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カウンセリングで辛くなった話と、腑に落ちた考え方

カウンセラーとクライアントには、「相性」がある。また、そのカウンセリング手法とクライアントにも、「合う or 合わない」があると思う。

私は、カウンセリングに申し込む前に、そのカウンセラーさんのブログや著書を読み漁って、考え方に同意できると確信してからクリックするが……
それでも、合わない時がある。

最近は、お金を支払っても心のモヤが晴れなかったときも、「ああ、今回は合わなかったな」で諦めるが(お金は惜しいが!!)、昔は、期待した分ショックも大きかった。


「手放し」というワーク

特に、自分にとって「合わない」と感じたのが、「手放し」というワークだった。

過去の親子関係や傷ついたことなどを一通り話すと、
「じゃあ、その記憶を手放しましょう」
と、”ワーク”が始まることがある。

それは、ボディワークだったりイメージワークだったりする。

…私は、それを勧められると、どうしても嫌な気持ちになる。


すごーく簡単なボディワークで(幼稚園でやるリズム体操みたいな)、
「……では、その記憶を握った手から離して、お空に返しましょう」
的なことを言われると、
「はぁ??」
ってなる。

こんな簡単なことで、悪夢に何度も見る嫌な記憶から解放されたら世話ないわッ…的な感想を持ってしまうのだ。


「今、辛い気持ちはどのくらい小さくなりましたか?」という問いかけ

「手放し」のボディワークに不満たらたらな私であるが、ここでさらにカウンセラーは、
「ここに来た時の辛い気持ちが10とすると、今はいくつくらいですか?」
と尋ねてくる。

私は、ドギマギしてしまって、
「…………ご、ご、…5くらい……ですかね?」
などと返事してしまう。

「………じゃあ、もう一回やって見ましょうか(にこっ)」

…って、ふっざけんじゃねぇえええええええ!!!!!!

今は、20くらいだよ!!!!
…と、叫びたいのに、おとなしくもう一回ワークをやって、
「今度は…2くらいになりました」
と答えている私がいる。


だいたい、カウンセリングを必要とする人間は、空気を読みすぎたり、相手の求める答えを察しすぎて、自分の気持ちが言えなかったりわからなかったりするんだから(それが元でトラブルになったりするんだから)、
「(私のカウンセリングで)楽になりましたか♪」
なんて聞くなよーーーーーー!

目の前の人の期待に応えようとしてしまうこと、それ故、自分の気持ちに嘘をついてしまうことが苦しみの根源なのに、それがカウンセラー相手でも発動してしまう。


***

私自身は、カウンセリングに即効性はあんまりないのかな、と思っている。

言われたことを何度も反芻し、(自分がこれまで縛り付けられていた価値観とは違うものの見方を提案された時などは)徐々に徐々に違う見方が受け入れられるようになる


子供の頃から、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も…何度も、

「お前には価値がない」

と、言語&非言語で伝えられてきた人間に、たった一回

「あなたは、生きているだけで素晴らしいんですぅ〜!」

と言われても、シラーっとしてしまう。

むしろ、

「私は、金を払わないと、”生きていていい”と言ってもらえない存在なんだ。私は、ここに”免罪符”を買いに来たのかな…ははっ」

と乾いた笑さえ漏れてしまう。


だから、「今はまだ効果を実感かもしれないけれど、じわっと効いてきますよ」くらいのコメントでカウンセリング終了してくれた方が、気楽でありがたいなぁと思うのである。


「手放せないのは、メリットを感じているから」という考え方

ある時、「手放し」のワークを勧めてきたカウンセラーさんの一人に、
「ちょっと……難しいです。。。」
と言ってみた。

すると、
「手放せないのは、本心では手放したくないから。
 手放せないことに、何かメリットがあるはず。」

と言われてしまった。

え、、、メリット!?

これは、家に持ち帰って、何度も自分と対話したのだけど、やっぱりメリットがあるとは思えなかった。

よくある「自分が幸せにならないことで、親に復讐している」とかも考えてみたけど、自分も普通に幸せになりたいし、別に親に復讐したいとは思っていない。

別に親に復讐したいとは思っていないのだけど、「犯人扱いされた」記憶はどうにかしたいし、できれば「私はやってない」ともう一度言いたい。

……本当に、何度も何度も心に問いかけたけれど、復讐したいとは思ってないんだ。


あとは、自分を被害者にして、悲劇のヒロインとか?

「被害者でいることのメリット」という言葉も出されたけど、それで何か要求しようとか思ってないし、介護放棄するつもりもない(介護の資格とったよ)。


……なんだか、「被害者でいることのメリット」というワードが、相談者の人格をやや否定していないか?とさえ思う。(相手からいくら取れますかね?ウヒヒ…と思っているような。。。)

まぁ、それは、穿った見方かもしれないけれど。


いずれにせよ、「手放せない理由」が、どうしても思い当たらなかった。
よくあるやつを当てはめてみても、どれもしっくりこなかった。


強いて言えば、「やられっぱなし」感があることかな。
(でも、復讐したいわけじゃない)
結局、気持ちをわかってもらえないまま、というか、
「何も解決していない」感というか。


例えば、何年もいじめられた人が5分くらいの簡単なワークをして、
「嫌な気持ちがお空に帰る」なら、世の中にこんなに困っている人はいないんじゃないか、とか。。。ぐるぐる思ってみたりもした。


楽になった考え方

「カウンセリングはもう受けないっ!」と心に決めてから半年もしないうちに、悪夢とフラッシュバックで、即日予約可のカウンセラーさんにお世話になることにした。

(「手放し系」を推奨するカウンセリングは慎重に回避して)

私の話を聞いて、ひとこと
「冤罪の記憶がトラウマになってますね。」
と。

冤罪の記憶。

なんか、すっごい納得した。

「離れなくなって当然だから、その時の気持ちを少しずつ整理して吐き出しながら、その相手と今後どうやって付き合っていきたいか考えましょう」
ということだ。


考え方によっては、繰り返し語ったり、書いたりすると、記憶が上塗りされてより一層忘れられなくなるということもあるけれど、私の場合はそうではない。

話したり書いたりする毎に、記憶が一枚一枚剥がれて、薄くなっていくイメージだ。

それこそ、「お空に飛んでいく」ように。


私は、親の介護もしたいし、自分も幸せになりたい。

だから、過去の記憶を飛ばしつつ、今の親と仲良くなる努力をする…それが書いて「飛ばす」ことなのだ。






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