 もし

新入社員の苦悩 摂食障害の私 体験記⑧

4月になり、私は就職先◯◯銀行に入社した。 過食でだいぶ太った為、慌てて買ったスーツを着て、都内まで一時間以上かけて私は電車通勤をしていた。 朝の満員電車は、苦痛で仕方なかった。 せっかく身綺麗にして出かけても、都内に着く頃には汗だくになるわ、髪は乱れるわ、痴漢に遇うわで一息もつけなかった。 新入社員は、何故か誰よりも早く会社に来て、掃除や雑務、先輩達の仕事の準備をしつつ、始業時間まで自分の時間を過ごすのが習慣になっていた。 その為、朝5時に起き、6時前には家を出て、8時

新入社員の苦悩 摂食障害の私 体験記⑨

二次会のカラオケ店で歌った私は、慣れない歌に緊張していた。 「良いよね~。この歌!」 隣に座ってきた同期のTくんが話しかけてきた。 私とTくんは、同じ沿線で一緒に帰る事もあった。まだ慣れない満員電車や仕事の愚痴、先輩の事なんかもお互い話す仲になっていた。 入社した頃、過食の影響で太っていて肌もボロボロで、自信も全く無かった私を、Tくんはよく気にかけてくれた。何でこんな私に優しくするんだろう?と不思議に思うくらいだった。 当時の私は自信が無さすぎて、相手の顔も良く見れなか

同期の女の子 摂食障害の私 体験記⑪

ストレスが溜まっていたのは、私だけじゃなかったようだ。 同期で同じ班のNちゃんは、入社式で隣の席だった。 真面目で暗めな印象だったが優しい女の子で、私は一緒に居て少し安心出来た。 入社式当日、過食して吐くことを覚えてしまったいた私は、口元が酷く肌荒れてしていた。しかしマスクなどはせず、スーツ姿もパンパンで痛々しい姿だった。 それに比べてNちゃんは、細い身体にスーツが似合っていて、まるで清楚なお嬢様の様だった。 他の女の子達もみんなスーツ姿が似合っていて格好良くて羨ましかった

同期の男の子 摂食障害の私 体験記⑫

同期の男の子Tくんと一緒に帰った日、駅前のレストランで一緒に夕飯を食べる事になった。 普段はぶっきらぼうな感じのTくんだが、私といるときは何故か優しくて、わかりやすい人だった。 それが、私にはくすぐったい感じで面白かった。 レストランでメニューを頼み、待っていると 彼「○○さんて、その目元が良いよね~」 「俺なんかさぁ、●●だから」 「ジャニーズ系みたな顔になりたかったなあ」 私「………」 どう答えて良いのやら。 私は、別にアイドルの様な顔でもなければ自

同期の男の子 摂食障害の私 体験記⑬

同期のTくんにデートに誘われて ある日一緒に電車に乗っていたら Tくんは私を見るなり 「何でこんなピッタリした服着てんの?」 と言ってきた。 私は顔から火が出そうな程恥ずかしくて、 穴があったら入りたかった。 電車の中で私達は、ぎこちない雰囲気になってしまった。 野球場近くの湖がある公園に行き 湖の周りを私達はただただ歩いていた。 Tくんは、なんだか不満げだった。 気持ちがTくんにない私は、ただ散歩しながら 「風が強いなあ」 「わっ!なんだか寒くなってきた」 「早く

自由になりたくて 摂食障害の私 体験記⑭

暑い日が続いて毎朝満員電車に乗り、 疲れた身体をつり革で支えながらまた家に帰る。 その繰り返し。 ゆっくり眠れず いつも何か空虚感だけがあった。 家に帰ってきたら食べたり食べなかったり。 食べ過ぎたと思ったら、罪悪感に襲われてもっと食べてしまい、今度は吐くまで食べる悪循環。 そんな事をやっている自分に嫌気がさして、また自暴自棄になる。 だんだん会社に行ってる意味がわからなくなって、生きている意味がわからなくなって 知らないうちに電車から見える景色の色が消えていった。

自由になりたくて 摂食障害の私 体験記⑮

電車に乗って知らない場所の景色を眺めていた。 いつも会社にいる時間、 透明人間になったような、 本当は居ちゃいけない場所に居るようで、 でも何かから解放された気持ちだった。 誰も私が会社を無断欠席してるなんて知らないし、関係ない。 そう、全く関係ない。 そりゃ会社は困るかもしれない。 まだ採用して間もない新入社員が行方不明で、 家からは出社したはずだと聞かされれば、 捜査するしかない。 非常に幼稚で面倒な事を私はしてしまった。 ただ一言 「今日は体調不良で休みます」

生きる意欲 体験記⑯

私が渋々会社に戻ってから、 やる気も失せて毎日会社に行くのに、機械のように自分を動かしていた。 なぜ働いてるかもわからない状態で、 何故わざわざ満員電車に乗ってるのか 自分にウソをついて、 自分がしたくない事をやっているのが苦しかった。 入社した年の秋、結局上司や両親の説得も報われぬまま、私は会社を退職した。 やっと自由になれたと思った。 しかし、自由になれた喜びは全くなく、 会社を辞めて毎日が日曜日になったというのに、 何もしたい事がなく、 毎日都心まで出かけ