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わたし、持分の評価をする - 【所有者不明土地管理制度をやってみた?!】
地番整理、住居表示の証明書の作成には少し時間がかかるとのことだったので、その間に裁判官とのヒアリングの際に要請されたもう一つの課題に取り掛かります。
それは持分の評価資料です。
そもそも土地の評価ほど難しいものはないのですが、それをさらっと要請するなんて・・・。
まぁ取得を目的としているので、裁判官としても根拠となる資料が欲しいというのはわかるのですが・・・。
いずれにしても、なんらかの資料を提出しなければいけません。
土地の価格は一物五価と言われるくらい、価格に対する目的、意図などによって異なってくるものです。
取得を考えると、価格が低い方がいいのですが、その意図が強すぎると裁判官としては採用してくれないでしょうから、ある程度公平性・合理性が担保された価格を提示するしかなさそうです。
まずは一物五価の根拠となる資料をネットで漁ります。
すると、不動産売買サイトや、金融サイトなどで色々と説明は出てきます。しかしビジネス色が強すぎるサイトを出典とするのもどうかなと思っていると、ある税理士法人さんのコラムに一物五価の話が載っていました。
国家資格の税理士さんのコラムなら根拠になだろうと勝手に考え、それを出典として評価額を算定することにしました。
まずは公示価格での評価です。
土地総合情報システムから同じ町名の公示価格を調べると1つありました。
それを単価として、地積、持分をかけて価格を出します。
次に、同じく土地総合情報システムから近隣取引価格を調べると、5つヒットしました。
その平均額を単価として、同じく地積と持分をかけて価格を出します。
今度は相続路線価からの算出です。
前面道路の路線価に地積をかけて、価格を算出します。
そして、固定資産評価証明書の金額を固定資産評価からの価格とします。
価格としては公示価格>相続路線価>近隣取引価格>固定資産評価額となりました。
しかし、いずれの価格も想定よりもかなり高い評価額になってしまっています。
これではあまり、ということで知り合いの不動産会社にヒアリングをしてみました。
すると、「この通路は他人に売ろうとしても誰も買わない土地であり、実際にはほぼ価値がないですね」との回答。
そうですよねー。
他には、不動産鑑定士さんにお願いするというケースも考えられるので、インターネットから不動産鑑定士さんを探して、今回のケースのような鑑定ができますか?と問い合わせてみます。
すると、鑑定は可能ですが、費用は40万円弱かかりますとのこと。
まだ物件すら買っておらず、不動産屋からはほぼ価値がないと言われた土地に、調査だけで40万円もかけられません。
鑑定に関しては、丁重に辞退させていただきました。
そして、不動産屋さんからの実勢価格に一縷の望みをかけて、現在は固定資産税が課されていないこと、国税庁の「私道の評価」を参考として資料をまとめました。
実は後になって、かなり計算が間違っていることに気づくのですが、この時は資料ができてホッとしていました。