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わたし、経緯を考える - 【所有者不明土地管理制度をやってみた?!】

これまでに分かったことをまとめると、どうやら通路の持分は、物件とともに昭和30年(1955年)に山本さん(女)が所有権を取得したようです。

一方、法務局は土地台帳が昭和25年(1950年)の土地台帳法の改正により税務署から移され、大福帳形式で管理されていた登記簿と一元化をするためのバインダー化作業というものを実施していました。これは膨大な作業のため、昭和45年(1970年)までかかったそうです。

そのバインダー化作業のところで、土地台帳に山本さん(女)とあった通路の共有持分を山下さん(女)と書き写し間違いをしてしまいます。(山下さん(男)もいるので、ついうっかり?)

その後、物件は昭和31年(1956年)に山本さん(女)から間宮さん(男)に売却されます。

通常なら、その際に通路の共有持分も一緒に売買されるのですが、持分があることを忘れていたのか、登記簿の記載が間違っていたので手続きが進まなかったのか、こちらはそのままになってしまいます。

その後、登記事務のコンピューター化の段階で物件の履歴の1番目はその時点で所有していた間宮さん(男)になり、以降の物件の所有権移転の際にも共有持分については一緒に売買されず、今日に至ったようです。

このような事態に陥ったポイントとしては、

・現在の登記簿に山本さん(女)の履歴が残っていなかった

というのが大きい気がします。山本さん(女)の記載が残っていたら、共有持分の山下さん(女)と1字違いということもあり、何か気づいた人がいたかもしれませんが、登記簿に出てこないとなると、今回のようなケースでもないと気づくことはかなり難しいと思われます。

また、間違い方が山下さん(女)というのも絶妙で、同じ共有持分者に山下さん(男)がいて、住所の旧地番表示も同じとなると、普通は親族か一族だと思ってしまいがちです。

ともあれ、これでほぼ真相に辿り着いたと思われ、裁判所からの連絡を待つことにしました。

すると今度は数日で、事務官の方からの連絡です。

事務官の方曰く、法務局が書き間違えた可能性は理解したが、あくまでも可能性であり、山下さん(女)・山本さん(女)の戸籍・住民票が件の住所にない証明書と山本さん(女)の探索報告を送ってほしいとのこと。

「山本さん(女)はともかく、山下さん(女)は書き間違えのため存在しない人であり、その戸籍・住民票なんてあるわけないでしょ」と思わずツッコミそうになりましたが、ここまで来れば毒(?)をくらわば、皿までです。

速攻で資料を用意することにしました。

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