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女性管理職が増えるのはいいこと?

以前から日本では「女性の社会進出」が推し進められている。

断っておくが、私は別にこの流れを否定するつもりはない。

性別に関係なく、昇進したい方は昇進するチャンスが与えられる。
そういう企業が増えればいいと思ってる。

育児休暇に関しても、こちらは男女関わりなく取得したい人が取得できるようになるべきだろう。


以下は企業における女性の採用や昇進に関するデータだ。

女性活躍に関する調査 結果概要 (令和5年度厚生労働省委託事業)(001254959.pdf


少なくとも数年前に比べれば、いくつかの項目では状況は改善されているように感じる。

それでも課題は山積みだと思うが……。


しかし、そもそも、女性の管理職が増えることはいいことなのだろうか?


一般的な民間企業では、昇進というシステムはそれなりに仕事で成果を出すことが前提となるだろう。

中にはペーパーテストなどを課す企業などもあるようだが、
それでも人事評価などに関しては、やはり通常業務での成果が重要な評価項目になるのは間違いないだろう。

しかし。

政府や企業団体が中心となって「女性の管理職比率が低い」などど
言い始めた結果、
「女性の管理職を増やす」ということを念頭に人事システムを改める企業も増えたことだろう。

「お上に言われたから増やす」

なんとも日本的だと感じるのは私だけだろうか。

そもそも女性管理職を増やすということは、
「多様な人材を登用することで、経営企画に多様な意見を反映し、
企業の発展の可能性を高める」

という部分にあるのではないだろうか。

その根幹部分を忘れ、数だけ増やしても特段意味があるとは思えない。


また、管理職に登用する際に、「女性だから」ということを主な理由にしてしまうと、当然おもしろく感じない人々もいるだろう。

誰を管理職に登用するか?ということを考えた時に、同じくらいの成果を出した人々を何人かピックアップしたとしよう。

その際に「女性管理職を増やさなければ」などと言って女性を登用したとしよう。

見方を変えれば「女性に下駄を履かせた」とも言えてしまう。

特に管理職になりたいのに、なれなかった男性がいたのならば、
やはり面白くはないだろう。

ひねくれた見方をすれば「男性だから」選ばれなかったのだから。


そうなると、それを見ているスタッフは思うだろう。
「ここで頑張っても、女性の方が優先される」と。

当然そうなると、仕事で意欲を持って成果を出そうとする男性は少なくなってしまうのではないか。

ただでさえ若い人々は管理職になりたがらないというのに、
その行動に拍車をかけてしまう結果になるだろう。

それがきっかけで転職する人が増えてしまう可能性もあるだろう。


もう少しヘソの曲がったことを書くと、
そもそもその女性は管理職になりたがっているのか?
という点も指摘できる。


繰り返しになるが、昇進したい女性が昇進するのは全く問題がない。


が、数を増やすことを目的に、昇進にそこまで興味がない方を
半ば無理やり管理職に登用するのはハッキリ言って逆効果だろう。

仕事だからとはいえ、やりたくもないことをやらされるだけではなく、
労働時間や責任が増えるからである。

その分給料が増えるのであれば問題ないかもしれないが、
増えた責任に見合う分の給料を出せる企業が、はたして
日本にはどれほど存在するだろうか。


そのように昇進した方が、仕事ができる人ならばまだいいかもしれない。

その職責に見合わない方が管理職になった場合、悲惨である。


「管理職」と読んで字の子如し、スタッフを管理するのが仕事である。

にもかかわらず部下をマネジメントできないというのは、
ビジネスとしては論外だろう。

その結果、チームとしての仕事の効率が下がり、
結局売上や成果が乏しくなり、その結果人事査定に響く……
そんなことが起きてしまうかもしれない。


となるとどうなるのか?

スタッフ・管理職共に退職者が増えてしまう。
企業の業績は下がる。
その結果昇給などがしにくくなる、ボーナスが減る……
そうなるとさらに転職者が増える……

と、誰も得しない状況が生まれてしまうかの可能性が十分になる。

「多様な人材を登用することで、経営企画に多様な意見を反映し、
企業の発展の可能性を高める」

という目的とは真逆の状況に進んでいってしまい、
本末転倒としかいいようがない。

だったら最初からそんなことをする意味はないだろう。


何度も繰り替えすが、私自身は「女性の社会進出」「女性管理職の増加」
といったことには賛成である。


私自身、いくつかの企業で働いてきたが、直属の上司が女性だったことはいくどとなくある。

皆さんとても優秀な方だった。


仕事のできる・できないに性別は関係ないと私は思っている。

その仕事に向いている・向いていない。
センスがある・ない。

というのはあるだろうが、それはもはや個性の領域だろう。


話が少し脱線してしまった感があるが、

ようするに、「手段が目的になっている」典型例だろう。


どうしてそのようなことをするのか?


人件費などが高騰し、ますます企業活動を取り巻く環境が厳しくなることが予測されるこの時代だからこそ、
なぜそのようなことが必要なのかを考えて行動するべきではないだろうか?

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